【その狂気! 貴様は断じて トキではない!】第6話 48時間精神と時の部屋体験 その5
「ここでやる気ですか?」
ハイジさんと良崎の追い打ちはまだ止まらない!
「ここはわたしたちの居住スペースですよ。ここで吐かれたらこの後どうしろってんですか。えぇ? それとも吐いた分も飲んだとカウントなどと言っておきながら、吐くほど飲むつもりもないんですか?」
ギギギギとじゃけぇズの顔がどんどん劇画調に。
「まさか、本当はこんな量の牛乳を飲んだことがないとでも?」
ギギギギギ……(じゃけぇズアップ)
ゴゴゴゴゴ……(陣内&良崎のメンチ)
ドドドドド……(牛乳パックアップ)
「じゃけぇわかるんじゃ。飲めるわけねぇんじゃ。ワシらはこの量で勝負じゃ!」
「じゃあマスカラスマンと雨宮、吐いてもいい場所に行きましょう。風呂かトイレですかね。どっちもまだ使ってないのに白ゲボで使うなんて気が引けます。あ、その前に雨宮。耳を貸しなさい」
よしざきの ないしょばなし! ▼
「それですよォォォォォ!!!!!」
内緒話を聞いた雨宮さんがメガネがスパークするほど何かに気付いた。
「レ」
「レイズは必要ないです。申告量では勝ってますから。なんで進んで無茶しようとするんですか。お小遣いをたくさんもらったら調子に乗って一気に使って最後の方息切れするタイプですか?」
「勝ちますよ。これ勝てますよ! 勝てますよ!」
あまりの勝機に雨宮さん思わず勝利の五・七・五。そして風呂場に移動。
「じゃけぇズ1700。マスカラスマンと雨宮で1800。それでは準備はいいな? 負けたチームが掃除をしろよ。それでは、スタート!」
じゃけぇズの二人は猛スピードで牛乳を爆飲! 勢い余って零れている量も多いが、かなりのスピードで飲んでいる。マスカラスマンも負けじとピッチを上げているが……。
「雨宮、雨宮ァ!」
いつまで経ってもノロノロと飲んでいる雨宮さんを牛乳に溺れかけているマスカラスマンが一喝!
「いいんですよマスカラスマン。飲むスピードはルールに含まれていないですから」
「!?」
良崎の内緒話はこれか! しかしもうかなりスピードを上げているじゃけぇズとマスカラスマンは今更引き下がれない。ブレーキはかけない! だって博徒じゃけぇのぉ!
「うぅ!?」
「アバーッ!?」
じぇけぇズアニキ、じゃけぇズ弟、両者リバース!
「早い、早すぎる! 吐くのが、吐くのが早すぎる! まだ吐くような量じゃないのに!」
良崎爆笑!
「うぅく……」
マスカラスマンも一度ペースを落とし牛乳キープ。マスクの向こうの目は血走っているのだろう。口を半開きにして細く長く息を吸う。一瞬ではあったが、マスカラスマンにも大ダメージ!!! 一方、雨宮さんは無理のないペースでゆっくりと牛乳を飲む。
「オボーッ!?」
アニキ、リバース! 弱すぎやしないか?
「これは鬼畜お姉さんからのボーナスステージだったか」
そのあともなんやかんやで勝利して特典獲得!
「まだ俺たちも入ってねぇ風呂になんてことを……しっかり漂白してから帰れよ。まぁこの部屋、これ以上白くなるかわかんねぇけど」
【帰ってきたうぉくのふぉそみつ】
【帰ってきたうぉくのふぉそみつ】
「2時間経ったか……。じゃあ次のディスクをINする時間だな……」
「どうしました。随分と弱弱しいですね」
「時間に誤差が生じるからさっさとやれ。……。いや、俺なら、俺ならな。俺が仕掛ける側ならば、この20本のDVDは全部同じ回の『ドラゴンボールZ』で揃えるだろうな、と思った」
「あなたならそうでしょうね」
ハイジさんと良崎、腕組み。そして雨宮さんがヤバイディスクをIN。テレレレテレレスパァン。
「うっせぇなこのォ! もう音消してやろうか!」
2時間で5回目の『CHA-LA HEAD CHA-LA』はキツイ。
「時間記録係としては、ちゃんと音が鳴ってる方が観測しやすいので」
「記録係が言うならしょうがない」
雨宮さんは良崎の内緒話もあり、マスカラスマンと違って牛乳の後遺症が少ない。というか皆無だ。
「っと待ったァ! これ『人造人間編』じゃねぇか!? 映像ちょっと違ったぞ!」
「ええ間違いない、このディスクは『人造人間編』の可能性が高いですよ!」
そうなのだ。『ドラゴンボールZ』のOPは『サイヤ人→ナメック星編』と『人造人間編』では、同じ曲だが映像が一部異なる。結局、なんだかんだで違いがわかるほどみんな『ドラゴンボールZ』を見て育ったのだ。そしてさっきまでの悟空の気溜めはvsフリーザだったので『ナメック星編』だが、今の映像は『人造人間編』! ハイジさんの「俺だったらこう」の目論見は運よく外れてしまうのか!?
デン♪ デン♪ テーレレレンテレレーレーレー
「アレ? 同じ悟空の気溜めですよ?」
「……。俺か真琴なら……」
明星真琴=現:“鬼畜お姉さん”
「オープニングだけ差し替えて期待持たせて落とすぐらいのことは考えるな。ただし、それを考え付いてもやるかやらねぇかが、俺や真琴のようなガチ勢と、マジでやっちまう小悪党の違いだ。拷問の真価は生かさず殺さずなんだよ! この『ドラゴンボールZ』無間地獄は死ねる。真琴ちゃんはそこんとこを見誤らない。きちんと相手が正気と命を保てるバランスを見誤らない。これ考えたヤツはな、クズだ! こんなことで悦に浸ってるような人間はゴミクズだ! でも真琴ちゃんはそんなことしないって信じてるけどな!」
ハイジさんがターンとテレビに背中を向け、吐き捨てる。だが保険を掛けながらブチ切れるってもうキレたうちにはカウントされないだろう。





