職場にて~ある日の休憩時間
働きはじめてからの初の夏。
(飲み物飲みたい……休憩ほしい……。)
うだる暑さと戦いながら、私は休憩の順番が来るのを待っていた。
「C~さ~ん休憩入って良いわよ~。今日差し入れにゼリーがあるから食べてね。」
「うわぁぁああ。ありがとうございます!!いただきます!!!!」
やっと来た順番。下っ端だからいつも最終組だ。
上司に言われたゼリーを冷蔵庫から取り出し、休憩室に運ぶ。(……休憩室と言っても、他の職員からまる見えだったりするのだが…。)他の職員に配り終えたら、短い休憩時間をとことん満喫する体制に入る。何のことはない、今日はこのゼリーをゆっくり堪能する!!!!!!!…それだけだ。
(ぐはっ……この冷たさたまらん……。しみる……生き返る……。)
暑さを耐えた後の水分。冷え冷えゼリー。
1人で内心もだえながら食べていた。
すると、同期の女子職員の先生がおもむろに……
「……Cさんってさ、本当においしそうに食べるよね。」
……え。
どっと笑いに包まれる室内。
私は何のことやらポカンとした。
すると、聞こえていたのか別室の職員の先生も、
「そういえばこの前、梨を食べてた時もニコニコして食べてたね~。」
「お饅頭の差し入れを貰った時も、目がキラッキラしてたね~。」
「「「オホホホホホ……」」」
な。
な……ななな……。
なんだって――――――!!!????
「やめてください!見ないでください!!!」
「あはははは、ごめんごめん。でもずっと言いたかったの。」
「とうとう言っちゃったね~。でもさっきの顔は凄かったね~。」
一体、どう凄かったのだろうか…!???
いつも『内心だけ』もだえて、表情には出ないようにしていたと言うのに?!何故だ!!??何故ばれた!!???
私は動揺を隠しきれないまま同僚に尋ねた。
「私、顔に出ないように頑張っていたんですが……?!」
「うん。頑張ってたよ。でもバレバレ。」
いや―――――――――!!!!!バレバレだった!!!!!
だって仕方がないじゃないか???バリバリの田舎育ちの私にとって『おやつ』と言うのは『野菜』であって、このような趣向品を食べることなどほぼ皆無。このように食べることが出来た場合は、天にも昇る心地である。まさに至高の幸福!!天上の恵み!!!!
働いてから分かったことは、世間一般は普通に常時食べているらしかった。
しかしそれは世間一般であって、私の常識には載っていなかった。
そして私は痛いところをつつかれた。
「Cちゃんってさ、小さい頃は野菜スティックとか食べてたんでしょ。」
「!!!????」
「あはは。図星でしょ。まぁ私もそれなりに食べてたけど…。」
いやいやいや、今の後半部分フォローのつもりでしょうが全く効果ないです先輩!!
「ど、どどどどうして分かるんですか…?」
私はだんだん冷や汗をかき始めていた。
どうして見破られたんだろうか。田舎娘は隠していたのに…!!
すると同僚が言った。
「だって、初めて持ってきた差し入れさ。」
「はい。」
「ガンヅキだったから。」
…………私は撃沈した。
*****
~その後~
私 「あれは老舗和菓子屋のおいしい手作りガンヅキなんです!!」
同僚「うん、知ってる。」
私 「そこそこに良い値段のするお菓子です!!」
同僚「うん。でもさ、最初にそれ持ってくる人はいないよ。」
私 「…マジですか?」
同僚「マジマジ。」
始めのあいさつの後、他の先生たちは思ったらしい。
大物がやってきた(((笑)))……と。




