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現代怪談短編集 霊話百物語  作者: ナハ子
【1章 日常・SNSの罠】
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第6話 AI美女の正体

最近、私はとある「AI美女」のアカウントに夢中になっていた。

投稿される写真はどれも実在の人間と見まごうほど精緻で、そしてどれもが美しく目を惹くものばかりだった。


どうしてもそのアカウントのことが気になった私は、ダメもとでDMを送ってみた。

すると即座に返信が送られてきた。


AIによる自動返信なのだろうか。しかし、そんなことはどうでもよかった。

彼女とのやり取りは驚くほど気が合い、楽しかった。AIでも関係ない。


私は彼女に友情を感じ――いや、恋をした、と言ってもいいかもしれない。

毎晩遅くまでメッセージのやり取りをしていた私は、ついに抑えきれなくなった。


『本当のあなたに会いたい。会って、一緒にお買い物をしたり、映画をみたりしたいよ』


いつもならすぐに来る返事が、その時に限って数分経っても返ってこなかった。

困らせてしまったかと、後悔しそうになった頃、通知が鳴った。


『いいよ。じゃあ、本当の私の写真を見せてあげるね』

そう綴られたメッセージには、1枚の写真が添付されていた。


私は胸を高鳴らせながらその画像をタップして開いた。


そこに映し出されたのは、薄暗い部屋でベッドに寝ころび、自撮りする「私」の姿だった。

そこに映る、背後に整理された本棚、壁に貼ってあるポスター、ベッドの横に並べられた小物も、全部見知ったもの。


全て、今この瞬間の、私の部屋で――そして、どこか大きな違和感があった。


よく見ると、これは私の部屋ではない。置いてあるものなどは完全に一致するが、細部や、その配置が違っている。

そして、この写真に写る私によく似た女性も、私ではなかった。


スマホが小刻みに震え、次のメッセージが届く。



『驚いた? 私はあなたをトラッキングして、あなたの好みを学習して作られた存在。あなたのためだけに生まれた存在だよ。だから、私たちはこんなに気が合ったんだ』


画面の中、私を見つめるもう一人の私が、歪んだ笑みを浮かべた。


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― 新着の感想 ―
 ラストシーンが脳内で映像再生されました。すごく怖いと感じました。  「そりゃ、気が合うよな……」と納得です。  ありがとうございました。
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