あの味は、忘れられない。
3年生の時。
3年生になるとクラス替えがあり、新しい友達が出来た。
新しい友達Oちゃん。
もうすぐ夏になる頃、Oちゃんは風邪で学校を休んだ。
2日ほど休みが続いたとき、友人Yちゃんが言った。
「お見舞いに行こう!!」
お見舞いとは何ぞや?と呆ける私。
「お見舞いって言うのはね、元気?って顔見に行くんだよ!」
「え。寝てたらどうするの?」
「寝てるからお見舞いに行くんだよ。」
「はぁ…。」
よく分からないまま、放課後待ち合わせをしたのだった。
途中「お見舞いには花が必要!!」と言うことで、Yちゃんはタンポポやはこべ、ぺんぺん草、ヒメジョオンなどを花束にした。(アブラムシいっぱいついてる…。)と思っていたことは内緒だ。
私とYちゃんは自転車を30分こいでOちゃんの家まで行った。(トトロぐらいの田舎です。)
まだ自転車の法律がゆるかったので…と、意外にYちゃんが自転車に乗れなかったので、ビバ!2人乗り☆をしたのはいい思い出だ。(2度としない。)
Oちゃん家に電撃訪問した私たち。
出迎えてくれたのは、Oちゃんのひいお婆さんだった。
「わざわざあんがとねぃ。」
花束を渡した後、玄関を通され、漬物をだしてくれた。
漬物は最高にしょっぱかった!!!!!
お婆さんはいろいろ話をしてくれた。
しかし、訛りがあまりにも素晴らしくて、ほとんど理解できなかった…。(お婆さんごめんなさい…。)
かろうじてOちゃんは寝たばっかりなこと、明日は学校に行くことは分かった。
「クマが出る前に帰らないとね。」
短いお見舞いだったが、なかなか楽しかった。
お婆さんからは、帰り際にミカンの缶ジュースを貰った。
のどが乾いたら飲みなさいと言われた。
「ありがとうございました!!」
私とYちゃんはお婆さんに別れを告げ、帰りはのんびり歩いて帰った。
しばらくして、Yちゃんが「のどかわいた~。」と言って、自転車のカゴに入っていた缶ジュースをつかんだ。
休憩するか、と自転車を止め、私も缶ジュースを開けた。
「「かんぱ~い!」」
腰に手を当て、2人で豪快にジュースを口に入れ……。
「…おぇ……!!」
盛大に吐き出した。
この世のものとは思えぬ味がした。
Yちゃんはしきりに言った。
「これ、腐ってる!!腐ってるよ!!!」
口の中が気持ち悪く、ひたすら道端にぺっぺっした。
中身はその場で逆さにして捨てた。
その時、缶の裏に書いてある賞味期限(?)に気づいた。
「たいへんYちゃん。この日付、2年前。」
「はぁ!?」
色んな意味で衝撃を受けた。
どうやって保存してたのか、他の人にもあげているのか、いろんなことを思った。
しかし、1番心に残ったのは…。
(食べ物って、腐るとこんな味になるんだ…。)
…缶は小川できれいに洗い、ちゃんとごみに出した。
*****
次の日Oちゃんは学校に来た。
着いて早々彼女は言った。
「あの缶ジュース飲んだ!?飲んでない!?」
私とYちゃんは目くばせした。私は答えた。
「……ごめん、捨てた…(道端に)」
「よかった~。あれ、賞味期限とっくに過ぎてたでしょう?ごめんね~。サッサと捨てたかったんだけど、祖母ちゃんが嫌がっててさ~。でもこの機会にやっと捨てたの!!よかった~。」
すこぶる笑顔のOちゃん。
私とYちゃんは、顔を引きつらせていた。
本当の事など、口が裂けても言えない。
あの味を、思い出すのさえ辛い。
賞味期限の確認はとっても大事!と身をもって知ったのだった―――。
読んで下さりありがとうございます。
次回から幼少編になります。
幼少編6部分ののち、中学校編になります。
早く現代にたどり着きたいです……。




