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日常

受験生の中3が書いた戦い形の話です。

勉強もあって不定期ですが連載していきたいと思います。

初めての投稿なので温かい目で見てください・・・

尚、この物語はフィクションであり、登場する人物、団体などは... <以下:省略> 

 漣や龍吾たちが通う北海道立第四高等学校 <以下:第四または四校> は山の麓にある漣の家からでも徒歩15分程度でつく位置にある。型にはまった進学校でも、だらけきったヤンキー高校というわけでもない。いたって普通の高校だ。

 それでも、活気がないというわけではなく、部活は熱心に取り組んでいる。去年の夏にはサッカー部が県内大会のようなもの <以下:全道大会> に出場した。

 生徒数も多く、少子化の影響をあまり受けていないようだ。

 そこのある教室 <以下:2-B> で2人の男子生徒が騒いでいた。

 「昨日はよくもやってくれたね、りょ・う・ご・~?」

 「何のことかな、漣?僕にはサッパリだな」

 訂正、白々しいにもほどがある言い争いが繰り広げられていた。


 


 きっかけは早朝 〈以下:遅刻ギリギリ〉 近所のクラスメイト <以下:かしわ 陽奈ひな> に見つかったところからはじめる。

 「あっ、漣が彼女と一緒に登校してる...」とは陽奈が驚きと同時に発した言葉。

 最初はやっかいな幼馴染に見つかっただけだったのが、どういう経緯で伝わったか知らないが、「北山 漣が高校生のコスプレをした小学生に手を出した」という噂になって広まっていた。

 ましてやその相手が、同じクラスに転校してきた美少女 <以下:美幼女> となれば全校生徒の興味を誘うのは間違いない。(その時点で噂は嘘だと証明されているのだが)

 それを当事者が知ったのは昼休み後半のことで、その後半で言い争いが起きたというわけだ。

 「だから何で僕に当たるんだよ~(笑)」

 「そのセリフを吐いている時点で充分悪気があったと思うのだが?」

 幸いなことに今この場にリサはいない。早くも教材が渡されるらしく、職員室にいる。もっとも、もしいたのならば噂を否定するために声を張り上げ、さらなる誤解を招いただろうが。

 周りの人も2人のケンカには気付いているが、漣の照れ隠しだと勘違いし、一向に止める気配がない。その間にも噂は広がり、結果的にクラス全員が好奇の目線を向けることになった。

 だが、流石に自分にも責任があるだろうと思った陽奈が、もう一人の幼馴染 <以下:大野 春香> と一緒に止めに入ったところでようやく収集がつきそうだ。

 「ほら、2人共いい加減にして。やり過ぎだよ?」

 噂の発信源だと思われる張本人は呆れた顔で仲裁に入る。

 それに合わせて、口数の少ない幼馴染も珍しく争いごとに首を出す。

 「これ以上やると。余計誤解を招く。三城君も陽奈の言うとおりやり過ぎ。これぐらいにしとくといい。」

 正論を言われ、理論の面で反抗できなくなった2人は渋々引いた。

 学級代表に注意され、静かになった教室に興味本位で見る視線はもう無くなった。B組が真面目なクラスだからすぐ静まったのではなく、 春香が注意したから(・・・・・・・)静まったのだ。

 普段からポーカーフェイスを保ち常日頃冷静な彼女の判断は、同学年だけでなく他学年からも信頼されている。表立って指示することはあまりないが、適切な状況判断は龍吾 <以下:言い訳や切替、頭の回転がうまい男> 以上であるため上級生も評価せざるを得ない。

 そのことを、クラスメイトは1年かけてちゃんと理解した。

 異様な様子で静まりかえった教室に入ってきたりさと小菜木 <以下:りさの荷物持ち> は、首を傾けるので精一杯だった。


 


 時を同じくして、大通りの地下街に外国人がいた。

 外国人というだけならあまり目立たないのだが、一人は白いマントで体全体を隠すように覆い、赤い髪を完全にオールバック。もう一人は黒いロングコートを羽織った黒髪の女性。冬場に秘書と言われれば納得するような雰囲気と体系 <以下:グラマー> だった。

 そんな季節外れの二人組みは当然のごとく人目を引く。

 「リンナよ、人々が我々を凝視してると思うのだが、気のせいか?」

 リンナと呼ばれた女性は、メガネをあげながら呟く。

 「それは司祭が用意したこの服が原因です」

 「バカな、我は亜寒帯に適した服装を選んだはずだが!?」

 思考を練るまもなく返した答えに女性は動じず、いつも通りだなと歩を進めた。

 違和感のある方向へ。


 


 時間は変わって放課後。「俺たちはいとこだから、面倒見るのを転校初日だけ頼まれたんだ」と苦し紛れの言い訳でクラスメイトから逃げてきた4人は昨日の戦闘場所へ向かっていた。無論、言い訳がとおったのは龍吾と小菜木の手助けがあったおかげだが。

 「ところで、今日は何をするんだ?」

 「今日は漣君が何なのかを調べるんだよ」

 当然の疑問に、小菜木が揺れる部分の少ない髪を揺らしながら、間髪入れずに答える。そこに、足りない分を龍吾が補足した。

 「能力の分析ができる人を呼んで、詳しく調べてもらうことにしたんだけど、りささんから聞いてないの?」

 さん付けのところに隣が反応したが、諦めたふうに必要なことだけ答える。

 「それ決めたの今日だから、オレじゃなくて龍吾が伝えりゃいいじゃん。っつか誰来んの?“解素かいそ”の奴か?それとも“単分たんぶ”?」

 「いえ、新人みたいですよ。」

 急な <以下:誤魔化した> 話題転換は、漣の質疑を生み出し、長々とした説明も生み出した。

 「カイソにタンブって変な名前だな~。」

 「2つとも『術名じゅつな』のことだけど...これこそりさちゃんは言ってないの?」

 小菜木のリアクションは「?」を「!」に変えてもいいくらいのものだった。

 「あぁ。聞かれてないからな。」

 白状だなと肩をすくめたのは龍吾だけで、残りは切り替えて解説を始めた。

 「『術名』っていうのは各個人の能力の名前。大体はその場にいる研究者つけるんだ。簡単に言うと、第二の名前かな?」

 「じゃあ小菜木も持ってるのか。」

 「おぅ。オレには“両道りょうどう”ってのがある」

 今度は聞かれてない(?)りさが即答した。

 りさの回答に龍吾と小菜木は少し躊躇ったが、隠す必要もないと思ったのか龍吾も続いた。実際にかかった時間は1秒にも満たないだから漣は気付いていないが。

 「僕は“空換くうかん”の能力。小菜木は...」

 「私は“創樹そうじゅ”ってゆう能力がね」

 漣は相槌をうつだけで、それっきり黙り込んでしまった。正確には黙らされたのだが。

 小菜木の造った重苦しい雰囲気に。


 


 四校に食堂はない。今の時代学食のあるほうが少ないのだが。したがって昼は弁当か校外ですますことになる。

 その法則で常連となった6人はハンバーガーショップに陣取っていた。

 昨日は結局新人が来なく、漣の分析は後回しとなった。(漣に詳しい事情 <以下:三大原族の可能性を訴えても、早急に手を打つ必要がないという理由で本部のほうで後回しにされた> は聞かされてない)

 尚、向こうも忙しいから急にはこれない、というのが龍吾の言い分。

 すぐ解散した夕方にまだ重苦しい雰囲気はあったものの、朝にはすっかりなくなっていた。小菜木の胸中にはまだ残っていたが。

 それた話題を元に戻すが、今はハンバーガーショップの中。四人掛けのテーブルを2つ並べて、雑談をしていた。

 今回の内容は高校生にふさわしい恋愛ものだ。どの話題からそうなったかは知らないが、漣が覚えてる限りでは先輩の話だった気がする。(ちなみに漣とりさの話題はいじられ過ぎてネタが無くなった)

 「そういえば龍吾と小菜木っていつから付き合ってるの?」

 陽奈の話題転換は小菜木だけでなく漣までもを驚かせた。(文脈から察するとおり龍吾は驚いてない)

 「高校入ってから...だよな?」

 「う、うん。」

 龍吾の助け舟に小菜木がのる、いつも(?)のパターンだ。

 「っでどこまでいったの?」

 言葉には出さなかったが漣にも興味はあった。この手の話は龍吾たちから一度も言われてないからだ。

 だが、プライバシーを守る気持ちは優等生が持っていた。

 「結。答えたくなかったら別にいい。」

 「あ、春香ありがとう」

 「じゃあこの話題はこれで終わりでいいですね?」

 頷くかそうでないかの違いはあったものの、全員が同意したのには変わりなかった。


 


 時を同じくして、コンビニの屋上に地下街にいた外国人がいた。

 白いマントの男はパンを片手に、もう一方の手に野菜ジュースを持っていた。パンがサラダパンのところを見ると健康に気をつけているようだ。少なくとも食事は。もう一人はコーヒーを片手に持つだけだった。

 「リンナよ、違和感は感じるか?」

 「感じはしますが...少し奇妙ですね。数が3つ。奇数です。」

 男は目を閉じて、思考を始める。数秒で目を開けたが、疑問は残ったままのようだ。

 「どうゆうことだ?」

 「行ってみなければありませんが、数は脅威とならないでしょう。一筋縄でいかないかもしれませんが。」

 男は頷き食事を再開する。

 味わうためでなく、栄養を取るために。


 


 今更容姿を紹介するのはどうかと思うが陽奈や春香、小菜木、りさ <以下:いつものメンバー> は美少女の部類に入る。スタイルやタイプに違いはあるものの学年でもランキング上位を占めている。(ランキングの存在は男子しか知らないが)

 そんな少女たちを連れている(?)漣と龍吾は当然のごとく嫉妬の視線の的になる。今日も昼休みの帰りに被害にあった。

 しかし、龍吾と小菜木は周りが認める中なので、必然的に恨みは漣一人が買うことになる。物理攻撃にはしる輩がいないだけまだましだが。

 その物理攻撃に出ないのは理由があった。陽奈と春香は幼馴染、りさはいとこということでしかたなく漣と一緒にいて、別に好意は持っていないと周囲が思っているからだ。好意を持っていないのならば漣が告白して振られればいいというのもまた暗黙のルール。

 だがそれはあくまでも周囲の意見。当事者たちの本心は含まれていない。

 そのある当事者の想いは揺れていた。一人の転校生 <以下:建前上のいとこ> の登場によって。

 


 

 ポニーテールの髪を解いた陽奈の頭は枕の中、体はベットの上にあった。

 うつ伏せの体制で今日のことを振り返る。

 「また聞けなかったな...」

 聞けなかったのは漣とりさの関係。

 同じ幼馴染にも差はあり、春香より陽奈のほうが近い関係にある。物理的にも、それ以外でも。

 幼稚園のころから一緒だった陽奈には漣の嘘がわかっていた。

 陽奈が知っている漣の両親の兄弟は、父方の未婚の兄だけ。知っていると言ってもこれが全員だが。

 いとこができるようなことはない。ましてや同年代なんて。

 陽奈は何故漣が嘘をついたのか知りたかった。

 本当に漣とりさが恋人同士なのか。

 だが聞けなかった。

 聞いてしまったら今までの関係が、これまで築いてきた信頼がなくなってしまうような気がして。

 胸のうちにしまっている気持ちを、ずっと伝えたかった想いを抑えられなくなるような気がして。

 だから親友にメールを送ることしかできなかった。

 『嫉妬...してるのかな?』


 


 場所は北山家リビング、時は亥の刻 <以下:10時ごろ> 。

 デジャブのような状況で、またも質疑応答が繰り返されていた。

 「龍吾と小菜木が『クンベル』ですか?」

 「あぁ。確か6歳ぐらいのときからじゃないかな?」

 聞いたばかりの話だが、『クンベル』とは簡単に言うと相棒とかパートナーということらしい。永久のという単語がついてくるが。

 「だからほとんど一緒にいるんだな。」

 りさの説明はこうだ。こっちの世界にいる異能者は基本的に二人一組の体制 <以下:クンベル> をとっている。(りさは例外だと前置きしていた)組んだ二人が同性であれば親友か兄弟 <以下:姉妹> 、異性であれば夫婦か恋人となる。そうして、どちらかが死ぬまで半永久的に『クンベル』となるということだ。

 龍吾と小菜木の場合は高校生ということもあって恋人となっているらしい。つまり、昼の言い訳は半分ホント、半分ウソということだ。

 「それじゃあ龍吾と小菜木はその...本人たちの意思に関係なく婚約者になってるってことですか?」

 漣の質問には、予想に反した答えだけが首だけで返された。

 「いゃ。規則的に縛られてはいるけど実際に結婚を前提とした付き合いをしてるのは本当だぜ」

 予想外の答えが返ってきて、漣は驚くと同時に思考を始めた。そのせいで顔を傾けたりさに気付かなかなかったが。

 漣は同年代の友達が将来のことを考えながら生きていることに、自分はどうなのかと思った。

 高校に入ったのも単に家が近いだけで、何か特別な目標があるわけではない。

 ならばこっちの世界ではなく、裏界で何かできないか。自分にしかできないことはないか。

 そう経験の少ない頭で考えてもでない答えを打ち切って、目線を戻すとりさが居眠りをしていた。もう一つのデジャブを感じながらため息がまた闇に消える。


 


 時間は少し巻き戻るが、場所は春香の部屋。

 部屋に唯一あるぬいぐるみ <以下:陽奈からのプレゼント> を抱いた春香が勉強机に向かっていた。だが机に向かっているといっても勉強してるわけではなく、携帯をいじっている。尚、春香が勉強嫌いなわけではなく、陽奈のメールに返信してるだけだ。

 「ふう...」

 本日何回目か判らないため息は、解決の難しさを物語っていた。

 相談の内容は「何故漣が嘘をついているか」。

 春香には感情的な相談はできないと思った陽奈の適切な内容だった。

 しかし、春香も万能なわけではなく、返事に困っていた。(陽奈には明日メールすると連絡した)

 春香は考える。何故漣君が嘘を付いたのか。嘘を付いたのはりささんとの本当の関係を知られたくないから。三城君と小菜木さんも嘘を付いたのは本当の関係を知られると2人も困るから。

 となると秘密は4人共通のものとなる。それ以上の解明にはいかなかった。

 更にもう一つ疑問があった。

 りささんの素性がまったく解からないのだ。実家の力を使っても、どこの高校にいたかぐらいしかわからず、捜査が進まない。

 本当の意味で謎だらけだった。

 さすがの春香も手詰まりで、眠気に身を委ねる形になった。


 


 時を同じくして、ホテルの部屋にコンビニの屋上にいた、地下街にいた外国人がいた。

 「司祭、違和感の場所を地図に示しました。」

 白いマントの男が持つ携帯 <以下:二つ折りでないもの> に地図が送られた。赤い座標つきで。

 「ここが寝床で間違いないな。」

 「はい。」

 黒いコートをハンガーにかけた女性が頷き、沈黙が流れる。

 「明日の晩、ここに行く。手古摺ることも考え、今日は休め」

 男が踵を返し、ベットに向かう。女性も反対側のベットへ。

 男と女が密室で二人っきりなのに、浮ついた空気が入り込む隙間は一切なかった。

次こそ戦闘にいってきます(敬礼)

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