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俺だけが使えるスキルツリーで異世界無双  作者: プラントスクエア


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第7話 妹と兄

翌日となり街中を歩いている蒼士。


「さすがにこの街を観光したいよな」


この街にきて3日目。この日が初めての観光だった。


「アイアン級にも昇格したしこの世界である程度はやっていけそうだな」


ゴブリン討伐の強さが認められたのかストーン級からアイアン級へと昇格した蒼士。


「まあ、観光って言ってもあんまりお金もないから本当に見て回るだけなんだけど」


本当ならもっと積極的に依頼を受けたほうがいいんだろうけど観光欲を抑えることができなかった。


「お金ができたら宿を変えたり服を買ったりもしたいな~」


大通りを歩いていた蒼士。すると蒼士の耳に悲鳴がかすかに聞こえてきた。


「きゃあああああ!」


蒼士は立ち止まり悲鳴の場所を確認する。


「さっきの悲鳴は聞き間違いじゃないよな? あっちか……」


聞こえてきた場所はいわゆる大通りではない裏の通り。そこは薄暗く大通りとは違って危険な匂いのする場所だった。


「さすがに見捨てるってのはダメだよな」


聞こえてきた以上はその女の子を助けるべく裏通りへと入る。


「う~ん……こっちか?」


気配を探しながら裏通りを数度曲がる。すると1人分しかないような狭い道で男に襲われそうになっている女の子がいた。


「やめて!私にこんなことしたらお兄ちゃんに殺されるわよ!」

「へっへっへ……その前に楽しんで消えればいいだけだろう~……」


その現場を見れば状況は一瞬で理解できる。


「剛力」


ドゴッ!


「ぐべらっ!?」


背後から男を前方に蹴飛ばす。剛力を使用した蹴りで男は十数m飛んで行った。


「……え?……」

「大丈夫ですか?悲鳴が聞こえたので助けに来ました」


男が消えて女の子を視認した蒼士。


「(おいおい……この子まだ小学生ほどじゃないのか?ギリ中学生? どこの世界にも変態はいるもんか)」


見た目からわかる女の子の若さに少し驚きをあらわにする蒼士。


「あ、ありがとうございます。本当に……ありが……ぐすっ……」


立ち上がりお礼を言う女の子。すると難を逃れたため安心したのか女の子が涙を流した。


「……怖かったよね……とりあえず大通りに行こう。送っていくよ……」


蒼士は女の子の頭を撫でて安心させようとする。


「ぐすっ……いえ……もう少しでお兄ちゃんが……」


女の子の言葉が終わる前に襲撃者が蒼士に襲い掛かった。


「妹に触れるなーーー!!!」

「ッ!」


シュシュシュッ!!


槍が上空から蒼士に向かって振るわれる。とっさに危機感知が働いた蒼士は直前で後方にジャンプ。槍の突きを回避した。


「お兄ちゃん!」

「待っていろメイ!お兄ちゃんがあの変態を殺してやるからな!」

「違うのお兄ちゃん!?その人は!?」

「死ねえ!!変態がー!!」


妹の声も耳に入らないほどに興奮し蒼士を不埒者と勘違いしたまま槍を連続で突く。


シュシュシュッ!


「(速い!それに的確に急所を狙ってきてる!)」


道が狭いので横に避けるのも身体を半身にするしかなく下がるしかない。


「(この道幅だと不利か。そして誤解が解ける雰囲気もないと)」

「お兄ちゃん!その人は助けてくれたの!ねえ聞いてる!お兄ちゃん!お兄ちゃんってば!」

「変態のくせに中々やるが妹を襲ったのは万死に値する!貴様はここで死ね!瞬錬5連!」


シュシュシュシュシュッ!!


先ほどよりも速く鋭い連続突きが蒼士を襲う。それに対して蒼士は剣で受け流し・回避しながら多少のかすり傷は承知の上で加速。


「なっ……!」

「ちょっとは妹の声を聞け!」


ドン!


さすがに妹の前で兄を手にかけるのは忍びないとして蹴りで横の壁にぶつけた。


「がはっ……!」

「お兄ちゃん!」


妹がすぐさま近寄る。しかし兄のほうはまだやる気のようで妹を庇うようにすぐに立ち上がろうとする。


「下がってろメイ!この変態は俺が『いい加減にして!!』殺して……え?」


さすがに至近距離からの怒鳴りは耳に入ったらしい。まさかの怒鳴りに兄は動きが止まる。


「この人は私を助けてくれたの!私を襲ってきたのはあっち!」


そうしていまだに気絶中の男を指さす妹。


「この人は私を助けてくれた命の恩人なの!そんな人に槍を向けるなんて!」

「い、いや……メイの悲鳴が聞こえて……駆けつけた時にその男がメイを抱きしめようとしてる風に見えたから……」

「いつも言ってるでしょ!私のことになると思考が停止する癖を直してって!」

「……はい……」


自然と正座の形になる兄。蒼士はとりあえず一難去ったことに安堵する。


「今回はごめんなさいですまないよ!お兄ちゃん完全に殺そうとしてたじゃん!あのお兄さんのほうが強かったからあの程度の傷で済んだけど!お兄ちゃんは勘違いで私の恩人を殺すところだったんだよ!あのお兄さんが被害届を出したらお兄ちゃんは殺人未遂だよ!犯罪者だよ!」

「……はい……すいません……」

「謝るのは私じゃないでしょ!」


成り行きを見守っていた蒼士はなんだか話が大きくなっていることに気が付きさすがに兄のフォローに入る。


「ああ~……メイちゃんでいいかな?俺は怪我も特にしてないからお昼ごはんでチャラってのはどうかな?」


こうして蒼士はこの世界にきて初めて人と共に食事をすることになった。

読んでくださりありがとうございます!


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