表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
75/88

温野菜

その日は研修会か何かで、杜の都から電車を使って家に帰った。駅から家までは徒歩20分ぐらいだ。ゆっくりと歩を進めていると、通り過ぎる家々から、夕飯の良い匂いが漂ってきた。


(この家は今日はサンマか……醤油かけて食べたい。おぉー……シチューの良い匂い。)


どの家もご飯時だからかとてもいい匂いがした。よそのご飯に触発されて、「早く帰りたい。」「今日のごはんは何だろう。」と私はうちのごはんに思いを馳せた。お腹はとっくに腹ペコだった。


しかし、うちのごはんだ。

大層な期待をしてはいけない。


1番の妥協点としては『おかずがあれば、それで良い』。

そう思いながら帰路についた。


「ただいま~。」

「おかえり~。」


家に入った瞬間、いの一番に思った事。それは、


(何の匂いもしない……!)


道中あれほど「この家は煮物、こっちは食べ終わっているな、流しの音がする。」とアホな遊びをしながら帰って来てしまった為、この事実には衝撃を受けた。


いつものように手洗いうがいをして、台所にいくと―――。


食卓にはおかずが置いてあった。

特に匂いはしない。

近づいてよくよく見ると、


でた人参。

茹でたスナックエンドウ。

茹でたほうれん草

茹でた豚肉のロース。



………全て茹でられていた。



「お母さん?!!?」

「どうしたの。」

「何で混ぜなかったの?!!これでシチューとか作れるじゃん??!!」


匂いがしない理由は茹でられていたからだった。

こんなに茹でるなら全部まとめて炒め物でも良くないか?

水入れてシチューの素入れれば良くないか?!

それか茹でるのではなくて、油で揚げても良かったのではないか??!!


私が困惑をあらわにしていると、母は言った。


「健康的でしょ?」



母は強かった。




*****




父と兄も反応は私と同じだった。


「何故別々に……。」

「さすがお母さん。」


ちなみに私の家にはドレッシング類がありません。

マヨネーズ・ソース・ケチャップもあまり好んで使用しません。

なので、この温野菜たちは『そのまま』食べます。

……醤油くらいは使いますが。


今日、もし私が、自分の家を他の家と思って横切っていたら、こう思っただろう…。


(この家、匂いしないけど。ご飯ちゃんと食べてんのか?)


……ちゃんと食べてますよ。


ちゃんとね。

これを書いていて思ったのですが……。

今までは「朝の通勤・通学時間にチョコッと読めればいいかな?」と思って朝に投稿していましたが、夕ご飯ネタなら夕方の方が良いのかな??と、思ってしまいました。


でも夕方に読むなら、おいしいご飯話の方が良いですよね(笑)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ