表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白犬とハチワレ姫の学園日和~揺れる尻尾と君のとなり~  作者: アル治


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5/10

第5話  夏の終わりと、君のとなり

いつも読んでいただきありがとうございます。

優しい小説楽しんでもらえると嬉しいです。

夏休みに入り、みんなのびのび過ごしてた。


ある日の夜。

提灯の明かりが、ゆらゆらと揺れている。

「うわぁぁ!お祭りですよ良先輩!!」

キルキルが目を輝かせて走り出す。


「待てって!はぐれるぞ!」


「もう遅いよあれは」

大将が呆れる。

「完全に子供だな」


「いいじゃん、楽しそうで」

ランが笑う。


「りょ〜♡」

後ろからメイが腕を絡めてくる。

「一緒に回ろ?」


「ちょ、だから近いって!」


「メイ〜」

たんたんがふわっと引き離す。

「落ち着きましょう〜」


「ひ、人多すぎですぅ…!」

サシャが完全に怯えている。


「大丈夫だから離れるなよ」

アルトアイゼンがしっかり支える。


「良」

静かな声。

振り向くと——

浴衣姿のちょぼ。

一瞬、言葉を失う。

白と黒の模様が、いつもより柔らかく見える。

「……なに」


「いや、その…似合ってる」

少しだけ間があって——

「……そう」

そっけない返事。

でも、耳がほんのり揺れていた。


「ちょぼぉぉ!!」

ランダー登場。

「その格好めっちゃいいな!!」


「うるさい」

即終了

「くっ……」

ランダー沈没。


「はいはい、並んで歩くよ」

ゆうちゃんが仕切る。

自然に隊列完成

屋台を巡りながら——

「良先輩これ食べましょう!」

キルキル


「もう食ってるだろそれ!」


「金魚すくいやりたい!」

ラン

「絶対無理だろお前」

大将

「ひゃあああ!!金魚動いたぁぁ!!」

サシャ


「そりゃ動くだろ!?」

笑い声が夜に広がる。

その少し後ろ。

良とちょぼは、並んで歩いていた。

「……さっき」

ちょぼがぽつりと呟く。


「なぁに?」


「似合ってるって言ったの」


「あ、あぁ…」


「……ありがとう」

小さな声。

一瞬だけ、目が合う。

ドンッ

夜空に花火が上がる。

「うわぁ…!」

キルキルがはしゃぐ。


「綺麗ですねぇ…」

エリザベス

色とりどりの光が、みんなの顔を照らす。

良は、横を見る。

ちょぼは花火を見上げている。

その横顔は、どこか少しだけ——

寂しそうに見えた。

「……どうした?」


「別に」

少しの沈黙。

「……終わるから」


「え?」


「夏」

短い言葉。


「……そっか」

良も空を見上げる。

さっきまでの騒がしさが、少し遠く感じる。

笑い声も、音も、光も——

全部が、少しずつ消えていくような感覚。

「楽しかったな」

良がぽつりと言う。

ちょぼは少しだけ目を細めて——

「……そうね」

花火が、最後の大きな音を鳴らして消える。

静けさが戻る。

「……また来年も」

良が言いかける。


「来るの?」

ちょぼが小さく聞く。


「来るだろ、みんなで」

少しの間。


「……そう」

ちょぼはそう言って、少しだけ前を歩く。

その背中を見ながら、良は思う。

(なんか……)

(もうちょっと、隣にいたいな)

夜風が、静かに吹く。

「おーい良ー!」

ラン


「迷子になるなよー!」

ブブ

「行くぞ!」


良は駆け出す。

その少し前で。

ちょぼが、ほんの少しだけ振り返った。

一瞬だけ目が合う。

そして——

ほんの少しだけ、笑った。

夏の終わり。

楽しかった時間は、あっという間に過ぎていく。

でも——

その中で、確かに残るものがある。

5話読んでいただきありがとうございます。

今後もよろしくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ