よし。ちょっと、皮貰いににいこう。
短い
『よし。ちょっと、皮貰いににいこう。』
事の発端は、黒猫ことサラマンダーのご飯だった。
「こいつ。なん食べるんだ?」
そう言いながら、岩石を口元に持っていく脳筋こと、浩輔。おい、やめろ!
「さすがに食べませんね。」
『サラマンダー』
もう、突っ込むのに疲れた俺は突っ込まない。
元はと言えばこいつの種族がわからない。
だから、何を食べるんだと言うことになり、猫だから魚だろって目の前に魚を置いたら・・・、
ぺしっ
前足で魚が皿から滑り落ちる。
「なんだ、滑ったのか?」
もう一度皿に魚を置いてやる。
ぺしっ
「ん?」
魚を置く。
ぺしっ
「・・・。」
魚を置く。
ぺしっ
・
・
・
「和樹さま。」
ぺしっ
魚を置く。
「か、和樹様」
ぺしっ
魚を置く。
「和樹さま!!!」
俺は、レジーナさんに肩を揺すられ現実に引き戻された。
黒猫との熾烈な争いはレジーナさんの介入により終了した。
「魚は嫌いなのでは?」
『サラマンダー』
返事のようにサラマンダーっとなくサラマンダー。
「そうなのか?」
『サラマンダー』
また返事のようにサラマンダーっとなくサラマンダー。
っということでその日からサラマンダーの食べれるものを探すことになった訳で今もこうして、浩輔が、魚介類、肉やら、木の実、草?薬草、岩、石、スライム、昆虫などなどなぜ後半になるにつれゲテモノになるのか疑問だが、因みに昆虫の種類で例の黒いのが出てきた時点で俺が窓から捨てといた。
窓の下から悲鳴が聞こえたが気のせいだと信じたい。
そんなこんなで寝る前に風呂に浸かりすぎてのぼせた俺は、アイスノン代わりの火竜の鱗を額に当てていた時。
バリバリ。
「ん?」
バリバリ。
「は?」
ムクッと起きようとするが、前足で抑えられる。
バリバリバリ
頭の上で鱗を食べている黒猫を無理やり抱き上げ破片になった鱗を見る。
『サラマンダー』
「サラマンダーねぇ・・・。」
鱗を与えてみる。
かぶりつくようにパクパクいや、バリバリと食べる黒猫擬き。
翌朝。俺は、研究室へ。
「たのも〜。」
「いや駄目ですからね。」
「でも、もう俺が持ってた。鱗無くなったし」
「いいですか。簡単に鱗って言いますが、あの一個一個魔力媒体になる貴重な研究室資材なんですよ。それにもう朝からあの調子で何枚もの・・・ああああ・・・だめ。離しなさい。こら食べるな」
「「「ああああ。」」」
「うわぁ。」
「いやぁ」
「・・・うぅ・・・高級媒体が食べられていく・・・」
っと数分のうちに大の大人数人から泣きながらやめてください。っと泣かれたため渋々サラマンダーに辞めてもらい決意の冒頭に戻る。




