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戦国太平記 〜大きな楠の木の下で〜  作者: 流星群
畿内統一編

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第88話 宣教師Ⅰ

※ 現在執筆の時間を余り取れない為、投稿を優先して話が短くなっております。また、誤字脱字の確認も不十分です。以上、ご了承ください。


※ 今話の中に宗教や民族に対しての厳しいやり取りがありますが、飽くまでも演出の一つであり、フィクションです。よって特定の宗教や民族を貶めたり、差別をしたり、対立を煽る事を意図する物ではありません。

◎近江国・近江八幡城 楠木正顕

 1563年 5月中旬


 直虎とひよが側室の列に加わっておよそ三週間が経過した。


 その間に、直虎とひよについて父上と母上、お爺に事情を説明して認めて貰い、国内の関係各所や臣下に対して二人を側室とした旨の周知を行った。


 また、ひよの連れ子でもある虎松についても、自身の猶子とした旨の周知を行い、いずれは自身の娘との娶せも考えている旨も公表した。


 それから、直虎についてだが井伊家の家督を継いでいた事から、男としての名を使用しているのだが、本人の希望もあってそのまま使用する事とした。まぁ虎松が元服すれば井伊家の家督は虎松へ譲り渡すつもりらしいが、その辺りは直虎の好きにすればよいと思う。


 因みに二人の年齢についてだが、直虎が27歳でひよが22歳で本人たちは年嵩で申し訳ないと思っているようだが、俺としては若くて見目も良く、これから五百年後までこれ以上年を取る事も無いので、気にする必要は無いと思う。


 また、何がとは言わないが二人との相性はすこぶる良かったとだけ言っておこう。


 それ以外の事では、三好家との和睦の条件であった河内国と丹波国の引き渡しについても特に大きな問題も無く順調に進み、臣下の新たな領地への移動や直轄領の郡代所の設置についても問題なく完了した。


 そして最後に、新たな施設を近江八幡城内に設置を行い、新たな施設として【桃源の湯】【石灰石鉱山】【純鉛じゅんえん鉱山】【硝石鉱山】【図面データー管理室】を一気に設置した。


 特に桃源の湯は女性陣に人気で、各種アメニティも充実していて自動で補充までされる。更に効能の美容効果が半端なく、事実母上の肌がピチピチとなり若返った事で、城勤めの全女性陣へとその噂が広がり、母上の許可も下りた事で城勤めの全女性陣が月に一度は必ず入浴に来ているらしい。因みに内部は男女で分かれているので俺の入浴には何ら問題はない。


 それ以外の鉱山関連は言わずもがなであるが、特に硝石鉱山は軍事力拡大に大きく寄与してくれる事だろう。


 そして最も高額なPPを使用して設置した図面データー管理室だが、この時代で再現可能な武器や道具、船や馬車などの乗り物等の図面を、必要な物資のリストと共にこの時代の者でも分かる様に印刷してくれる施設となる。但しこの施設には俺以外は侵入できないし、破壊不能オブジェクトとなっている。


 今はこの図面トリストを利用し、九鬼に命じて最新技術を取り入れた戦列艦やガレオン船の建造を指示。その費用は全て楠木持ちで全国から職人を集めさせ、海軍の早期設立を命じた。当然、諜報対策も万全に行い、()()()()情報漏洩には神罰が下る事になる。


 また、戦略物資でもある銃の製造と開発は近江の国友村を規模を大きく拡大して城塞化し、関係者以外立ち入り禁止とする禁足地とした。そしてフリントロック式のマスケット銃(ライフリング有)と紙製薬莢の製造を命じ、村の管理と警備を大谷吉房へと命じた。当然職人には高待遇を約束し、家族も共に住めるよう配慮した。また先々ではカノン砲やカルバリン砲の製造も予定しているので、皆には頑張って貰いたい。


 この三週間の主な動きとしてはこの程度だ。


 そしてこれからの予定だが、本日は午後よりキリシタンの宣教師との謁見が予定されており、小西隆佐が日ノ本の布教の責任者を連れて来る旨の連絡があった。


 また、来月には三好長慶殿との直接会談の為、会談場所である大坂本願寺に向けて出立する予定となっている。


「殿、小西隆佐殿と通訳のロレンソ了斎りょうさい殿、宣教師のルイス・フロイス殿、コスメ・デ・トーレス殿、ガスパル・ヴィレラ殿、フランシスコ・カブラル殿がお越しになっております。」


「ん?もうそんな時間か…。」


 長親の声で現実へと引き戻された俺は、傍仕えの長親(河田長親)を傍に引き連れ、鳳凰の間(謁見場(大))へと向かった。


 そして部屋に入ると、満和(恩智満和)、半兵衛(竹中重治)、弥八郎(本多正信)、卜伝(塚原卜伝)、恵瓊(瑶甫恵瓊)が左右の脇に並び、中央の位置に本日の訪問者たちが並んでいた。


 俺が席に着くと満和が面を上げるように促す。そしてここからはいつもと異なり、満和の侵攻にて進めて行く。


 まずは訪問者の方から自己紹介が始まり、コスメ・デ・トーレスと言う宣教師が代表して全員の紹介を流暢な日本語で行っていく。その中でフランシスコ・カブラルと言う者の名を聞いた時、ふとある記憶が頭の中を過った。


(カブラル?確かこいつは日本人を見下し、日本文化を否定した傲慢な宣教師だったと思うが…それにこいつが日本に来るのは1570年頃の筈だが…また歴史が変わったのか?まぁ、十中八九俺が原因だろうな…。)


「本日こちらに伺いましたのは、楠木様のご領地内での布教のご許可を頂きたく、罷り越しました。」


(しかし、このコスメ・デ・トーレスと言う者、本当に日本語が上手いな。余程の天才か或いは相当の努力をせねば、これ程のレベルでの習熟は不可能だろう。)


 それからコスメ・デ・トーレスやルイス・フロイス、ガスパル・ヴィレラが見事な日本語により、キリスト教の教えの素晴らしさついての説明がなされている。そんな時、後方に控えこれまで一度として口を開かなかったフランシスコ・カブラルが気怠そうに口を開く。


『ったく、やってらんねぇなぁ!なんでこんな辺境の黄色い猿に、俺らのような神に選ばれし民族がへりくだる必要があるんだ?こんな異教徒の国なんて猊下げいかの許可もあるんだし、さっさと植民地化して改宗させれば早いと思うがね…。』


 この言葉を聞いて言葉を発したフランシスコ・カブラル以外の宣教師と通訳であるロレンソ了斎の表情は文字通り引き攣った状態で固まった。


 しかしポルトガル語での発言であった為、楠木の側の者と小西隆佐はどのような意味の言葉が発せられたのか、俺以外には理解出来ていない。まぁ何にしても、こんな勘違い野郎にはお仕置きが必要だな。


「ほぉう…随分と舐めた事を抜かすじゃないか?フランシスコ・カブラル。我らの事を()()()()とは随分な物言いだな。恐らく自国語で喋ればバレないとでも思ったのだろうが、神の代行者たる神子であるこの俺が、貴様らの国の言葉程度を理解出来ないとでも思っているのか?」


 俺はギリギリ気を失わない程度の暴威を撒き散らして訪問者全員を威圧し、自身の身体の周囲にバチバチと雷撃を発生させる。


 俺の暴威を向けられた者らは金縛りにあったかの如く身体を硬直させ、全身から滝のように汗を滴らせている。そして歯をガチガチと打ち鳴らし、恐怖と驚愕の入り混じったような表情でこちらを見つめていた。






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