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異変

受験生の中3が書いた戦い形の話です。

勉強もあって不定期ですが連載していきたいと思います。

初めての投稿なので温かい目で見てください・・・

尚、この物語はフィクションであり、登場する人物、団体などは... <以下:省略> 

 最近の新しい権利に「知る権利」というものがあるが、知らないほうがいいという情報もある。

 その知らなくていい権利は国単位で守られている。守る理由はパニックを招くからだ。

 しかし、現代のインターネット化により情報は一瞬で全世界に送られる。しかも、インターネット上に送られた情報は消えることがないので、どう頑張っても「知らない権利」を守ることは難しい。

 では、もし徹底的に出来事を知らせないためにはどうすればよいか?

 それは簡単なことだ。その出来事に関する記憶、情報、痕跡すべてを消し去ればいい。


  


 夕焼けがきれいな急な坂。そんなところに自転車に乗った少年 <以下:北山きたやま れん> がいた。紺色のジーンズに、薄手の白いパーカー。普段着のまま近くのコンビニ <以下:坂の下にある近所とはいえないコンビニ> に向かっている。漣が見た、夏でも沈むのが早いの夕陽は地平線に接したところだ。

 そんな何気ない光景で前触れも無く異変が起こった。右側にあった民家が跡形も無く消えたのだ。実際には移動(・・したのだが漣にそんなことはわからない。

 「な、なにが・・・」

 理解のできない脳が出した言葉は単純なものだったが、漣の表情は複雑な感情で覆われていた。

 だが、容赦のない現実は次々に異変を起こす。先ほどの移動を口火にしたかのように民家が再び移動を開始した。


  


 ようやく理解の追いついた漣は反射的に民家や電柱などと、同時に音が立て続けに発生している場所に向かっていた。そこが異変を見た場所からあまり遠くない公園だったのはすぐにわかった。

 好奇心旺盛だという理由で自分の行動を片付けることもできるが、今回は何かが違う。頭の中に直接訴えるような違和感があったのだ。

 公園にはあっという間にたどり着いた。着いたときには轟音が鳴り止み、静寂が訪れていたが、緊張感は空間いっぱいに満たされていた。

 その中に奇妙な人影が3つある。

 「リサさん。いい加減使えるようになってください。」

 「うるさいな~。おまえらがやってくれるからいいじゃん。」

 「いつまでも僕たちと一緒とは限らないでしょ?」

 場に合わない聞き覚えのある声が聞こえてきた。

 「そうなった時はおまえをもらうからいいよ。」

 「だめだよ~。リュウゴはあたしのだも~ん。」

 「まあ、その話は後にして。さっさと片付けますよ。」

 最後の男の声の主は胸の中心に右腕をもっていった。周りの荒れた光景も合わせて見ると、悲惨な戦場に祈りをささげる神父のようだ。

 そして本日最後の異変が起こった。

 男の体から澄んだ水色の光が漏れ出し、神秘的な光景が作り出される。光は荒れた光景を元に戻し、日常を作り出す。沈みかけた夕陽と重なり民家が平穏を物語った。

 漣は再度信じられない光景を見て絶句した。

 「...ッ」

 声にならない叫びが唇の隙間を通り抜ける。

 それでも驚きの繰り返しだったため最初ほど理解できないわけではない。何か事情を知っている3人に説明を求めるため歩み寄った。真っ先に聞いたのはここに来たときから気になってたこと。

 「龍吾りゅうご・・・じゃないか?」

 いきなり声のかけられたクラスメイト <以下:三城みき 龍吾> は体ごとこちらに向けてきた。

 「やあ、漣。どうしたんだいこんなところで?」

 いつもクラスで交わしているのと変わらない、少し気障な口調で問い返してきた。目の前にある惨状を前にした後でも何も感じてないような愛想笑だった。

 「どうした・・・って、それはこっちが聞きたいよ。今までのはなんだったんだ。家が消えたり、現れたり。終いには何も無かったかのように元に戻って・・・。龍吾は何か知っているのか?」

 話の途中から龍吾は驚き、知っている女子 <以下:小菜木こなき ゆい> と見たことのない少女は周りを見回し警戒の意思をあらわにした。龍吾の漣を見る目は、宇宙人を見るような信じられない者を見る目だった。

 「どういうことだ?本部には連絡したはずだが。」

 「龍吾の言うとおり。本部には連絡もしたし、『改操かいそう』も成功したって応答も来てる。」

 漣のことは忘れ、3人の世界に入り込んでいた。

 しばらくして、小菜木が口を開く。

 「もしかして、ヘレルの一族?」

 「ウソだろ!『改操』を打ち消すほどの一族は三大原族しか!」

 見知らぬ少女は近所迷惑も考えず、大声で反論した。

 「その三大原族じゃないですか?水の原族が20年ほど前に蒸発してますし」

 さすがに話の内容が解らなさすぎたのか、漣は3人に説明を求めた。


 


 漣は3人からいろいろな事実を聞いた。

 「つまり、今俺たちのいる世界とは別にもう一つ『裏界』ってのがあるんだな?」

 「うん。そうだよ~。」

 小菜木はテンションの高さを維持しながら、豊富なバリエーションで肯定してきている。

 「っで、龍吾に小菜木、それに...リサさん?は『裏界』の人間なんですね?」

 「おう。さん付けじゃなくてリサって呼んでくれ」

 漣は頭を抱えて唸りたかった。実際にそうできなかったのは万が一にしゃがんでしまうと、小菜木のスカートをのぞくような体制になるからだ。

 3人は隠す様子も無く話してくれた。

 この世界とは別に『裏界』と呼ばれる世界があること。『改操』とは世界中の人間の記憶を操ること。龍吾がやったのは建物の修復だということ。<以下:ありえない出来事を無かったことにすること> さっきのは戦いで、リサさんが相手を始末したこと。龍吾たちは『裏界』の警察みたいな立場で、戦った敵 <以下:犯罪者> からこちらの世界の人間を守っていること。他にも言われた気もするが、把握できたのはこれくらいだった。

 「それで、俺は何で記憶が消えないんだ?」

 さっき驚かれたのはこれが原因らしいが、理由までは理解できなかった。

 「推測でしかないけど漣がヘレルの一族、それも三大原族の可能性があるからだよ」

 「ヘレルの一族っていうのはね~『裏界』で元から能力持っている一族のことだよ~♪」

 「それで、三大原族ってのはさっき説明したから解かるだろ?」

 「いや、それもさっぱし...」

 龍吾は呆れた態度を肩で作りながらも教えてくれた。

 「三大原族はヘレルの一族の中でも特に有力な3つの一族で、火、雷、水の一族の総称だ。しかも原族は完全に『改操』の影響を完全に受けない。つまり漣が三大原族かもってことだ。」

 「おう、わかった...」

 「ホントに大丈夫かよ」

 リサまでもが呆れた表情になってきたところで龍吾が意味深なアイコンタクトを小菜木ととった。

 「じゃあ僕たちはそろそろ帰ります。」

 「詳しいことはまた明日学校でね~漣君、リサちゃん、じゃあね~。」

 龍吾がきびすを返して腕だけで、小菜木は体全体で手を振る動作 <以下:バイバイ> をしてきた。

 「じゃあな。」

 「おう。また明日!」

 坂によって背中の見えなくなったところでリサに話しかけた。

 「俺たちも帰りましょうか?」

 「おう、帰るとする...か...ってあーーーーーーーーーー!!」

 再び近所迷惑の関係ない絶叫が響き渡り、ご近所さんの注目を集めた。リサはポケットから携帯を取り出し電話を掛けだしたが、お決まりの音声 <以下:お掛けになった電話は電源が入って・・・> が聞こえたらしく、舌打ちと共にもとの場所にしまった。 

 「ど、どうしたんですか?」

 三度状況においてかれた漣は状況を整理するため説明を求めた。

 「オ、オレ今日から結の家に泊まる予定だったから・・・」

 「それなら今から行けばいいじゃないですか?」

 リサは首を横に振り、質問に答えた。

 「結の家がどこにあるか知らないんだって・・・」

 「...お金は持ってません?」

 「『裏界』の金はあるけど円はない」

 「じゃあ泊まる場所は...?」

 「ないってことだ...」

 漣たちはその場で無言のまま立ち尽くした。

 そんな状況を嘲笑うかのように漣の携帯にメールが届く。

 『リサさんを家に泊めてね((笑 by龍吾』

 「龍吾ォォォォーーー」

 ようやくはめられたという感覚が三度目の正直の注意と共に訪れた。


 



 漣は今一人暮らしをしている。両親と暮らしていたが、1年前の交通事故で肉親を完全に失ってしまった。唯一連絡の取れた親戚 <以下:伯父> は海外に居て、一旦は海外留学の話も出たが、英語も話せず、ましてや元からこの地を離れる気のない漣は結局一人暮らしをすることになった。

 そんな普段ではこんな遅い時間に人の来ない家に小さな女の子がやってくる。

 「お、おじゃまします...」

 「ど、どうぞ...」

 来訪者であるリサは遠慮気味に家の奥へと入っていった。

 また、家主である漣も女の子を意識する年頃 <以下:思春期> なので、顔を赤くしながらも迎え入れた。

 面白半分にこの状況を作り上げた龍吾に電話を掛けても繋がらず、野宿するわけにもいかないので、リサは漣の家に泊まることになったのだ。

 漣の家は幸いにも一人暮らしには広すぎるくらいなので、部屋も有り余っているし、小さな女の子一人増えてもスペース的には問題ない。

 だが精神的には問題があると漣は思っていたのだが、そんな問題は以外にも簡単に片付いた。少女の興味によって。

 「うわー。何だこいつら!?おぉ、かわいいな」

 リサが興味を示したのは総勢3匹の仔犬。もともと人懐っこい彼らは同類(?)である小さなリサに対して好意的であるようだ。

 すっかり変な雰囲気がなくなったところで、漣はリサに声をかけた。

 「それじゃあ俺はご飯の準備するんでリサさんは適当にくつろいでください。荷物は2階にある空室を使ってください。」

 漣はほとんど聞き流されていると思っていたが、リサはしっかりと聞いていたみたいだ。

 「くつろぐのは遠慮なくさせてもらうが、さん付けはなしって言ったろ?敬語もやめてくれよ」

 「でも...年上に呼び捨てでタメ口は...」

 漣は砕けた感じがあるが、それでも礼儀はしっかりしているほうだ。たとえ本人にいいといわれても抵抗がある。

 「年上って、オレは同い年だぜ?それに明日からはおまえと同じ学校に通うって龍吾が言ってたぞ?」

 「えっ?同い年?それに、それいつ言いました!?」

 驚きと同様で声が上ずったが、なんとか質問の意味が通じる文章は言えたみたいだ。

 「いつって一通り説明したときに言ってたぞ?」

 それは聞き逃してもしかたないな、と混乱を理由に切替したが、同時に、あえてそのタイミングで言ったであろう親友に怒りも覚えた。

 それにしてもリサが同い年だというのには驚いていた。体自体は小さいものの、龍吾や小菜木に対する口調や堂々とした態度から絶対に年上だと思っていたし、ましてや同い年だとは思いもしなかった。

 だが、それを声に出さず心の内にしまうあたり、今日一日で大分成長したと漣はひそかに感じていた。


  


 その後は特にこれといったことは無く、早い時間に寝るのみとなってしまった2人はリビングにいた。何も無かったのは本当で、お決まりの嬉し恥ずかしのドッキリは無かった。

 もしこの場を第三者が遠巻きに見たのならば、いちゃついているように見えるが、会話の内容はまったくもって違い、重かった。

 「ええと...向こうの世界の人間も生まれたときはこっちの世界の人間と大差ないんですね?」

 蓮は、龍吾の説明で理解できなかった部分を、何かお礼をしたいと言ってきた律儀な同居人に詳しく聞いていた。全部理解できるかは別として。

 「...あぁ。だから能力は手術・・によって手に入れるんだ。一応手術を受けずに一般人として生きることもできるが、普通そんなことはしないだろうな。」

 「その手術っていうのは具体的に何をすんです...するんだ?」

 強引にタメ口に持っていったことに少しいやな目をされたが、あえて無視して答えを求めた。リサも漣の心境が理解できたのか、それ以上は言わずに本題を続けた。

 「簡単に言うと脳を開いてある部分に刺激を与える。それによって脳が誤作動を越す。その誤作動が能力ってわけだ。」

 「脳を直接ですか?」

 少し赤く染まった18禁映像が頭に浮かんだが、振り払うように再び説明を求める。

 「おぅ。何時だったかこっちの世界で生きた人間の頭を開いて人体実験をしたときがあるだろ?その実験を聞いた『裏界』の人間がこれの応用で能力をつくれないかって実験をしたところ、うまくいったんだ。」

 何ともいえない事実に漣は気分が悪くりながらも、疑問点について考えた。自分の知識が正しければその実験が行われたのは大昔ではないはず。となると『裏界』で能力が普及したのは最近なのか。当然の疑問は知識のみでは解決できず、模範解答を三度求めることになった。

 「さっきの話からして能力が普及したのは最近か?」

 ぎこちないながらも今度は言い直さずに済んだ漣は、眠たそうに犬 <以下:チョコ> とじゃれあってるリサに質問する。

 「そのとおりだぜ。それまでは三大原族が完全に支配する形だったんだ」

 蓮は、今の話を聞いてじゃあこっちの世界と『裏界』が繋がったのは何時からからか、と聞こうとした。

 しかしやっとリサが寝てることに気付いた漣は変な興奮を起こさず、そのまま毛布を掛けるだけにした。

 「この質問は明日でいいや。」

 こういうとこは子供だなと独り言をつぶやいた漣に、龍吾たちに聞くという選択肢はなかった。

まだ戦いに入れませんでした・・・

がんばって続けていきたいです。

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