前へ目次 次へ 22/45 断片的な記憶 6 「お兄さんの夢はなんですか」 「夢?」 「はい。将来、実現させたいこととかです」 「ううん、何かあるかな。ぱっとは出てこないな。これといったものが思いつかないし、実はそんなの考えたこともないんだよ」 「ないんですか?」 「今の暮らしに満足しているからさ。これ以上、望むことがないんだ」 「何もないんですか?大それたことじゃなくて、些細な事柄でもいいですけど」 「うん、そうだな。強いて言うなら」 「強いて言うなら」 「今の暮らしが永遠に続くことかな」