りんご煮
お読み下さりありがとうございますm(__)m
~日曜日にやっている農家応援番組にて~
「こっちのりんごは痛んでるので、売り物にならないんです。」
「規格外のリンゴはどうされるんですか?」
「そのまま食べたり、煮たり、焼いたりします。」
~~特別に作り方を教えてもらいました(ナレーター)~~
「うちのりんご煮は砂糖やはちみつを使わないんです。」
りんご1個を8等分ほどに切り分け、鍋に適量入れる。
フタをして、コンロに火を付ける。
りんごが焦げないように鍋を振る。
(鍋を振る――――――??!!)
山形・宮城の芋煮会で使うようなどでかい鍋に沢山入っているリンゴ。
重みもさることながら、その鍋のフタを押さえながら持ち手をつかんで(ミトンしてます)上下に振る肝っ玉お母さんに、私は慄いた。
その後、『数回振ってはコンロに置く』をくり返し、ぶつかり合ったりんご達から出た汁だけで、りんごは煮詰った。
(すげ―――!!青森すげ―――――――!!!!)
「すごい!本当に砂糖使ってないんですか?!」
「りんごだけです。」
「りんごの甘味最高です!」
「はちみつや砂糖を使わないので、赤子でも食べられます。」
「これは良いですね!!」
「皆さんも作ってみてくださ~い。」
~青森県の訛りを全て標準語字幕に直す強かな番組だった~
この『赤子でも食べられます。』という言葉を聞いた私は、
(次回甥っ子が来た時に作ろう。)
と決めたのであった。
*****
さすがに大きな鍋に沢山は作らなかったが、姉夫婦、家族、そして―――甥っ子の反応は抜群だった。ペロリと平らげ、鍋に入れっぱなしだったお玉を自主的につかむ程だった。(つかまり立ちが出来ていた頃です)
姉が「糖尿病になるから、あと1個だけね!」と言って皿にりんご煮を配った後、私は急いで甥っ子の目の前から鍋を撤収した。泣かれる前に、先手必勝だ。そうして皆で和やかにりんご煮を食べた。
(青森のおばちゃん、ありがとう。)
遠い青森に尊崇の念を送ったのだった―――。
めでたしめでたし。
*
そうしてしばらく時がたったある日。
「ただいま~……?!」
家の中から焦げた匂いが……。
「お母さん!振るだけなの!!あと、火の前から離れなければ良いの!!!」
どうして母の母も手を焼いた「母への料理指南」を娘ができるだろうか?
いや、できない。
頑張れお母さん!
……鍋のしまつが大変だ。
姉夫婦が帰った後、
(干菓子じゃなくてりんご煮を用意してもうた―――!!!!)
と大反省したのは、いい思い出です。




