キーマカレー
※続・カレーネタ
我が家にはちょっと困った癖をもつ人がいる。
「……何これ」
「干しぶどうだ」
「見れば分かる」
いや、買うのが悪いとは言わない。干しぶどう? きっとポリフェノールが沢山あって、体に良いと思うんだ。うんうん。否定しない。否定しないけど……。
買い物袋の中から出てきたのは、1キロは有りそうな干しぶどうの袋。
「これ食べれんの?」
「食べるんだ」
「誰が?」
「お父さんとお母さんで」
「……ほぅほぅ…」
私は目を細めて、これでもかと軽蔑した眼差しで父と母を見た。
(絶対無理だと思うけどな!!!!!!)
*****
珍しいものや新しいものを見つけると、ついつい買ってしまうのがこの県民の習性らしい。コンビニの新製品の調査は、この県で行われているってテレビが言っていた。そんな代々生粋の県民で有る父と母は………なんか突然買ってくる。
『個装されているプルーン』
賞味期限が長いからと、半年ぐらいかけてやっと消費する。
『フキの砂糖漬け』
残り3本だというのに、後生大事かと思わせるほど冷蔵庫に4ヶ月いた。ちなみに内容量は100グラムほど(とっとと食べろ!)
『養○酒』
何故大きいのを買ってきたの? まずは小さいのからでよくない? 9ヶ月かけて消費する。
『青汁』
だからまずはお試しパックって奴を買おうよ。ほら! まだ残ってる! ホットケーキに入れるのもう止めて!! 1年かけて消費する。
『クロ○ラ』
彼らの最期を私は知らない……。
『酒』
弱いくせに買ってくるな。棚にまだまだ残っている。開けてないから大丈夫? おそらく3~5年経過。
……思い出せるくらいでこれくらい有る。その他、食材を駄目にするエキスパートがいるのだから………私が料理をするようになったのは必然なのだ。
農家の血なのに…!
農家の子なのに…!
ご先祖様ごめんなさい……。
かくして、食べ飽きた(好みでなかった)為に大量に残ったレーズン達。(だから量を考え!おぶぶぶぶ……)
どうする?! どうやって消費する??!!
「そうだ……! キーマカレーを作ろう……!!」
これしか方法はない。
私は強くそう思った。
***
タマネギ、人参をみじん切りにし、よく炒める。
1度違う器に入れ、今度はひき肉を炒める。
ひき肉が炒まったら、タマネギと人参を鍋に戻し、水、レーズンを入れてしばらく煮込む。いつの間にか買い置きしてあるローレルとか言う葉っぱをいれる。レーズンが柔らかくなるまで煮込んだらカレー粉を入れる。いつの間にか買い置きしてあるクミンシードとか言うカレーの匂いがする粒を入れる。シナモン(粉)もぶっ込む。オールスパイスとか言う目の前に有った香辛料も入れる。
(……なんか出来た!!!)
調理方法が後半適当になりすぎていたが、気にしない。
(おお…! なんか出来た…!!)
味見をすると、お店でなんか食べたこと有るかも的な味だった。甘くなく、酸っぱすぎず、何よりカレー。カレー味が生きている……!
1人感動していると、お腹の空いた兄が2階から降りてきた。そして揶揄る。
「味見した?」
「母さんと姉ちゃんじゃねぇから(味見をしない常習犯)!! ちゃんとしたわ!!」
「そか」
「そだ」
そうしてできあがったキーマカレー。
家族は黙々と食べた。誰1人何も言わず。
(美味しいとか何か感想はないのかよ)
私は少しムッとした。まぁ確かに、ヘタに何か言うと母の尊厳が挫かれてしまいかねない。これこそ本当の「沈黙は美」……てな訳あるか…!!
本当に一言も話さず、テレビの音だけが遠くから聞こえる食卓(消して来いよ)。
それぞれが適当におかわりをして、さて私もおかわりするかと席を立つと、
(キーマカレーがない??!!)
多めに作った(多めにレーズンを入れた)キーマカレーはもう鍋の中から消えていた。なんと言うことだ。誰も何も言わなかったが、どうやら美味しかったようだ。
(いつもは作り過ぎだ! とかいって文句を言うくせに……!!)
家族の無言の団らんの中に、私は嬉しいのやら、悲しいのやら。複雑な気持ちを味わったのだった。
しかし忘れてはいけない。
レーズンまだまだ有るからね………(ぎゃーーー!!!)
※キーマカレーはその後4回くらい作りました。
本当に、いつの間に戸棚に香辛料が……使ってるとこ見たこと無いけど……orz
※私も例に漏れず、この前タイで好んで飲まれている『バタフライピー』なる青いハーブティーを買って飲みました。酸っぱかったです。……まだ残ってます(苦笑)




