第8話 聖なる夜と、少しだけ近い距離
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「寒っ!……」
白い息が、ふわっと空に消える。
「クリスマスですよ良先輩!」
キルキルは元気いっぱい。
「元気すぎだろお前…」
「人多いですねぇ…」
エリザベス
「ひぃぃぃ…滑りますぅぅ…!」
サシャ
すでに足元ガタガタ
「転ぶなよ」
アルトアイゼンが支える。
イルミネーションが街を包む。
キラキラとした光の中、みんなで集まっていた。
「よし、まずは食べるか!」
ブブ
「いいね!」
ラン
「りょ〜♡こっちこっち」
メイが手を引く。
「ちょ、だから引っ張るなって!」
「メ~イ〜」
たんたんがやんわり止める。
メイが頬を膨らませる。
その少し後ろ。
ちょぼは静かに歩いていた。
「……寒い」
小さく呟く。
「ほら」
横からマフラーが差し出される。
良だった。
「え?」
「使えよ」
「……あんたは?」
「俺は平気」
ちょっと強がり
少しの間。
「……じゃあ、半分」
「え?」
ちょぼがマフラーを広げて——
一緒に巻く
距離が、近い。
「ち、近くね?」
「うるさい」
でも——
ほんの少しだけ、ちょぼの耳が赤い。
「良先輩〜!!」
キルキル突撃
「うおっ!?」
バランス崩れる
ちょぼも巻き込まれる
「危なっ——」
良がとっさに支える。
そのまま——
かなり近い距離
「……」
「……」
数秒、固まる。
「……離れて」
ちょぼが小さく言う。
「わ、悪い!」
「すみませんでしたー!!」
キルキル全力謝罪
でもちょっと笑ってる
「お前なぁ…」
その様子を見て——
「……チッ」
ランダーが遠くで舌打ち。
「行くぞ」
クロが肩を叩く。
強制連行
その後も——
「これ美味しい!」
ラン
「サシャ落ちるなよ!」
大将
「ひぃぃぃ!」
やっぱりビビる
わちゃわちゃは止まらない。
そして——
夜が深くなる。
「ちょっと静かなとこ行く?」
ゆうちゃんが提案する。
「いいね」
ラン
みんなが少し離れた場所へ移動する。
気づけば——
良とちょぼ、2人だけ少し遅れる。
「……寒い」
ちょぼが小さく言う。
「だから言っただろ」
「マフラーの隙間から風入らないように」
「……ありがと」
少しの沈黙。
イルミネーションが、静かに光る。
「……なんで」
ちょぼがぽつり。
「なに?」
「優しいの?」
「別に普通だろ」
「……そう」
少しだけ視線を逸らして——
「……嫌いじゃない」
「え?」
「なんでもない」
即終了
でも——
その距離は、さっきより近かった。
遠くで、みんなの笑い声が聞こえる。
「行くか」
良が言う。
「……うん」
マフラーは、まだ一緒のまま。
聖なる夜。
騒がしくて、あたたかくて——
そして少しだけ、特別な時間。
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今後もよろしくお願い致します。




