やきいも
1年生
垣根の垣根の曲がり角~。
焚き火だ焚き火だ 落ち葉焚き~。
昨今、簡単には焚き火が出来なくなりましたね……。
消防法に引っかかるとか、市町村の条例で決まっているとか。
せちがらい世の中になりました。
ちゃんと申請すれば良いみたいですけれど。
焚き火の為に役所を通さないといけないなんて……。
そんなことは、ちょっと引いてしまいますよね~。
サンマや、さつまいも、じゃがいもを見る度に思います。
焼きてぇ……!!!!
*****
小さい頃、秋になると焚き火をした。
私は焚き火が大好きであった。
ほくほくのジャガイモ、はちみつのように甘いサツマイモ…。
……想像するだけでよだれが…。
父が「今日は焼き芋するぞ~。」と言った時、(ほいきた――!!)と一番に私は手伝った。
父が焼き芋用の穴を庭に掘っている間、私は落ち葉を集める。
落ち葉だけではあっという間に燃え尽きるので、枝も集める。
落ち葉が飛ばないように、父が枝で円錐を作る。
その間に私はぬらした新聞紙にジャガイモや、さつまいもをくるみ、更にアルミホイルでくるむ。火をつける前に、用意した芋たちを落ち葉の入った穴に投入し、更に落ち葉をかぶせる。
準備満タン!!!よっし!!よっし!!!
待ちきれず、兄と共に穴の周りをぐるぐる回る。(バターになるぞ~。)
火をつけるのは父の役目だ。
丸めた新聞紙に火をつけ、燃えやすい枯葉に火を移し、徐々に火の勢いを付けさせる。うちわを使って、空気を送り込む。
ぱちっぱちっ……。
焚き火らしい音がし始める。
この音を聞きながら、ひたすら火の番をする。
このひとときが、本当に好きであった。
風向きの変化によって、煙が襲い掛かってきては咳込み。
負けじと、わざと煙の中をくぐりぬけ。
燃料(落ち葉)が無くなってきたら拾いに走り。
燃やすものによっては音が変わるのを楽しみ。(松の葉が一番好きでした。)
燃やすものによっては煙の出具合が変わるのを楽しみ。
………やってはいけないのに、松ぼっくりを投入したり……。
長い棒で、芋たちをツンツンつつき。
火の勢いにあおられ飛んでいく落ち葉を追いかけ(火が付いているので危ない)
いい具合に芋たちが焼けるのを側で待った。
……実際はもっとキャーキャーうるさかったような…。
良い匂いがしてきたら、長くて丈夫な枝を使ってイモをはさんで火から出す。
ここでもし取り忘れが有ると、そのイモは炭になるので要注意だ。
軍手をはめてアルミホイルを開き、芋を確認する。
はっきりとした基準は分からないが、いい匂いがしたらそれでOKだ。(多分)
残り火を見ながら、縁側に座って焼き芋をいただく。
(あぁ……うまい。)
たくさん走り回っているので、余計においしさが増している。
父のやる気が有るときは、串にさした魚を焼くこともあった。
マシュマロも然り。
美味しい匂いにつられて、近所の子ども達も集まってくる。
おすそわけの分も、もちろんあるので手渡す。
なんて良い時代だったんでしょう……。
あの頃に戻りたい…。(戻れない…。)
*****
家で一から焚き火の経験がある私は、学校で行う焼き芋の時、学校の先生よりもやり方を知っていた。さつまいもも穴に入れる前に全部確認した。意外とアルミホイルを上手に巻けない輩が多かったからだ。
(私がいるからには炭にはさせまい!!)
謎の責任感でいっぱいだった。
焼いている間は外で遊んで良いのだが、私は鍋奉行ならぬ芋奉行となり、片時も焚き火から離れなかった。そばにはもちろん担任の先生がいる。それでも家でやっているのと同じように、落ち葉を持ってきて火加減の調節をした。
その時。
ぽやぽやな奴らが火に近づいてきた!!
「てめーら!危ねぇから下がれ!!!」
私は注意した。
いつも教室で大人しい私が、鬼のように仕切り屋になったので、奴らはビビった。
「いいか。この線から先には入るなよ。」
となりのますだくん。を見習って、地面に線を書く。
「「え~??なんで~??」」
「ばかやろう!火傷してからじゃ遅いんじゃ!!」
「やけど??」
「……ジュってなんだよ。ジュってな。」
「???」
「とにかく危ねぇんだよ!!」
(こいつらを、どうにかしなければ!!!)
私は適当に言った。
「ねぇねぇあのさ。落ち葉もってきてくれない??」
「え~??なんで~??自分で持ってきなよ~?」
「私、さっきから何回も持ってきてるんだけど…。」
「………。」
「持ってきてくれるよね?」
「………。」
あともう一押し!!私は譲歩した。
「落ち葉を入れるときは、この線を越えても良いよ。」
「「!!!!!!」」
彼らには効果てきめんだった。
あっという間に散って、落ち葉をもってきた。
しかし、私はしくじった。
「誰だ―――!!!松ぼっくり入れたやつは――――!!??」
落ち葉と言ったのに!!
松ぼっくりは落ち葉じゃないだろ!!!
ぽやぽやなめてた!!!!!
……あ。いつも舐めてたからか……。
お天道様はよく見てるのねぇ~。
………ぐぅ。
その後、いい匂いを感知したのち芋を取り出した。
うちのクラスのイモは、いい焼き加減で、焦げ過ぎたのも少なかった。
他のクラスは……なんとまだ焼いていた。
そのせいか、こげこげだったらしい。
ちゃんとアルミを巻けていなかったのも多く、食べれる個数が少なかった。
1人2個焼いていたというのに……。
結局、私のクラスの余ったやつを何個か分ける羽目になった。
私がずっと芋番をしていたのを見ていた子達は言った。
「Cちゃんって凄いね!!」
「頼りになるね!!」
面と向かって褒められたので、とても恥ずかしかった。
私は下を向き、赤くなった頬をかくした。
そこに――――。
「えぇ~??何か鬼のように怖かったよ~??」
「この線から入ってくんなとか。ますだ君だよ、ますだ君。」
「いや、怪獣じゃないだろ。やっぱり鬼だよ。」
ぽやぽやからヤジがとんだ。
………その点については反省だ。
私の所業についてほめた子と、ぽやぽやが言い争いを始める。
私は自分がやり過ぎたことを分かっていたので、なんとも言えなかった。
それからしばらく、私はぽやぽや達から「鬼」と呼ばれた。
「お~にさんこ~ちら。手~の鳴~る方へ。」
と言われた。
きゃ!!ひどい!!うるうる……なんて私はしません。
「てめぇら!!覚悟しろよ!!!!」
と言って、彼らを追いかけ、楽しく鬼ごっこをしましたよ☆
ちなみに私、足早いです。
ぽやぽや瞬殺。
ん?…彼らの方が「キャーキャー」うるさかったような……。
いじめてないですよ!!
松ぼっくりについては、父の実家の薪風呂を沸かすときに、祖父から「絶対松ぼっくりは入れるな!!」と言われましたし、家での焚き火でも父から「入れるな」と言われていたので危ないのかと思ってました。
音ぱちぱちうるさいですし、煙出ますし。
でも今は、着火剤に適しているらしいです。
良く燃えるんですね。
でも数個で火力はでるわ、火の手はあがるわ…。
ものは使いようですね。
はぁ……。
焚き火したい。焼き芋したい……。




