道場にて
外は寒くなり、桜の代わりに雪が降る季節、冬である。もっとも、俺の国とは違い、ここは桜など咲かない。雪は降るし、四季自体は日本同様、あるようだ。
俺は学校が終わり、家に帰ると、父が「そろそろ、道場に通わせてやる。」と言って道場の場所を書いた紙を渡してくれた。学校での勉強が忙しいという事もあり、柔道へ通うことは先延ばしにされていた。
「自分で行ってこい。俺は家で大事な仕事と明日の準備をする」仕方なく、一人で歩きで出かけることにした。
俺が玄関まで行った時、アリスが上着を持ってきた。
「着物を、お持ち致しました。少しは寒さも凌げるでしょう」そっと着せてくれた
「ありがとう」
「行ってらっしゃいませ。行き先はお解りですか?」
「地図を貰った」
「では、お気をつけて」
外に出ると、やはり寒い。さっさと地図の場所まで行ってしまおう。
かなり歩いた。地図ではかなり短いのに。まあいい。それらしい建物が見えてきた。一本道に近いから迷わなかったが、この距離で道が複雑だとこの地図では迷子になりそうだ。
建物の看板に道場とあるし、ここで間違いないだろう。白い壁に黒い屋根のシンプルで清潔感ある建物で、さほど大きくはない。
木のドアを開けると、受付らしき女が居た。
「いらっしゃいませ」
「ハミエルです。父から何か伺ってませんか?」金を先に払ってくれてないと困る。
「はい。ケールさんの訓練を10年間の依頼と、その代金を頂いております。こちらへ……」
部屋の一つの鍵を空け、案内してくれた
「ここが、ケールさんの訓練する部屋です。どうぞ」
「ありがとうございます」
「では、何かありましたらお聞き下さい」受付まで戻って行った
しばらくすると、部屋に先生らしき男性が来た。
「こんにちは。私がた っ ぷ り指導してあげるわね」どんな人かと思ったら、たっぷりをやたらと強調するオカマだった
「こんにちは」
「うふっ元気がいいわね。気に入っちゃった。私、ニコライっていうの。よ ろ し く」いい男なのに
「よろしくお願いします」
しばらくパンチの指導してもらってわかったが、ニコライ先生、かなり指導力がある。無理無く弟子の長所に磨きをかけていくような指導。自然な動きで戦うことに重点を置いている。丁寧な指導で、様々な面をサポートしていこうという意思がわかる。
「じゃ、今日はこれでおしまいね。また明日」
「有り難う御座いました」
「こちらこそ」
どうやら1日2時間くらいのようだ。学校、部活、道場である。体力が付きそうだ。
それからまた長い道を通って帰った。




