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人の生き様は・・・第10話

ひびきが去った後のギルド内…まずは奇跡的な復活を遂げた二人の男を心配し、駆けつける職員一同であったが、一番ガタイの大きい男は目が覚めた後しばらくして額に大量の汗をかき全身を強張らせながら震えている。

もう一人のフルプレートの男は状況が掴めておらず、周囲を見回している。

結論から言うと、ガタイの大きい男は自分が死ぬ瞬間の出来事まで覚えており、その恐怖で震えていた。

もう一人のフルプレートの男は周りの話で死んだ事は分かったのだが、死因までは『誰一人として』教えてくれず、一言だけ

「知らない方が身のためだから」

とだけ伝えられていた。

そんな中老ギルド職員と老魔法使いが、何やら話している様子。

年老いた二人の話に気が向いたのか、他の冒険者と、他の職員も集まってきた。

「あの優男、もしかして『魔導の頂』にいる者か?」

尋ねられた老魔法使いは首を横に振り

「魔導の頂はあくまで『魔法使い』の延長、ところがあの男は『死者蘇生』を行っておる。生命を司るは高位の神官や僧侶、または神の祝福を受けた『王族』の系統に連なる者だけが使用できる御業。しかしあの男はアレだけ強力な破壊術式を行使し、とてもじゃないが『神の恩恵』を授かれているとは思えん。特にあの言動に態度、およそ魔導を探求する精神又は、神に仕える心構えとしてあり得んよ。『破壊』と『再生』を同時に扱える者は『神』そのものしかおらんとされている中、あの様な異質な人間が存在することがそもそも間違っているとしか言えん。」

周囲の話に聞き入っている者も同じく頷いている。「それもそうなんじゃが…あの男について一つ気になる事があるんじゃが、皆はあの男を見て不思議に思わなんだか?」

そう言われ顔を見合わせるが、誰も答えにたどり着いてないようで、解らないといった表情になる。が、冒険者の弓士の女が手を挙げた。

皆がそれに注目する。

「最初に会った時は、なんて『爺臭い』事言うのかなって、よくよく考えたら、外見『若過ぎ』ないかしら?どう見てもアレは20代にしか見えないわ。ところが、爺は魔導の頂だとか、色々言ってて、あの若さで今日起きた出来事修得出来る事なの?魔法に関しては私は解らないけど、戦闘技術に関してなら、あの剣術は異常よ!あんな戦闘技術は、人間生きてる内に身につけられるものなのかしら?最後の魔法使う時は、『その内使える』見たいな事言っていたような気がするけど、爺から見てアノ魔法は使えるモノなの?」

弓士の指摘に老魔法使いは首を横に振り、手振りでも左右に振って『無理』を連呼している。

確かにひびきの見た目は20代、肌色や表情、体格にいたるまで10代と言われても納得出来る容姿をしていた。

ただ四人の冒険者はアルがひびきに言い負かされてる所に遭遇しており、一度だけ自身の事を『儂』と呼んでいた事を覚えており、弓士が指摘してからは、実年齢何歳?ホンマに人間?見たいな頭がこんがらがるような思考に支配されていた。

老魔法使いは

「以前、儂のお師匠様が言っていた事があって今更思い出したわい。」

感慨深く語る老魔法使いに周囲の目が集まる。

「今は70代に差し掛かっている儂ではあるが、40年位前に『魔導学士』の異名をもつ方に弟子入りしておって、その方がこう言う事をおっしゃっておった。」

「本気で何かを極めようとする者は本当に何かを犠牲にしなければ、人の身では成し得ない。人が人として当たり前を生きる…これの当たり前を克服した者のみが、到達する資格がある。とな」

そこにガゼインが割って入り、

「じゃあ何か!アイツは人間捨てちまってるから、あんな態度なんか?」

その問かけに老魔法使いは首をふる。

「犠牲と捨てるは似て非なるモノ。これもお師匠様がおっしゃっていた。」

年の功の二人は成る程とお互いに理解できるものがあるのか感慨深く頷いていた。

「見たままで理解出来る事は、術を構築するにあたって『詠唱』を必要としていないこと、最低でも二つ以上の同時術式構築が出来ている事、術師というのに、近接戦闘にも問題が無いということ、一度構築した術を破棄せずに別の術に構成し直すことが出来ること、そして…生命を操れる事。」

この言葉でひびきの件で話していた人物達は身震いと落胆が同居した言いようのない『不安』に押し潰されつつあった。



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