なまごめ
幼少編は、危険がいっぱいです(苦笑)
赤子の時は映像しか覚えていないので、会話文は何となくです。
あれは、まだ私が言葉を話せなかったとき…。
ガサガサ。ガサガサ。と音がする。
(何だ?)
私は玩具を放り投げ、よちよちつかまり立ちをしながら音のする方へ行った。
ガサガサ。ガサガサ。
音が近くなってきた。
音がするところにたどり着くと――――――。
30㎏の米袋に上半身を突っ込んでいる兄(おそらく3歳位?)がいた。
(……何だ?)
側へいき、兄の袖を引っ張る。
気づいた兄が、米袋から顔を出した。
「(お前か。)」
「(何してんの?)」
「(米食ってた。うまいぞ。お前も食え。)」
そういって手渡された『なまごめ』
「うまい」と言われて即座に口に入れる。
「!!!!!??????」
ただの硬いつぶつぶ。
私はぺっぺと吐き出す。
(こいつは何を食ってるんだ!?)
私の頭の中で黄色信号が鳴った。
大きい声を出して助けを求めると、どこからか姉がやってきた。
そして一言。
「お母さん大変!!こいつら米食ってる!!」
「えぇ――!!?」
母もどこからかやってきた。
兄は母から軽くお説教をされたが、始終ニコニコしていた。
姉がニッと歯を見せてくれ「歯がないと食べれないんだよ。歯!!」と教えてくれた。
私は(な~る~。)と何となくうなずいた。
しかし兄は懲りていなかった。
ほぼ毎日、ガサガサ米袋をあさっていた。
*****
いつの間にか皿になまごめが数粒用意されていた。
兄はニコニコそれを食べていた。
私は歯が生えてから、なまごめを食べてみたが、あのときの兄の気持ちはさっぱり理解できなかった…。
今でも印象に残っている。
米袋に上半身を突っ込んでいる3歳児の姿が―――。




