調理実習~グラタン~
さくらももこさんのご冥福をお祈りいたします…。
高校での調理実習ではグラタンを作った。
1年生の頃である。
どうして覚えているかと言うと……。
はじめて、班長じゃなかったから!!
*****
初めてなので、班は席の近い人たちとだった。
「班長やりたい人~。」
と言われても私は無視した。
周りから(やれ)と言う視線を感じても無視。
肘でつつかれても無視。
すると……。
「じゃあ私するね!い~い~?」
クラス委員を務めている子が立候補してくれた。
この子、何でも「やりたがり」なのだが、残念なことに実力が共わない。
中学校でクラス委員してました。とかで高校のクラス委員に立候補をしてくれた(あともう少し遅かったら、同じ中学の同級生たちからの推薦で、私がクラス委員になるところだった。)
あの時の私は浅はかだった。
皆の言う通りに、クラス委員を引き受ければよかったと何度も後悔した。
委員会を決めるホームルーム。
行事での司会進行。
その子は天性の「ぶりっこ」で、いちいち語尾が長い。
それを気にしないようにしたとしても、配られた資料を毎回1人で全部読み……聞いてる側としては辛い苦行を味わわせられた。「資料は勝手に読んでね」と一言いえばいいのに……。
委員会決めの時、私は耐えられず、1講義分爆睡してしまった。授業終了の鐘がなった時に意識が戻ったのだが、まだ半分しか委員会が決まっておらず、(自分がやればよかった……。)と何度も後悔し、同じ中学の子からは「だからやれって言ったじゃん!!!!」とおしかりを受けた。委員会決めって、2講義かからなくないか??
休み時間の後に再開された委員会決め、のろのろ進行にまたもや爆睡。気が付いたら、訳の分からない委員会にさせられていた。ギャルな先輩たちが作った「制服検討委員会」。もっと制服に自由を!!と言うものだったのだが、如何せんギャルたちがちゃんと活動できるわけもなく、私が3年生の時につぶさせてもらった。もちろん、ちゃんと設立当初の予定通り、全生徒アンケートを取って、資料を作って配布した。
何で覚えているのかって……すべてはあの子のホームルームから始まったからですよ……。
そんな彼女が班長をやりたいと言った。
お手並み拝見しますか。と思っていたら、やはり駄目だった。
資料作りは人任せ。(つまり私)
だれがどの担当をするのか決めるのも人任せ。(それも私)
班長とは何ぞや???
形だけの班長はいらない……。
私は強く思ったのだった……。
*****
グラタン作りの時、私は難しい「ホワイトソース」係になった。
高校生にもなると皆の手つきは良い方なので、私は心置きなくホワイトソースを作った。私の他に、もう1人の子も一緒だ。
2人で、小麦粉・バター・牛乳の量を測り、フライパンからこぼさないように、ソースを焦がさないように慎重に作り進めた。
周りの班のホワイトソースを作っている子達が「ギャーー!!!こぼした!!!!」「焦げる焦げる!!!!」「なんか量少なくなってきた!!!???」と騒いでいる中、私ともう1人の子は落ち着いて作った。こぼすことなく、焦がすことなく。
しかし、ホワイトソースの様子がおかしい。
トロトロにならないのだ。
分量は、他の班の子達とも確認しあっているので同じなのだが、トロトロにならない。火加減もばっちりなのに……なぜ……。隣の班の子達も「どうしてサラサラ??」と心配してきてくれた。ホワイトソースはグラタンの要なのに……。
「Cちゃん丁寧にやりすぎたんじゃない??だって、一滴もこぼしてないし。」
…………それ、自分のこと貶めてますよ……?
両隣のホワイトソースはコンロにこぼれまくり、量も少なくなってしまっていた。
「よく分からないけど、丁寧過ぎても、料理ってうまくいかないんだね。」
とフォローを皆からされ、先生からは小麦粉をさらに投入してもらい、そこそこトロミがついたものをグラタンの具材の上にかけた。私は何度も「ごめんね……。」と同じ班の子達にあやまった。もう1人の子は、同じ分量なのにトロトロにならなかったことを始終考えていた。「私たちも、こぼせばよかったのかな??!」と言われたときは、(なんか違うような……)と何度も思った。
そうこうしている内に、グラタンは焼きあがった。
皆でおいしくいただいていた時―――。
「Cさんって、思っていたほど出来ないんだね~。」
班長の子が面と向かって言ってきた。
(…………お前もな!!)
私は心の中で盛大にツッコミを入れ、笑顔でごまかした。
1年生の前期に書記、後期に副委員長。
1年後期の副委員長は続投せねばならず、2年前期も副委員長。
そのまま2年後期には委員長。
続投ルールで3年前期は委員長。
あの苦行のホームルームに、高校3年間、私は屈したのである……。
だから何度も後悔((cry
後輩たちには好評でした。
「先輩のおかげで、後期は委員会活動なしですよ!!!イエーイ!!!」
とかなんとか。




