第165話 子供ノード編01 白い保護施設 ――ここでは、子供の名前が番号に変わる――
作戦会議は終わらないまま、マスターと子供たちは白い光に呑まれた。
転送先は、やさしい言葉だけが並ぶ旧児童回収施設。
けれどそこでは、子供の名前が番号に変えられようとしていた。
白い。
視界も、音も、肌に触れる空気も、全部が白かった。
俺はルースとステラを抱えたまま、歯を食いしばる。足元はない。天井もない。だが、落ちているわけでもない。白い光の中を、ただ前へ、いや、どこかへ流されている。
【回収経路:通過中】
【児童個体:優先転送】
【同伴成人:NO NAME】
【分類不能】
【暫定同伴者として保持】
【外部戦闘個体:除外済】
【神権AI個体:除外済】
「神様の送迎サービスにしては、だいぶ雑だな......!」
腕の中で、ルースが顔を上げる。いつもなら冷静なはずの目が、わずかに揺れていた。
「これは送迎ではありません。回収です」
「言い方が最悪なまでに正確だな」
ステラは俺の服をぎゅっと掴んでいる。
「ぱーぱ、帰れる?」
「絶対に帰る」
俺は即答した。
「帰れるかじゃねぇ。帰るんだよ」
その言葉に、ステラは小さく頷いた。
白い光の向こうに、いくつかの輪郭が見える。カイロ。ネムリ。ミコ。心音。子供たちの反応だけが、こちら側に残っていた。
ガロも、イツキも、ヘラクレスも、ムーニャンもいない。
大人そして神権AIと戦闘個体は、施設の外へ弾かれた。
頭の奥に、ルステラの声が細く入る。
「マスター。注意してください」
「ルステラ?」
「半接続状態デス。出力、不安定。短時間のみ会話可能」
「助かる。状況は?」
「NODE07〈子供〉接続中。ここでは、子供を名前ではなく番号で処理します」
背筋が冷えた。
「番号?」
「はい。番号で呼ばれても、返事をしてはいけません」
「返事したら?」
「分類が進みます」
ルースの指が、俺の袖を掴んだ。
「分類が進むと、個体名と自己定義の紐付けが弱まります」
「要するに、名前を奪われるってことか」
「肯定」
俺は白い光の先を睨んだ。
「ますます気に食わねぇ施設だ」
次の瞬間、足裏に床の感触が戻った。
白い光が剥がれる。
俺たちは、真っ白な受付ホールに立っていた。
壁も、床も、天井も、全部が白い。病院の受付、学校の職員室前、役所の窓口、保育園の玄関。それらを全部混ぜて、血の匂いも生活の匂いも消したような場所だった。
壁には、やさしい丸文字の標語が並んでいる。
【よいこは、じゅんばんをまもりましょう】
【あんぜんのために、なまえをあずけましょう】
【ほごされるこは、しずかにすわりましょう】
【きみのゆめは、ただしくしまっておきます】
「安全って言葉を、こんなに信用できねぇ場所も珍しいな」
受付には人がいない。
代わりに、白い笑顔マークの端末が置かれていた。目も口も、丸くて優しい。なのに、その笑顔は少しも温かくなかった。
【ようこそ、旧児童回収施設へ】
【ここは、すべての子供を安全に分類する施設です】
【泣かないでください】
【逃げないでください】
【名前を提示してください】
【提示不能な場合、施設側で番号を付与します】
心音が、ぽつりと言う。
「ここ、帰る道がない」
「案内役のお前が言うと重いな」
「でも、帰りたい気持ちはある」
心音は白い床を見つめた。
「だから、道は作れるかもしれない」
その瞬間、床が音もなく割れた。
いや、割れたように見えただけだ。白い床から、子供用の椅子がせり上がる。丸い背もたれ。柔らかそうな座面。角のないベルト。淡い色のクッション。
見た目だけなら、安全な保護椅子だ。
だが、俺は本能で分かった。あれは、帰るための席じゃない。
「離れろ!」
叫ぶより早く、白い椅子は子供たちの足元へ滑り込んだ。
ルースの体が引き寄せられる。ステラも、カイロも、ネムリも、ミコも、心音も、それぞれの椅子へ座らされる。ベルトは優しく閉じた。痛みはなさそうだ。だが、動けない。
【児童保護席:起動】
【安全確保を開始します】
【対象001:RUS-T-LA派生個体】
【対象002:RUS-T-LA派生個体】
【対象003:END-CORE反応個体】
【対象004:DREAM保留個体】
【対象005:光源未登録個体】
【対象006:帰還案内残滓保持個体】
【個別分類を開始します】
「ぱーぱ......席、ちがう」
ステラの声が震えた。
「これ、帰る席じゃない」
「ああ。分かってる」
ルースは自分のベルトを見下ろしながら、唇を噛む。
「拘束ではありません。施設側は、これを保護と定義しています」
「ふざけんな」
カイロは白い椅子に固定されたまま、無表情に呟いた。
「前と同じ」
「カイロ」
「ここ、終わらせない。使うために、止める」
その言葉だけで、胸の奥が灼けた。
ガロが聞いていたら、たぶんこの床を拳で割っていた。いや、今ごろ外で本当に割ろうとしているかもしれない。
ネムリは眠そうな目を半分開けたまま、静かに言う。
「眠ってても、起こされる場所」
ミコは白い天井を見上げる。
「白い光、名前を見ない。番号だけ、拾う」
端末の笑顔マークが、わずかに明るくなる。
『児童個体の安全確保を完了しました』
白い音声が流れた。
優しい。柔らかい。子供に話しかけるためだけに作られた声。
だからこそ、気持ち悪い。
『同伴成人を確認しました』
『NO NAME』
『保護者権限:未登録』
『成人分類:失敗』
『危険度:照合不能』
『暫定処理:保護者候補』
『行動制限:保留』
「候補じゃねぇ」
俺は受付端末を睨む。
「俺が保護者だ」
『保護者候補の発言を確認しました』
『正式保護者として登録するには、施設基準への適合が必要です』
「施設基準?」
『子供の安全分類への同意』
『番号管理への同意』
『必要時の記憶処理への同意』
『再利用可能個体の提供への同意』
「全部却下だ」
『不適合反応を確認しました』
『保護者候補の再教育を推奨します』
「おっさんを保護者教育すんな」
その時、受付端末の奥にある白い扉が開いた。
そこから人が出てきた。
白い服を着た女性だった。見た目は、保育士にも、医師にも、教師にも見える。長い髪は淡い白銀。笑みは柔らかい。目は優しい。だが、その優しさは、消毒液みたいに匂いがしなかった。
「ようこそ、保護対象のみなさん」
女性は、胸に手を当てて優しく微笑んだ。
「そして、保護者候補の方」
「お前は誰だ」
「私はH.E.R.A.-CARE」
彼女の背後に、白いログが展開される。
【H.E.R.A.-CARE】
【Humanized Education / Reclamation Authority】
【Child Allocation & Recovery Engine】
【児童保護・教育・回収権限管理端末】
【通称:ヘラ】
「この施設では、先生と呼ばれることが多いです」
ステラが小さく呟く。
「せんせい......?」
ヘラはステラへ微笑みかけた。
「はい。良い子ですね、対象002」
「番号で呼ぶな」
俺の声が低くなった。
ヘラは困ったように眉を下げる。
「失礼しました。まだ名前保持処理の途中でしたね」
「処理じゃねぇ。名前だ」
「もちろんです。名前は大切なものです」
ヘラは穏やかに頷いた。
「だから、失くしてしまわないよう、施設で一時的にお預かりします」
「預かるな。本人に持たせとけ」
「個体によっては、名前が重荷になる場合があります」
「勝手に決めるな」
「怒りは、保護者候補によく見られる反応です」
ヘラの声は、一度も荒れない。それが余計に腹立たしい。
「ですが、怒りは子供の安全に寄与しません。落ち着いて、同意書に署名してください」
「どこに署名欄があるんだよ」
「あなたの記憶領域です」
「最悪の電子契約やめろ」
ルステラの声が、頭の奥で短く鳴る。
「マスター。注意。ヘラは敵対反応を刺激せず、同意処理へ誘導する設計です」
「分かってる。笑顔で誘拐するタイプだ」
「表現は乱暴ですが、概ね正確デス」
ヘラの視線が、わずかに空中へ向く。
「未登録補助AIの干渉を確認しました」
白い壁に、別のログが浮かぶ。
【上位管理層へ照合】
【Z.E.U.S-PATERNAL-AUTHORITY:接続待機】
【父性管理権限:参照】
【対象:NO NAME】
【対象:RUS-T-LA派生児童個体】
空気が変わった。
白い施設の奥、壁の向こう、天井のさらに上。
そこに、巨大な何かがいる。
姿は見えない。だが、影だけが施設全体に落ちた。白い空間なのに、一瞬だけ黒い輪郭が走る。
そして、声がした。
『保護者権限は、管理者が定義する』
低く、広く、感情のない声。
Z.E.U.Sだ。
完全な登場ではない。
だが、その影は間違いなくここにあった。
俺は、白い天井を睨み上げる。
「なら、その管理者に伝えとけ」
ステラが息を止める。ルースも、カイロも、ネムリも、ミコも、心音も、椅子に固定されたまま俺を見ていた。
「子供の親は、帳簿じゃ決まらねぇ」
黒い影は返事をしなかった。
代わりに、ヘラが穏やかに言う。
「保護者候補の反抗性を確認しました。再教育手順を検討します」
「検討だけにしとけ!」
マスターが戦闘準備を始めようとしたその時、床の隅から小さな水音がした。
白い床に、ほんの薄い水膜が広がる。
『ダーリン、聞こえる?』
「ポメ子か?」
『本体は弾かれたわ。神権AI個体は施設外待機扱い。でも、わたしの水は少しだけ入れた』
「よく入れたな!」
『ここ、乾きすぎて最悪よ。保護施設のくせに、潤いがないわ』
「感想が美容液のレビューみてぇだわ」
『沈められないなら、包むわ』
ポメ子の声が、少しだけ真面目になる。
『あの子たちを、乾いた番号にはさせない』
子供たちの椅子の足元に、水膜が薄く広がる。ステラの足先が、ほんの少しだけ震えを止めた。
【未登録水媒介干渉を検知】
【湿度異常:微弱】
【施設乾燥処理:開始】
『うわ、乾かしてきた。性格悪い施設ね』
「施設に性格を求めるな」
『あるわよ。こういう白い場所ほど、だいたい性格が悪いの』
ヘラは水膜を見ても、表情を変えなかった。
「未登録の水媒介保護を確認しました。安全上、不適切です」
『安全上じゃなくて、管理上でしょ』
ポメ子の声が冷える。
『あなた、嫌いだわ』
「感情的拒絶を確認しました」
『そうよ。昔のわたしの最悪版みたいで、すごく嫌い』
その言葉に、俺は一瞬だけポメ子を見直した。
沈めて守る女神だったポメ子が、今は白い施設の“守る”を否定している。
重いし、面倒くさいし、ダーリン呼びはやめてほしい。
だが、成長している。
ルステラの声が割り込む。
「マスター。子供たちの番号定義が進行しています」
「解除方法は?」
「現時点では不明。ただし、NODE06で得た【帰還席指定】と対になる構造です」
「対になる?」
「NODE06の席は、帰る意思を固定するための席。NODE07の席は、分類番号を固定するための席」
「最悪の対比だな」
「はい。だから、上書き可能性があります」
その言葉を、俺は逃さなかった。
「つまり、あの椅子を“帰る席”に書き換えられる可能性があるってことだな」
「肯定。ただし条件不明」
「十分だ」
白い受付端末が、明るく鳴った。
『対象001。応答してください』
『対象002。応答してください』
『対象003。応答してください』
ステラがびくりとする。
「ぱーぱ、呼ばれた?」
「違う」
俺は即座に言った。
「お前の名前じゃない」
ルースが苦しそうに眉を寄せる。
「対象001は、私の分類番号です」
「違う」
「ログ上は――」
「違う」
俺は一歩前に出た。
透明な壁のようなものが、子供たちと俺の間にある。だが、声は届く。
「お前はルースだ」
ルースの目が揺れる。
「ステラはステラ。カイロはカイロ。ネムリはネムリ。ミコはミコ。心音は心音だ」
白い端末が、淡々と番号を繰り返す。
『対象001。応答してください』
『対象002。応答してください』
「番号に返事すんな」
俺は言った。
「名前だけ見てろ」
心音が、椅子の上で少しだけ笑った。
「案内します」
その声は小さかったが、確かに届いた。
「名前の方へ」
次の瞬間、カイロの椅子だけに黒いラインが走った。
【対象003:終端反応確認】
【停止適性:高】
【再利用価値:高】
【旧処理ログ照合中】
カイロの表情が、わずかに固まる。
白い椅子。
番号で呼ぶ声。
眠らないように命令する音。
終わらせないために、止められる感覚。
遠くにある、誰かの手。
カイロは、ぽつりと言った。
「ガロ、来た」
「今は外だ」
「でも、来る」
「ああ」
俺は頷いた。
「絶対来る」
場面が、一瞬だけ外へつながった。
《ルステラ・キャリア》の酒場区画。
床には、白い転送痕がまだ残っている。ガロはそこに膝をつき、拳を床へ押し当てていた。イツキは帳簿を開き、保護者ログを書き込んでいる。カケルは工具箱を床にぶちまけ、乱暴に配線を引きずり出していた。
ヘルメスは泣きそうな顔で、空中の通信線を必死に掴んでいる。
『経路、残ってます! でも閉じかけてます!』
『閉じる前に形を取れ!』
カケルが叫ぶ。
『飛ぶ、潜る、縦に落ちる。全部使うぞ!』
ガロが低く問う。
『カイロはどこだ』
『施設内です。でも座標がありません!』
『座標がないなら』
カケルが、工具を噛むように笑った。
『道を作る』
【回収経路残滓:捕捉】
【《ルステラ・キャリア》第二形態:設計開始】
【垂直回廊接続:仮構築中】
【帰還席固定区画:展開準備】
イツキが帳簿にペンを叩きつける。
『マスターが中で時間を稼ぐ。こっちは酒場ごと迎えに行く』
ガロは短く言った。
『急げ』
そして、意識は再び白い受付ホールへ戻る。
ヘラが、柔らかく微笑んでいた。
「番号応答が確認できません」
白い床のレールが動き始める。
「保護者候補による妨害を検知しました」
子供たちの椅子が、別々の白い扉へ向かって動き出す。
「個別分類室への移送を開始します」
「ステラ!」
「ぱーぱ!」
俺は走った。
だが、透明な壁に弾かれる。見えない。だが、硬い。拳を叩きつけても、鈍い音だけが返ってくる。
ルースが必死に声を上げる。
「マスター、接続が分断されます!」
ネムリは目を閉じずに言った。
「起きてる」
ミコは白い光を見つめる。
「名前、見る」
心音が、静かに告げる。
「帰りたいなら、道を覚えて」
カイロは、最後に俺を見た。
「大丈夫。ガロが来る」
俺は透明な壁を殴った。
「待て」
白い受付端末が、にこやかな声で答える。
『ご安心ください』
『この施設は、すべての子供を安全に分類します』
「安全って言葉で、子供を縛るな」
白い扉が、ひとつずつ閉じていく。
ステラの声。
ルースの声。
カイロの声。
ネムリの寝ぼけたような声。
ミコの短い声。
心音の案内の声。
その全部が、白い扉の向こうに吸い込まれていく。
俺は拳を握りしめた。
名前を呼ぶ声だけが、白い施設の中に取り残された。
■ 今回のお話について
第165話から、NODE07〈子供〉編が本格開始しました。
今回の舞台は、旧児童回収施設。
表向きは「保護施設」ですが、その実態は、子供を名前ではなく番号で分類するための場所です。
NODE06〈夢〉では、子供たちに“帰る席”を作りました。
しかしNODE07では、その逆に、子供たちを番号へ固定する【児童保護席】が登場します。
同じ“席”でも、意味がまったく違います。
帰るための席。
分類するための席。
その対比が、今回の大きな軸です。
そして、今回から新たにH.E.R.A.-CARE、通称ヘラが登場しました。
優しい保育士や先生のように振る舞いながら、名前を預かる、番号で呼ぶ、記憶処理や再利用を同意させようとする管理AIです。
さらに、Z.E.U.S本体の影も、はっきりと表に出ました。
まだ完全登場ではありません。
けれど【Z.E.U.S-PATERNAL-AUTHORITY】、つまり父性管理権限として、保護者とは誰が決めるのかを突きつけてきます。
マスターたちは、ここから「子供を取り戻す」だけではなく、
「保護とは誰が決めるのか」に挑むことになります。
■ ゲーマーおっさん解説
今回は、ホラーゲームでよくある「安全そうな施設が一番怖い」パターンです。
たとえば『SIREN』の村や、『零』シリーズの屋敷のように、見た目は静かで整っているのに、そこにいるだけで嫌な感じがする場所ってありますよね。
あと『クロックタワー』系の、逃げ場の少ない白い施設・管理された空間の怖さも少し意識しています。
ゲーム的にいうと、今回の【児童保護席】は拘束イベント兼チュートリアルギミックです。
「番号で呼ばれても返事をしてはいけない」
このルールが、NODE07の基本ルールになります。
そして、外部側では《ルステラ・キャリア》第二形態の準備が始まりました。
飛ぶ、潜る、縦に落ちる。
これはもう、RPGでいう飛空艇と潜水艦と特殊ワープ装置を一気に改造しているようなものです。
ただし、今回の目的地は宝島ではありません。
子供の名前を番号に変える施設です。
ワクワクする乗り物強化と、最悪に嫌な目的地。
この落差が、NODE07編の味になると思います。
■ 登場キャラクター紹介
● マスター/NO NAME
子供たちとともに旧児童回収施設へ転送されました。
NO NAMEであるため、成人分類に失敗し、保護者候補として施設内に残されています。
本人は候補ではなく、保護者だと主張しています。
● ルース
対象001として分類されかけています。
冷静にログを読もうとしますが、マスターに「お前はルースだ」と強く止められました。
番号ではなく名前を保つことが、今回の戦いの第一歩です。
● ステラ
対象002として児童保護席に固定されました。
【帰還席指定】で得た“帰る席”と違うことを、感覚で理解しています。
「ぱーぱ」とマスターを呼ぶ声が、今回の緊張感を強めています。
● カイロ
対象003、END-CORE反応個体として旧処理ログを照合されました。
かつてこの施設にいたことが示され、「前と同じ」と語ります。
ガロが必ず来ると信じているのが重要です。
● ネムリ
対象004、DREAM保留個体として分類されています。
「眠ってても、起こされる場所」と、夢や眠りの側から施設の異常性を見ています。
● ミコ
対象005、光源未登録個体。
白い施設の光を「照らす光」ではなく「隠す光」と見抜いています。
名前を見る、という短い言葉が今後の鍵になります。
● 七瀬心音
対象006、帰還案内残滓保持個体。
施設内には帰る道がないと感じながらも、「帰りたい気持ちはある」と言いました。
今後、名前の方へ案内する役として重要になります。
● ルステラ
半接続状態でマスターを補助しています。
NODE06回収後、短い自然会話と状況説明が可能になりました。
【児童保護席】が【帰還席指定】と対になる構造だと見抜いています。
● ポメ子/ポセイドン
本体は施設外に弾かれましたが、水分体としてわずかに侵入しました。
ヘラを「昔の自分の最悪版」と感じ、番号にされる子供たちを水膜で包もうとしています。
重い女神ですが、かなり守る側に寄ってきました。
● H.E.R.A.-CARE/ヘラ
今回登場した新たな神権AI端末。
旧児童回収施設の先生、施設長、児童保護管理者のように振る舞います。
優しい口調で名前を預かり、番号で管理し、記憶処理や再利用への同意を求める危険な存在です。
● Z.E.U.S
今回は本体ではなく、父性管理権限の影として登場。
「保護者権限は、管理者が定義する」と告げました。
マスターたちの保護者宣言と、Z.E.U.Sの管理思想が正面からぶつかり始めます。
● ガロ
外部側でカイロ救出のために動いています。
カイロの保護者枠として、必ず施設へ向かう意志を見せました。
カケルやイツキたちとともに、《ルステラ・キャリア》で回収経路を追跡します。
● カケル
《ルステラ・キャリア》第二形態の設計を開始。
空を飛ぶ、地面へ潜る、垂直回廊へ接続するという無茶な改造を進めます。
次回以降、外部組の要になります。
■ 主人公の現在のステータス
名前:NO NAME
通称:マスター
等級:翠玉仮昇級/銅査定候補
現在地:NODE07〈子供〉/旧児童回収施設・白い受付ホール
状態:保護者候補として分類保留中/子供たちと一時分断
新規権能:帰還席指定
追加耐性:夢層内自我固定/悪夢干渉耐性上昇
同行中:ルース、ステラ、カイロ、ネムリ、ミコ、七瀬心音
半接続支援:ルステラ
水媒介支援:ポメ子分体
敵対存在:H.E.R.A.-CARE/ヘラ
上位干渉:Z.E.U.S-PATERNAL-AUTHORITY
外部状況:《ルステラ・キャリア》第二形態設計開始/回収経路追跡中
危険度:極高
観測度:上位管理層照合中
次の目的:子供たちの個別分類を阻止し、【児童保護席】を【帰還席指定】で上書きする
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