へちま
6年生の理科の観察では「へちま」を育てた。
6年生の時は、夏休み中に草むしりをするスケジュールが組まれており、熱い中草をむしった。
1~5年生の間、草むしりは授業中だ。
6年生のその日、担当だった私の班は6人中4人しか来なかった。
「絶対あいつら忘れると思ったわ~。」
笑いながら、草むしりを始めた。
「……それにしても、草多くないか??」
「これは絶対ほかの班さぼったな……。」
あの時の草ボーボーは凄まじかった。
大きい雑草はスコップで掘りながら取り除いた。
そうこうしていると、担任の先生が様子を見に来てくれた。
丁度今日が、プールの監視担当だったらしい。
先生も草ボーボージャングルには驚いていた。
9時半からプールが始まるので、先生は戻っていった。
私たちは朝の8時半から、気が付いたら11時まで草をむしっていた。
それでも、まだまだ草はいっぱい。
でも、もう力尽きていた。
「うちらだけじゃ、これが限界だよ~。」
「この分じゃ一週間後もジャングルだな。」
「皆こうだったのかな??」
「まさか!他の奴らはちょっと抜いて帰った口だろ。」
「うちらの班はお前(C)がいるからな~。」
「ちょっと、聞き捨てならないんですけど。」
「お前真面目過ぎんだよ。」
「事務室からスコップ拝借したの、たぶん俺らだけだと思うぞ??」
「いいじゃん!!むしろ、スコップなかったら絶対抜けなかったでしょ!!」
「あ~それは同感。」
「もうやめよ。あと水まいて帰ろう。」
「「「賛成」」」
土まみれの手足を洗い、じょうろに水を一杯入れる。
男二人は私より背が低く、力もないため水をこぼしまくる。
「お前ら―――!!水少なくなってんぞ!!」
「うるせぇ。怪力女はだまってろ。」
「阿保か。私が怪力なんじゃないだろ!お前らが貧弱なんだ!」
「お前のそう言うとこムカつく。」
「悔しかったら鍛えたら?」
「口でも勝てないからムカつく。」
「いっぱい勉強するんだね。」
「もう止めなよ~。Cちゃんが怪力なのも、男二人が貧弱なのも事実じゃん。受け止めなよ。」
「………。」
「………。」
誰が言ったか忘れましたが、この「事実を受け止める。」発言は頭の片隅に残りました…。
そのまま皆で3回ほど往復して水やりを終えた。
朝に来た時は、ヘチマは草に隠れてどこにあるかなんて分からなかった。
しかし、皆で大方草を取り除いたので、帰る頃には棚から下がるヘチマが見えるようになった。
(いい仕事したな……。)
と思っていたら、担任の先生がやってきた。
「お前ら。もうお昼だぞ??まだいたのか??」
「「「「先生!!」」」」
「え?は?っお前ら頑張りすぎだろ(笑)ヘチマが見える!!」
やっぱりびっくりしますよね~。
「でも、まだまだありますけどね。」
「そこは仕方ないだろう。次の班に任せるしかないな。」
その後ごほうび?として午後の最終プールに入って良いと言われた。
私たちは急いで家に帰って、お昼を食べて、プールに入った。
頑張った後って気持ちがいい。
そう感じたものだった。
*****
その後の班も、草がひどかったらしい。
その班にいたクラスの冴えない男子Hは、その事に衝撃を受けたようだ。
なんとその後、一人で毎日草むしりに来たらしい!!!
先生たちが担当の日、Hは朝から草むしりをしていたようで、そこでHが毎日草むしりに来ていたことが発覚した。
夏休みが終わり、始業式後のホームルームでそのことを説明された。
(……うちらも頑張ったのに…。)
と思ったが、『毎日』来ていたHには勝てるはずもない。
冴えない男子Hが、一瞬でクラスのヒーローになった。
皆が適当にしかしなかった草むしりを、たった一人で……。
クラスの皆が、考えを改めた時だった。
Hの根気強さに、皆が一目置くようになった。
Hはそれから、笑顔が多くなった。
Hにならい、朝早く来たら草むしりをするようになった。
もちろんHもいる。
ひと一人の力が、大きな力を引き寄せること。
例え一人でも、続けることの大切さを、Hから学んだのだった―――。
*****
<ここから阿保です。>
ヘチマを収穫した後。
「え!!??ヘチマって食べられないの!!??」
私は班の皆に大きな声で言った。
「え?Cばか?」
「は?なんで?ヘチマって、でっかいきゅうりの品種とかじゃないの!?」
「一応仲間じゃね……?」
「仲間なのに食べられないの??何のために育てたの!!??」
「お前……食べ物だと思ったから、あんなに真剣だったのか。」
「あたぼうよ!!まじか…どんな味か楽しみだったのに…!!」
「お前、変なところ抜けてるよな。」
熟していたヘチマは柔らかかった。
水で身を取り除けば「ヘチマスポンジ」の完成だ。
しかし、私は水で身を取り除いている間もうるさかった。
「どうみてもキュウリの親戚じゃん!!なんで食べられないの??」
「Cっうっさい。」
「今までずっと食べ物だったじゃん!!なんで6年生は食べ物じゃないんじゃ!!」
「知るか。」
「皆は知ってたの??」
「調べて知ってた。」
「きゅうり好きじゃないから、食べられなくてもいい。」
「私は知らぬが仏だったと言う事か!!?」
「アハハ……!ほんと、Cっておかしい奴。」
納得いかなかった私は、綺麗な実の部分をつかみ、パクリと食べた。
「ぐっ……!!うぇ。まっず!!」
腐ったきゅうりのような味だった。すぐに口をすすいだ。
「何やってんのC!!」
「毒だったらどうすんだ!!」
「無謀!!」
男子からヤジが飛んだ。
「ほんとに食べられないなんて!!」
「………お前、色んな意味で心配だわ……。」
皆からあきれられた。
私は泣く泣く納得したのだった。
「ヘチマの繊維ってすごいな!!」
「……もぅほんと落ち着けよ…。」
その後も私のナニコレはおさまらなかった…。
ひまわりは食べ物…??




