表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
5/12

第五話 待ちに待った?ダンジョンに向かうことになった件

ここからは、浩介、透のシーンに戻ります。

少しコメディ感が戻るので三.四章より読みやすいと思います

薬草採取を終えた翌日。


透は朝っぱらから、俺の家へ押しかけてきた。


「浩介ぇぇ! 見ろ! ついに俺の時代が来た!」


玄関を開けた瞬間、透はギルドで買ったばかりの剣を高々と掲げる。


「じゃーん! どうだ!」

シャキィン――。


わざわざ鞘から抜いて、朝日に反射させる。


「おぉ……。」


「その『おぉ』は興味ないやつ!」


「いや、思ったよりちゃんと剣だった。」


「ちゃんと剣って何だよ!」


透は得意げに剣をくるりと回し――

ブォンッ!


「あぶねぇ!」


切っ先が俺の鼻先をかすめた。


「おっと。」


「おっとじゃねぇ!」


「まぁまぁ。まだ慣らし運転だから。」


「剣に慣らし運転なんてあるか。」


透は全く反省した様子もなく、ニヤニヤ笑う。


「どうよ? 俺、もう完全に冒険者じゃね?」


「いや、今のところ危険人物。」


「なんでだよ!」


ケラケラ笑う透は、本当に楽しそうだった。

すると急に声を潜める。


「そういやさ。」

「東区のダンジョン、もう解放されたらしいぜ。」


さすが毎日掲示板を巡回しているだけある。


「思ったより早いな。」


誰がそんな情報を毎日書き込んでるんだよ……。


「なぁ、浩介。」


透は剣を肩に担ぎながらニヤリと笑う。


「ダンジョン、行こうぜ。」


「ダンジョンかぁ。」


ソシャゲの期間限定イベントで目当てのガチャを引けた俺は、それだけで十分満足していた。


……とはいえ。


ダンジョンが現れたとなれば、一度くらいは行ってみたい。


そんなことを考えながらスマホを眺めていると、ふと疑問が浮かんだ。


「そういえば、レベルって表示されてたっけ?」


透が呆れたようにこちらを見る。


「え? お前、まだ設定変えてないのか?」


「設定?」


「マジかよ。初期設定のままじゃん。」


そんな仕様があるなんて知らなかった。


知っているのは、毎日掲示板を巡回している透くらいだろう。


……このウィンドウ作ったやつ、絶対性格悪い。


「ステータスオープン。」

――ピロン。


画面の端に、小さな歯車マークが現れた。

開いてみると、


【レベル】

【カラー】

【魔法】

【役職】

【スキル】


意外と項目が多い。


「誰がこんな細かい設定見るんだよ……。」


とりあえず【レベル】にチェックを入れる。

そういえば、薬草採取のあとステータスを確認していなかったな。


レベル2

体力 11

攻撃 11

防御 11

魔力 11

スキル ────


「……一しか上がってない。」


能力値は全部一ずつ上昇。


相変わらずスキルもない。


透が横から画面を覗き込んだ。


「おっ、一応レベル上がってるじゃん。」


ニヤニヤしてやがる。


「なんだその顔。」


「いやぁ、俺との差がどれくらいあるかなって。」


そう言って透も胸を張る。


「見たい? 見ちゃう?」


「その言い方、嫌な予感しかしない。」


「いいから見ろ!」


透が自慢げにステータスを開いた。


レベル2

体力 32

攻撃 35

防御 28

魔力 20

スキル

【バリアブルアタック】

【身体強化】


「どうよ!」


透はドヤ顔で胸を張る。


「俺、もう完全に主人公じゃね?」


「その主人公、昨日まで薬草摘んでたけどな。」


「主人公ってのは下積みが大事なんだよ!」


得意げに剣を肩へ担ぐ透を見て、思わずため息が漏れた。


「……で?」


「東区のダンジョン、いこうぜ。」


さっきまでふざけていた透が、再度、真面目な顔になる。


「……ダンジョンか。」


一度くらいは、この目で見てみたい。

そう思っていた俺は、小さく頷いた。

◇◇◇


透は両手を頭の後ろで組み、鼻歌交じりに歩いていた。


よほど剣を買えたのが嬉しいのだろう。


どうやらギルドには専用アプリがあり、そこからクエストを受注できるらしい。


今回受けたのは、


『ゴブリン討伐』

『スライム討伐』


初心者向けのクエストだ。

とはいえ、俺たちは薬草採取しか経験していない。


無理は禁物。


慎重に行くつもりだった。


「いやぁ、今日は俺の伝説が始まる日だな。」


「始まる前に終わらせるなよ。」


「安心しろ。浩介が俺を守ってくれるから。」


「そのセリフ、普通逆だろ。」


そんなくだらないやり取りをしているうちに、東区のダンジョンへ到着した。


巨大な黒い扉の前には、ギルド職員らしき人たちが立っている。


先日、この周辺ではオークが出現したらしい。


しかし、ギルド職員や高ランク冒険者たちがすぐに討伐したおかげで、大きな被害は出なかったという。


……有能にもほどがある。


まだ覚醒していない人も多いため、一般人が誤ってダンジョンへ入らないよう警備しているらしい。


「浩介ぇぇ!! 行くぞぉ!!」


透は背中のリュックを叩いて笑う。


どうやら先日の報酬で、回復薬とリュックまで買い揃えたらしい。


完全に冒険気分だ。


「今日はスライムとゴブリン倒して、英雄デビューだからな!」


「いや、倒したらさっさと帰るぞ。」


「夢がねぇなぁ!」


俺は苦笑しながら、巨大な黒い扉へ手をかけた。


ギギギ……。

重々しい音を立てて扉が開く。


俺たちは顔を見合わせ、小さく頷いた。

そして、ダンジョンの中へ足を踏み入れた。

次はダンジョン編です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ