第5話 夏の終わりと、君のとなり
いつも読んでいただきありがとうございます。
優しい小説楽しんでもらえると嬉しいです。
夏休みに入り、みんなのびのび過ごしてた。
ある日の夜。
提灯の明かりが、ゆらゆらと揺れている。
「うわぁぁ!お祭りですよ良先輩!!」
キルキルが目を輝かせて走り出す。
「待てって!はぐれるぞ!」
「もう遅いよあれは」
大将が呆れる。
「完全に子供だな」
「いいじゃん、楽しそうで」
ランが笑う。
「りょ〜♡」
後ろからメイが腕を絡めてくる。
「一緒に回ろ?」
「ちょ、だから近いって!」
「メイ〜」
たんたんがふわっと引き離す。
「落ち着きましょう〜」
「ひ、人多すぎですぅ…!」
サシャが完全に怯えている。
「大丈夫だから離れるなよ」
アルトアイゼンがしっかり支える。
「良」
静かな声。
振り向くと——
浴衣姿のちょぼ。
一瞬、言葉を失う。
白と黒の模様が、いつもより柔らかく見える。
「……なに」
「いや、その…似合ってる」
少しだけ間があって——
「……そう」
そっけない返事。
でも、耳がほんのり揺れていた。
「ちょぼぉぉ!!」
ランダー登場。
「その格好めっちゃいいな!!」
「うるさい」
即終了
「くっ……」
ランダー沈没。
「はいはい、並んで歩くよ」
ゆうちゃんが仕切る。
自然に隊列完成
屋台を巡りながら——
「良先輩これ食べましょう!」
キルキル
「もう食ってるだろそれ!」
「金魚すくいやりたい!」
ラン
「絶対無理だろお前」
大将
「ひゃあああ!!金魚動いたぁぁ!!」
サシャ
「そりゃ動くだろ!?」
笑い声が夜に広がる。
その少し後ろ。
良とちょぼは、並んで歩いていた。
「……さっき」
ちょぼがぽつりと呟く。
「なぁに?」
「似合ってるって言ったの」
「あ、あぁ…」
「……ありがとう」
小さな声。
一瞬だけ、目が合う。
ドンッ
夜空に花火が上がる。
「うわぁ…!」
キルキルがはしゃぐ。
「綺麗ですねぇ…」
エリザベス
色とりどりの光が、みんなの顔を照らす。
良は、横を見る。
ちょぼは花火を見上げている。
その横顔は、どこか少しだけ——
寂しそうに見えた。
「……どうした?」
「別に」
少しの沈黙。
「……終わるから」
「え?」
「夏」
短い言葉。
「……そっか」
良も空を見上げる。
さっきまでの騒がしさが、少し遠く感じる。
笑い声も、音も、光も——
全部が、少しずつ消えていくような感覚。
「楽しかったな」
良がぽつりと言う。
ちょぼは少しだけ目を細めて——
「……そうね」
花火が、最後の大きな音を鳴らして消える。
静けさが戻る。
「……また来年も」
良が言いかける。
「来るの?」
ちょぼが小さく聞く。
「来るだろ、みんなで」
少しの間。
「……そう」
ちょぼはそう言って、少しだけ前を歩く。
その背中を見ながら、良は思う。
(なんか……)
(もうちょっと、隣にいたいな)
夜風が、静かに吹く。
「おーい良ー!」
ラン
「迷子になるなよー!」
ブブ
「行くぞ!」
良は駆け出す。
その少し前で。
ちょぼが、ほんの少しだけ振り返った。
一瞬だけ目が合う。
そして——
ほんの少しだけ、笑った。
夏の終わり。
楽しかった時間は、あっという間に過ぎていく。
でも——
その中で、確かに残るものがある。
5話読んでいただきありがとうございます。
今後もよろしくお願い致します。




