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現代怪談短編集 霊話百物語  作者: ナハ子
【1章 日常・SNSの罠】
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第2話 中古のスマホ

ネット通販で、格安の中古スマホを買った。

簡単に動作確認を終えると、その日は枕元に置いて眠った。


深夜2時。

激しいバイブレーションの音で目が覚める。

スマホが、枕元で暴れていた。


画面を見ると、勝手に動画アプリが起動していた。

初期化されていたはずだが、一部消しきれなかったデータが残っていたようだ。


暗い画面に、ざらついた映像が映し出される。

どこかの部屋のようだ。


「やめろ! 助けてくれ!」


画面の中で、男が叫んでいる。

半裸で椅子に縛り付けられた男は、身体中に痣や傷を作っていた。

カメラを構えている誰かが男を激しく殴りつけた。


男が白い歯の混じった血を吐いた。

気持ち悪くなり、アプリを消そうとしたが、操作を受け付けない。音量を下げようとしても、電源を切ろうとしても、何も反応しない。


やがて、画面越しに見せつけるように大きなナイフが映された。

カメラを持つ人物は、それを男の喉に押し当てると、ゆっくりと、確実に刃を横に滑らせた。

喉からどくどくと赤い血が流れだし、男はこと切れた。


静寂が訪れる。

カメラがゆっくりと動き、返り血を浴びた「犯人」が映し出された。

その男はレンズ越しにこちらをじいっと見つめ、やがてにやりと笑った。



「次は、お前だ」


そこで、ようやく画面が暗転した。アプリが落ちたのだ。

直後、一通の新着メッセージを知らせる通知が画面に現れた。


同時に、玄関のドアを、ドンドンドンドンドンと叩く音。


私は動くことができなかった。


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― 新着の感想 ―
面白かったです。 展開がテンポ良くて読みやすいし状況が掴みやすい作品でした。 白い歯の混じった血を吐いた。 ↑この文章が特に好きです。 ありがとうございました(`・ω・´)ゞ ※余計な心配…
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