バレンタイン当日
※初めてのクッキーはつつがなく作ったはず…(覚えてないのです。)
バレンタイン当日は土曜日だったので、小学校に近い公園で待ち合わせをした。
(※学校にお菓子を持って行ってはいけません。)
指定した時間の10分前に、私は公園に付いた。
約束の時間より早めに来るのは私の中では当たり前だったのだが、甘かった。
やつらはポヤポヤ星人!!
約束の時間にまず1人。
「Cちゃんありがとー。」
「どういたまして~。」
10分後に1人。
「遅くなってごめ~ん。ぼく最後?」
「……あと1人来てない」
「あ~。Kってメッチャ家遠いからな~。」
…………。
待っても待っても来ない最後の1人K。
すべり台も何周もした。(わーい!)
ターザンロープも何回もした。(ヒャッホー!)
公園にある、座ってビョンビョンする遊具も全種類制覇。(上手になった!)
30分過ぎ、ビョンビョン揺られながら私は思った。
(もう帰ろう……。)
ビョンビョン遊具をジャンプで颯爽と降りた(危険です。)
その時。
「ごめんごめん~。」
「ぅおっそい!!」
「いや~、帰ったかと思った~。」
「おかげで遊具と仲良くなった!!」
「よかったね~」
ペースが乱れる!!
とっとと渡して帰る!!
そう思ったとき…。
「はいこれ~。」
「…何?」
「キャラメル。」
「見ればわかる。」
「バレンタインって、貰ったらお返ししないといけないんだって~。持ってくるの忘れて1回戻ったら、遅くなった~。」
こいつが持ってきたのは、袋入りのキャラメル菓子。
持ってきた手作りクッキーが、陳腐に見え、恥ずかしくなった。
「立派なもんじゃないのに…。」
「だって作ってって言ったのこっちだし。」
「……。」
「Cちゃんありがとね~。」
そいつはニコニコしながら帰って行った。
1番遅れてきたくせに、1番印象に残ってしまった。
なんだか悔しい……。
いつもポヤポヤなのに……!!
*****
月曜日。
いつもと変わらない朝の学校のはず……だった。
Kがランドセルを背負ったまま私の机の前にきた。
「Cちゃん。クッキーおいしかったよ~。来年も作ってね!」
「!」
にこやかに言うだけ言って、Kは自分の机に座って朝の用意を始める。
『おいしかった。』
この一言に、わたしは泣きそうになった。
田舎くさい(ここは田舎なので皆田舎者です。)女の子の手作りクッキー。
馬鹿にされないか、笑われないか、漠然と不安だったようだ。
しかしKの一言と笑顔で、そんなのは吹き飛んだ。
誰かに「おいしい」と言われるのが、こんなに嬉しい事とは思わなかった。
私が「おいしいものを作りたい!」と強く意識したのはこの時だ。
それから私は、家の手伝いを面倒くさいとは思わなくなった。
*****
翌年。
学校でお菓子を食べるのは絶対ダメ!だが、渡すのはOKになり、私は約束通りKにクッキーをあげた。それをクラスの何人かに見られ、卒業するまでひやかされる事になるのだが……それはまた、別の話し。
※その節はK君お世話かけましたm(__)m
自転車こいで、体が疲れてたところで食べたから、きっと余計においしく感じたんだと思いますよ(苦笑)




