アーモンド
小3あたり
うちの家にはアーモンドの木があった。
隣のキウイのツルが、アーモンドの木を絞め殺してしまって、今は枯れてしまったが。
桜によく似た花を咲かせるので、幼い頃は桜だと思っていた。
家に遊びに来た友人たちも「桜の木が庭にあるって良いね~。」とよく言っていた。
その度に「いや、あれアーモンドだから。」と冷静にツッコミを入れていた。
何とも懐かしい……。
アーモンドの木は秋になると、何個か実を付けた。
その実をとるは捕るのだが。
いつも父は捨てていた。
ある時、私はアーモンドの実を捨てられる前にとっておいた。
ただの好奇心からだ。
ある日、私はそれを実行した。
*****
固いコンクリートの上に実を置き……。
トンカチで叩いた!!
ガン!!!!!!
「っ……!!いってぇぇぇぇぇ!!!!??!!」
トンカチは見事にアーモンドの実に当たったのだが、その衝撃は凄まじかった。
大きいスイカを木の棒で叩いたら、木の棒の方が折れた。
そんな感じだった。めちゃくちゃしびれた。
しかし一度始めた事だったので、最後まであきらめず、根気よく殻をたたいた!!
ガン!!!!!ガン!!!!!!!!ガンガン!!!!!
右手だけでは無理だと判断し、両手でトンカチを持った。
ガン!!ガン!!!ガンガンガン!!!!!
ガンガンガン!!!!ガン!!……ガン!!!
ガキ!
半場やけくそ気味になっていた所でヒビが入った。
そこに指をつっこみ、こじ開ける。
(やった―――!!ミッションコンプリート――――!!!)
そう思ったのもつかの間。
残念なことに、叩きすぎたからなのか、中身はボロボロだった。
私の右手と同じく……。
*****
姉と兄に報告したら「お前バカじゃねぇの!?」とゲラゲラ笑われた。
「馬鹿とはなんだ!!大昔の人たちに出来て、私が出来ないわけないだろ!!」
「いやいや、大昔の人たちだって、工夫してたと思うぞ??」
「工夫??」
「石のくぼみを使ったり、もう少し大きい石を使ったり?」
「それ専用の良い石を使っていたかもね。」
「!!!!」
何と言うことだ!!
子どもの浅知恵以上に、大昔の人たちは創意工夫を凝らして生きていたという事か!!
兄は笑いをこらえながら言った。
「お前って失礼な奴だな…!大昔の人たちに謝れ……!!っぶ……。」
だって!!よく大河ドラマや歴史もののドラマで、力自慢の奴らがクルミを片手でゴリゴリした挙句に割るじゃないか!!??だから??頑張れば割れると思ったんですけど!!??
(ドラマのインチキ野郎――――!!!!!)
ドラマで「片手くるみゴリゴリ」を見ると、この事を思い出す。
アーモンドチョコを食べるとき、いつも「機械よ。ありがとう。」と思う。
失敗から学ぶことは、たくさん有るのだと知ったのだった。
…………思い出すたび右手が痛い……。




