表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/104

『しーちゃんと記憶の図書館』第7話

もうひとつの宛先



港町のカフェで、

老人は温かい紅茶を一口飲むと、ゆっくり口を開いた。



「…思い出した。

 本当はこの手紙、青年にじゃなく、

 青年の妹に渡すつもりだったんだ」



しーちゃんと少年は、同時に顔を上げた。



青年の妹は、幼いころから病弱で、

海を見に行くことも叶わなかった。


姉は、彼女のために海の絵を描き、

そこに潮風の匂いを閉じ込めた。



「けれど…妹は、青年と一緒に遠くへ行ったらしい。

 その先がどこだったのか、誰も知らない」



老人は窓の外を見つめ、

潮風が頬をなでていくのを感じていた。


「もしまだ生きているなら…

 この手紙を、渡してやってほしい」



しーちゃんは静かにうなずき、

「探してみます。この手紙の続きを、

 私たちが見届けます」と答えた。



少年の目は、海の水平線のように輝いていた。

それは、新しい旅のはじまりの光だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ