表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
90/104

『しーちゃんと記憶の図書館』第90話

音をしまう場所



図書館の一角に、

しーちゃんが新しい棚を用意していた。


棚の上には、小さな透明の箱が並び、

その中には短冊や古い写真が収められている。



「ここは、“音をしまう場所”なんです」

しーちゃんは風鈴を指先で軽く揺らした。


チリン…



海斗と真理子さんは、

その音に耳を澄ませたまま動かない。



「風鈴の音も、言葉の響きも、

 いつか消えてしまうようで、実は残るんです。

 こうして形にしておけば、

 誰かがまた出会うことができます」



二人は顔を見合わせ、

そっと風鈴を棚の真ん中に置いた。



短冊の文字は、

まだ書きたての墨の香りがした。



「この音を聴いた人が、

 自分の大切な人を思い出してくれたらいいですね」

しーちゃんの言葉に、

海斗は静かに「きっとそうなる」と答えた。



その日、図書館の奥には、

潮風の音がしばらく残っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ