第24話 ワタシか、世界か
私たちは、白い光と崩れる世界の間に立っていた。崩れていく世界では人々が逃げまどい、完全なパニックになっていた。
「こちらが、ワタシのつくった新しい世界です」
そう言ってルクさんは白い光の方を指さした。だが、それだけで無理矢理腕を引くようなことはない。
「……無理矢理、連れて行かないんですか?」
「それは最後の手段なので」
ルクさんは心底嬉しそうに笑っていた。
「ワタシ、言いましたよね? 一緒に生きてください、と」
「……みんながいる世界の話だと思ってました」
「あそこは駄目です」
「どうしてですか」
「クロノスの支配から逃れるためや我々が異物であることなどもありますが、一番の理由はそうですね……あなたに相応しくない」
軽く言ってのけた。その言葉も、態度も、何もかもが許せなかった。
「新しい世界なんてそんなこと望んでない!」
「生きたいと思うことは人間の本能です」
「私はみんなが好きだった!」
「あなた以外はすべて不用品です」
「みんなと……一緒に、いたかった……」
「一緒にはいられないんですよ」
ルクさんは穏やかな表情で続けた。
「あの世界は2人の異世界人とクロノスの支配によってのみ動く世界です。そこではワタシもあなたも異物。排除しようと動くのは当然なのです。それならば、異物同士、クロノスの管理から外れてしまえばいい。単純な話なのですよ」
涙が零れる。この人が、世界を壊した。そして、私も加担してしまった。それがどうしても悲しくて、悔しかった。
「さあレンゲ、選んでください」
ルクさんは選択の余地があるような言葉を続けた。
「ワタシか、世界か」




