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『しーちゃんと記憶の図書館』第74話
灯台の上の秘密
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町のはずれ、岬の突端に白い灯台が立っていた。
海からの風をまといながら、三人はその足元に立つ。
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入り口の扉は半開きで、
中はひんやりとした空気に包まれていた。
螺旋階段がぐるぐると上へ伸び、
薄暗がりの中に木の匂いが漂っている。
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「上まで行ってみよう」
海斗が先に足をかける。
遥さんはスケッチブックを抱え、
しーちゃんはポケットの鍵をそっと握った。
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階段を登り切ると、
四方に海が広がる展望室にたどり着く。
波の音が、すぐ足元から響いてくるようだった。
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窓際の机に、一冊の古い航海日誌が置かれていた。
ページの隅に、小さく手書きの文字がある。
「この鍵は、町の“物語庫”を開く」
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しーちゃんは、海で拾った鍵を見つめる。
その形は、日誌に描かれたスケッチとぴったり同じだった。
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「やっぱり……これは偶然じゃない」
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海斗が日誌を読み進めると、
“物語庫”は町のどこかに隠されていて、
旅人がそこに物語を託していったことが記されていた。
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風が灯台の窓から吹き込み、
ページがひとりでにめくれた。
次の瞬間──地図が現れた。




