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第二十九話 アンインストール

急なスコールに襲われビショビショになりながらも無事帰宅したきょうこのごろ


生きてるって素晴らしい


そんな感じで29話始まります



ギルド

冒険者たちが窓口やお店に行き交っている。

いつもと変わらず賑わっている。


「はぁ...づがれだぁぁ!!」

ゆあは、机に突っ伏している。


「日に日に人が増えてますね。」

みのるは、答える。



「勇者パーティホワイトゲート13層突破」

「ポーション値段高騰」

そんなニュースが流れている。



誰かを探すパーティの声がする。

「おいー!!またあいつどっか行きやがった。」


「いつもいなくなるよな。」


「マジで困るんだよなぁ」


「……また、勇者候補の新人が勝手に消えたらしいぞ」


そんな声が聞こえていた。


◇◇


冷たい石の地面に背中を預ける。

さっきまで聞こえていた魔物の鳴き声が嘘みたいに静かだった。


「いやぁー!やるっすね!」


「浩介さんって変っすね」


「普通なら一人でこんなところ来ないっすよ」


上を見上げると、少女が笑っていた。


「あぁ。」


「疲れた。」


体が軋む。


思うように体が動かない。


「これうちからの選別っす」


ポーションを口に注ぎ込まれる。


「ちょ、お、おい!!」


緑の光を纏う。

傷が回復していく。


「今たかいんすからね?」


「ありがとな。」

口元を拭く。


「まだいくっすか?」


「そうだな。」


「ひょえー!やるっすね!」

ニコニコしている。


服は、もうボロボロだな。


寝転がりながらノートを広げる。


チーフは、パターンを変える。


記入しておこう。


「浩介さん、すごい避け方するっすね」


「あぁ、あれはスキルだ。」


「そんなスキルもあるんすね」


「俺もまだよくわかってないんだよな」


致命的な結果を否定する。


どこまで通用するかもわからない。


現に完全に攻撃が当たらないというわけでもない。


「ふぅ.....」


俺はスマホを開く。


そういえば、最近開いてなかったな。


課金。攻略。


お金で時間を買う。


そして攻略する。


今は、時間をかけて成長し、


そして攻略する。


似たようなものか。


アンインストール。


そのボタンを押す手が少しだけ震える。


この画面を見るために何時間使った。


この数字を上げるために何万円使った。


周りから見れば無駄だったかもしれない。


でも俺にとっては、確かに努力だった。


夜更かししてイベントを走った日。


仲間とランキングを競った日。


あの時間は、全部無駄だったとは思えない。


人生の一部だった。

俺が唯一、胸を張れるものだった。


だけど今は、強くなる。


この現実に目を向ける。


そして、そっとボタンを押す。


「もういいだろ。」


画面が静かに暗くなる。

もう二度と、このゲームを起動することはない。


俺はスマホを床に置く。


少し悲しいような、何かが抜け落ちたような感覚になる。


そして、覚悟を決める。


拳を空に上げる。


「なぁ、透、俺強くなるぞ。」


「えぇ!?お前消したのか!?」

そんな声が聞こえたような気がした。


少し笑い

「あぁ、これでいい。」


そして俺はそっと目を閉じた。


◇◇


目を開けるとそこは、第六層だった。


「おつかれさまっす」

「寝てたんでセーフゾーンまで運んできたっす。」


「セーフゾーン??」


「そんな場所あったのか……」

「モンスターの情報しかチェックしてなかったな…。」


「え?しらないっすか?」

「ボス部屋の後の階層入り口付近は、

セーフゾーンっす」

「モンスター来ないっす」



「ああ、だからか。」


階層抜けた後パーティで休んでいた時もその辺だったな。


通りで何も来ないわけだ。


「ありがとな。」


「うっす。」


「さていくか。」


「装備大丈夫っすか?」


「あ、あぁ」


よく見ると剣の刃こぼれが酷い。


ポーションも貰いっぱなしだ。


流石に変えるか。


「一旦変えるっすか?」


「ステータスから戻れるすっす」


「は?」


「ステータスからいりぐちにいけるっす」


「次は、ダンジョン入ったら開いてくださいっす」


「また六層入り口まで来れるっす」


「は!?」


うそだろ。

あまりの衝撃に言葉を失う。


今まで歩いて帰ってたぞ…。


「じゃあ、一旦変えるっすよ」

「あ、でもボス倒したあとだけっすからね!」


そして、俺は、ギルドへと向かった。


◇◇

グリーンゲート6階層入口


「いやぁー!危なかったっす!」


「お前、メンバー探してたぞ」


「知ってるっす。無視っす」

「だって面白くないんす」


「はぁぁ....」

呆れたように反応する。


「まぁ、そんなもんか。」

「さていくか。」

「10階層まで走るぞ」


「え?また走るんすか!?」


「ああ」

「いくぞ!」


ブォーン

青い光を纏う。


透が試していた。

他の人にも使っていたこのスキル。


「俺にも使えるのか……?」


少女にもスキルを振る。


ブォーン。


いけた.....。


「いくぞ」


「うぉぉぉぉぉぉ!!!」


「な、なんすかこれぇぇぇぇ!!!!」


ドダダダダダダッ!!!!!


「あ、ちょっと!!!置いてかないでっすぅぅぅ!!!!!」


刃こぼれした剣を見つめる。

「次はもっといい武器が必要だな。」



グリーンゲート六階層を、二人は風のように駆け抜けた。




応援してるっす!!って方がいれば

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とっても励みになるのでぜひお願いいたしまっす!!!


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