表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
49/104

『しーちゃんと記憶の図書館』第49話

ほどけていく記憶



海斗は、日記を両手で抱えるように持ち、

ゆっくりとソファに腰を下ろした。



しーちゃんは、対面の椅子に静かに座る。

部屋の中は潮の香りと、ほのかな紙の匂いが混ざっていた。



パラ…パラ…

ページをめくるたび、海斗の表情が変わっていく。


笑みがこぼれたかと思えば、眉がわずかに寄る。

その間、しーちゃんは何も言わず、ただ見守っていた。



「これを書いた頃、

 僕は毎日、海ばかり見ていました」


海斗の声は、懐かしさと少しの痛みを帯びていた。



「でもある日、

 見たくても海が見られなくなったんです。

 理由は……もう、閉じ込めたつもりだった」



言葉と一緒に、

長い間縛られていた記憶が、

糸が切れるように静かにほどけていくのがわかった。


しーちゃんは、そっと問いかける。



「その続き、今なら……話せますか?」



海斗は小さくうなずき、

日記を胸に抱きしめた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ