なすの漬物
うちの父はなす漬けが好きだ。
市販のなす漬けをよく買って食べる…が味が濃い。
そのためか、父は茄子と「なす漬けの素」を買ってきた。
どうやら作ってほしいらしい。
今回は、女子がそれぞれ頑張った話である。
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1番手:私
茄子がしなしなになっていたので、父の買ってきた「なす漬けの素」を使って浅漬けを作った。初めて使うので、裏の使用方法をよく読んだ。茄子が書いてある分量より多めだが、市販の素と言うのはだいたいしょっぱいので、「まぁ、いけるだろ。」の気持ちで作ってみる。
「おぉ。出来た。」
茄子は2センチ程厚めの輪切り。
市販の素を使うと、茄子が紫色にならなかった。
失敗したように見えないのが凄い。
いやはやミョウバンは凄い。
「良い感じだな。」
「こうなるのか~。」
家族からはまずまず高評価。
……とは言っても裏の「作り方」通りに作ったから、偉いのは的確な表示をしてくれた企業さんですけどね。
「けっこう簡単だったわ~。」
調子に乗ってそんなことを言ってしまった。
だから、まさかこの後大変なことになるとは…夢にも思わなかったのだ。
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父が茄子となす漬けの素を買ってきた…!
2番手:母
ある日の夕飯時、なす漬けが置いてあった。
(お?母さん作ったのね。)
どことなく色がうす紫だが、『素』を使ったのは確かだろう。
どれどれ味見~と思ってつまみ食い。
(………どうして……。)
私は落胆した。
とにかく味が薄かった。茄子はこの前と同じ量。
それなのに、どうして上手くいかないのだろうか……。同じ市販の素なのに…。(使っているなす漬けの素は塩入りです。)
「母さん。なんか薄味どころじゃないんだけど。どうしたの?」
「薄味で良いのよ。あんまりしょっぱいと体に悪いんだから。」
「うん?あ…もしかして…?」
「なす漬けの素は半分で十分でしょ??」
なるほど。
皆の健康に気を使っての極薄味だったようだ。
毎日の食事も味気がしないのは健康の為だったのだ。
でもそろそろ気づいて欲しい。
うちの味塩コショウ。消費が早い事を……。
私は、母の料理センス無さを改めて痛感したのだった。
父と兄の反応は以下の通り。
「「使用方法読んだ??」」
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父が茄子となす漬けの素を買ってきた…!
姉が遊びに来た!
3番手:姉
家に帰ると姉がいた。
姉は母から「なす漬けの素を使うと、簡単になすが漬ける。」と言われ、なす漬け初チャレンジをしていた。食卓には紫色に染まっていないなす漬けがキラキラと輝いて置いてあった。
「おぉ~!さすがお姉さま!!」
そう言って輪切りされたなす漬けを1つパクリ。
「…うわ。口の中が気持ち悪い……。」
私は急いで口の中をゆすいだ。
……あれだ。
これはなす漬けではなかった。
ミョウバンだった。
噛めば噛むほど塩辛さと共に押し寄せてくる化学物質。
鼻に抜ける香りは学校の理科室に入った時に感じる何かの薬品そのもの。
姉は、母がこの前使ったなす漬けの素の残りと、新品一袋、合わせて1.5倍の量を使ったのだ。
姉も「え~?おおげさな…。」と言いながら一つ食べ、軽くえづいた。
姉が作ったなす漬けは、もったいないので塩分やミョウバンが抜けるまで水に漬けまくったのだった
私は言った。
「使用量見た??」
姉は苦笑いしながら「目分量。」と答えた。
だから!!!お姉ちゃんは調味料を計らないといけないとあれほ……もがもが。
心の声が出そうになったが止めることが出来た。姉は現在頑張っている最中なのである。「おいしい」と彼氏に言われたことで、料理が楽しくなってきたばかりなのだ。今日は実家だったこともあり、ちょっと抜けただけ。それだけだ。
だけどこれくらいは言っておこう。
「次からは気を付けてね…。」
……次なんてないと思うけど。
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父が茄子となす漬けの素を買ってきた…!
茄子は天ぷらになり、
なす漬の素は、賞味期限が切れた後丁重に捨てられたのだった……。
姉が里帰りした時だった。
「良いものを買ってきた。」
と言って取り出したのは……、
『浅漬けの素(液体タイプ)』だった。
……私は、なんかいろいろ諦めた。




