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白菜と豚肉のミルフィーユ鍋?2

「ただいま~。……ん?」


いつものように帰ってきた私。

しかし、その日は玄関を開けた瞬間からにおった。


(こげくさい……。)


手洗いうがいの後に台所へ行くと、食卓にデデン!とある鍋。

匂いのもとは、どうやらそれからするようだ。

私は生ごみをチラッと確認した。

キャベツを使った痕跡こんせきがある。

今日の鍋にはキャベツが入っているようだ。


どうして焦げた……?


兄も帰ってきたところで一緒に中身を確認した。

フタを開けるともわっと焦げた匂いが。

中身は、ひと口大に切ったキャベツと豚肉のようだ。

私と兄はすぐに察した。


(これ絶対、ミルフィーユ鍋を作ろうとして失敗したんだ。)


「お母さん!?キャベツじゃ水分足らなくて焦げるでしょ!!それか水入れなきゃ!!」

「…………。」

「料理は想像力がないとできないんだな……つまり母さんは想像力がないって事か……いや、なかったのか!!?」


兄と2人で、母をこきおろす。

したくないんだよ!?言わせないでくれ!!!?


しかし、文句を言ったところで目の前の料理が変身するわけがないのだから、これをどうやって食べればいいのか考える。

周りが焦げているのだから、焦げていないところを食べるしかない。

しかし、匂いがひどいので、まずは食べられる部分を深めの皿に移した。

焦げたところはまとめてコーンポスター(生ごみ入れ)に捨てに行った。

鍋は直ぐには焦げが取れそうにはなかったので、水を張り、洗剤をいれてつけておく。

匂いは、部屋を開け、換気扇を回して対応した。


疲れて帰って来た後に、精神的な重労働。


匂いも薄まったところでご飯をたべる。

残ったキャベツと豚肉は、ポン酢をかけて頂いた。

ちょっぴり焦げた味がするが、食べられないわけではない。


母は、しょんぼりしているようだった。


ん~……。

失敗したら「失敗しちゃった☆」と開き直って、窓を開けるとか、食べるところを確保するとか、対策をしていいと思うんだけどなぁ……。

子ども達に失敗した鍋をそのまま見せるのは、母として恥ずかしいとかは思わないのかなぁ~??


私は母の気持ちがつかめなかった。


父が帰ってきたときに、「帰ってきたらコレコレこうで~。」と言ってみたら一言。


「母さんは『母さん』でしかない。うちのお母さんに、一般的な母親像を求めるのは止めなさい。」



……お。


お父さん!!!



あなたはなんて、出来た人なんですか!!??


お釈迦さまもびっくりだよ!!??





私たち兄弟は、父には頭があがらない。

あがるわけがない。


いや、ほんと、母は良い人と結婚したと思う。

こんな人いないと思う。



…………たまにもの凄く毒舌だが。



あ。玉にきずってこういうことか。



父は今日の料理を見て一言しか言わなかった。


「焦がしたのか。」


そして、静かにご飯を食べ始める―――――。

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