第13話 雪山の依頼
「フジミネさん、おめでとうございます。アイアン級からブロンズ級への昇格です」
「ありがとうございます」
ゴブリンアサシンやゴブリンマジシャンなどの中級魔物の討伐実績と先の山賊討伐が評価されて蒼士が冒険者になって数日でアイアン級からブロンズ級へと昇格した。
「ブロンズ級に昇格したため固定給として毎月500ゼニーが支給されます」
「冒険者に固定給があるんですか?」
「はい。一番トップのオリハルコン級ともなれば固定給だけで遊んで暮らせるほどのお金が毎月もらえますよ」
「……冒険者が固定給か……」
予想外のこともあった蒼士だったがこれで毎日依頼を受けていけば今日の宿を個室にできるのは確定だろう。
「依頼、頑張るか」
蒼士はせっかく昇格したので報酬がよく推奨ランクがシルバー級の依頼を受けることにした。
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乗合馬車と歩きで2時間弱移動した蒼士。目的の雪山へとやってきた。
「ええっと……目的はブルーシェリーっていう花の採取で注意すべきなのが中級のスノーベアーと上級のスノービッグベアー、か……」
中級はいいけどまだ上級の魔物は戦ったことないし出会わないように慎重に歩くか。
「ゴブリンの集団だったり山賊の頭領だったり最近は苦戦が続いてるからな。上級は要警戒ってことで」
蒼士が雪山を登る。ブルーシェリーという花は雪山の上層付近によくみられる植物であるがそこはスノービッグベアーの生息域でスノーベアーが大量に存在していることから実力がないものがいけば死は免れないような危険な場所。
「ここらへんであれば一番いいんだけど……そんなうまくはいかないっぽいな~……」
ゆっくりと周りを見ながら登山。しかしやはり下層にはブルーシェリーは見受けられない。蒼士は徐々に下層から中層へと入りそろそろ上層付近。
「ふう……ここからは身を引き締めないとな……」
いっそうの気合を入れて蒼士は足を踏み入れる。もちろん気配は消しながら。しかし上層に足を踏み入れて2.3分。そこでは蒼士の気配操作での気配遮断が通用しない場所だった。
「がああ!」
ドバン!
気配を遮断していた蒼士だったが突如としてスノーベアーに振り向かれその思い一撃を振り下ろされる。
「くっ!疾風!」
ぐぐっ!
雪山なため踏み込む足が沈み上手く移動できないながらもなんとか攻撃の回避に成功。
「気配の遮断が効果ないか。そして接近戦もここだと不利。魔術で対処するしかないか」
ひとまずはそのスノーベアーの討伐を行う。
「鎌鼬!」
ザクッ!
「ガアアアアア!!」
しかし蒼士の鎌鼬はスノーベアーに傷をつけることには成功するも怒りを増幅させた結果になった。
「だったら!火矢!」
火の矢を突進してくるスノーベアーに連射。すると火は苦手なのか火だるまになり苦しむ出すスノーベアー。
「よし!水槍!」
水の槍を生み出してもだえ苦しむスノーベアーに放つ。
ザクッ!!
「ガギャッ……!」
バタン
こうして蒼士はスノーベアーを魔術のみで討伐した。
「ふう……初めてだな。魔術のみで戦ったのって。 とりあえずブルーシェリーを探すか」
目的のブルーシェリーは案外すぐに見つかった。しかし蒼士が大変だったのはそこからだった。
「くっそ!さすがにこの数は無理があるだろ!」
絶賛雪山を下山しながらスノーベアーの群れとスノービッグベアーに追われ中。
「火矢!火矢!火矢!」
とりあえず火の矢の連射で何体かのスノーベアーの動きを止める。しかしそれ以外のスノーベアーやそもそもスノービッグベアーには火の矢は効果がなかった。
「まっずい!このまま下山しても追ってきたらどうする!そもそも追いつかれそうですらあるけど!」
「「「「ゴガアアアアアアア!!」」」」
このままどこまで追いかけてくるのか。そもそも追いつかれるかもしれない現状に一か八かに出る蒼士。
「この雪山でまともに走れないんだったら!空しかない!ぶっ飛べー!!」
蒼士は地面から自身を斜めに打ち上げるように勢いよく地面を突き出す。
ドウン!
そうすることで空へと投げ出された蒼士は無事にスノーベアーなどから逃走に成功した。
「おわああああああああ!?」
そこからは一か八かの風魔術で風を操作しての飛行。
「くっ!まずっ!このっ!」
結局は飛行成功とはならず不時着で数分の骨にひびが入る結果に。
「は、ははは……早く強くなりてえ……」
回復のスキルを使用して蒼士は街に帰還した。
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