表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/88

へちま

6年生の理科の観察では「へちま」を育てた。


6年生の時は、夏休み中に草むしりをするスケジュールが組まれており、熱い中草をむしった。

1~5年生の間、草むしりは授業中だ。

6年生のその日、担当だった私の班は6人中4人しか来なかった。


「絶対あいつら忘れると思ったわ~。」


笑いながら、草むしりを始めた。


「……それにしても、草多くないか??」

「これは絶対ほかの班さぼったな……。」


あの時の草ボーボーは凄まじかった。

大きい雑草はスコップで掘りながら取り除いた。

そうこうしていると、担任の先生が様子を見に来てくれた。

丁度今日が、プールの監視担当だったらしい。

先生も草ボーボージャングルには驚いていた。

9時半からプールが始まるので、先生は戻っていった。

私たちは朝の8時半から、気が付いたら11時まで草をむしっていた。

それでも、まだまだ草はいっぱい。

でも、もう力尽きていた。


「うちらだけじゃ、これが限界だよ~。」

「この分じゃ一週間後もジャングルだな。」

「皆こうだったのかな??」

「まさか!他の奴らはちょっと抜いて帰った口だろ。」

「うちらの班はお前(C)がいるからな~。」

「ちょっと、聞き捨てならないんですけど。」

「お前真面目過ぎんだよ。」

「事務室からスコップ拝借したの、たぶん俺らだけだと思うぞ??」

「いいじゃん!!むしろ、スコップなかったら絶対抜けなかったでしょ!!」

「あ~それは同感。」

「もうやめよ。あと水まいて帰ろう。」

「「「賛成」」」


土まみれの手足を洗い、じょうろに水を一杯入れる。

男二人は私より背が低く、力もないため水をこぼしまくる。


「お前ら―――!!水少なくなってんぞ!!」

「うるせぇ。怪力女はだまってろ。」

「阿保か。私が怪力なんじゃないだろ!お前らが貧弱なんだ!」

「お前のそう言うとこムカつく。」

「悔しかったら鍛えたら?」

「口でも勝てないからムカつく。」

「いっぱい勉強するんだね。」

「もう止めなよ~。Cちゃんが怪力なのも、男二人が貧弱なのも事実じゃん。受け止めなよ。」

「………。」

「………。」


誰が言ったか忘れましたが、この「事実を受け止める。」発言は頭の片隅に残りました…。


そのまま皆で3回ほど往復して水やりを終えた。

朝に来た時は、ヘチマは草に隠れてどこにあるかなんて分からなかった。

しかし、皆で大方草を取り除いたので、帰る頃には棚から下がるヘチマが見えるようになった。


(いい仕事したな……。)


と思っていたら、担任の先生がやってきた。


「お前ら。もうお昼だぞ??まだいたのか??」

「「「「先生!!」」」」

「え?は?っお前ら頑張りすぎだろ(笑)ヘチマが見える!!」


やっぱりびっくりしますよね~。


「でも、まだまだありますけどね。」

「そこは仕方ないだろう。次の班に任せるしかないな。」


その後ごほうび?として午後の最終プールに入って良いと言われた。

私たちは急いで家に帰って、お昼を食べて、プールに入った。


頑張った後って気持ちがいい。

そう感じたものだった。



*****



その後の班も、草がひどかったらしい。

その班にいたクラスの冴えない男子Hは、その事に衝撃を受けたようだ。


なんとその後、一人で毎日草むしりに来たらしい!!!


先生たちが担当の日、Hは朝から草むしりをしていたようで、そこでHが毎日草むしりに来ていたことが発覚した。

夏休みが終わり、始業式後のホームルームでそのことを説明された。


(……うちらも頑張ったのに…。)


と思ったが、『毎日』来ていたHには勝てるはずもない。


冴えない男子Hが、一瞬でクラスのヒーローになった。

皆が適当にしかしなかった草むしりを、たった一人で……。

クラスの皆が、考えを改めた時だった。

Hの根気強さに、皆が一目置くようになった。

Hはそれから、笑顔が多くなった。


Hにならい、朝早く来たら草むしりをするようになった。

もちろんHもいる。


ひと一人の力が、大きな力を引き寄せること。

例え一人でも、続けることの大切さを、Hから学んだのだった―――。





*****

<ここから阿保です。>




ヘチマを収穫した後。


「え!!??ヘチマって食べられないの!!??」


私は班の皆に大きな声で言った。


「え?Cばか?」

「は?なんで?ヘチマって、でっかいきゅうりの品種とかじゃないの!?」

「一応仲間じゃね……?」

「仲間なのに食べられないの??何のために育てたの!!??」

「お前……食べ物だと思ったから、あんなに真剣だったのか。」

「あたぼうよ!!まじか…どんな味か楽しみだったのに…!!」

「お前、変なところ抜けてるよな。」


熟していたヘチマは柔らかかった。

水で身を取り除けば「ヘチマスポンジ」の完成だ。


しかし、私は水で身を取り除いている間もうるさかった。


「どうみてもキュウリの親戚じゃん!!なんで食べられないの??」

「Cっうっさい。」

「今までずっと食べ物だったじゃん!!なんで6年生は食べ物じゃないんじゃ!!」

「知るか。」

「皆は知ってたの??」

「調べて知ってた。」

「きゅうり好きじゃないから、食べられなくてもいい。」

「私は知らぬが仏だったと言う事か!!?」

「アハハ……!ほんと、Cっておかしい奴。」


納得いかなかった私は、綺麗な実の部分をつかみ、パクリと食べた。


「ぐっ……!!うぇ。まっず!!」


腐ったきゅうりのような味だった。すぐに口をすすいだ。


「何やってんのC!!」

「毒だったらどうすんだ!!」

「無謀!!」


男子からヤジが飛んだ。


「ほんとに食べられないなんて!!」

「………お前、色んな意味で心配だわ……。」


皆からあきれられた。

私は泣く泣く納得したのだった。




「ヘチマの繊維ってすごいな!!」

「……もぅほんと落ち着けよ…。」


その後も私のナニコレはおさまらなかった…。

ひまわりは食べ物…??

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ