4/104
『しーちゃんと記憶の図書館』第4話
海へ向かう道
⸻
朝の図書館に、
少年がリュックを背負ってやってきた。
中には、海辺の少女の絵と、古びた封筒。
そして小さなお菓子の包み。
—
「お昼に食べようと思って!」
—
しーちゃんも、肩掛けカバンに水筒とノートを入れた。
二人は図書館の前で、自転車にまたがる。
少年は前かご、しーちゃんは後ろの荷台に荷物を積んだ。
—
風を切って走る道は、
だんだんと潮の香りを帯びていく。
道端にはハマナスの花が咲き、
空はどこまでも広がっていた。
—
途中、小さな商店に立ち寄ると、
店先のおばあさんが笑顔で言った。
「海へ行くのかい? 今日は波が穏やかだよ」
—
さらに進むと、
遠くに青い海が見えてきた。
少年は思わずペダルを止め、
その光景をしばらく見つめた。
「…この景色、絵の中と同じだ」
—
しーちゃんは微笑み、
「さあ、この先で物語の続きを見つけましょう」
と静かに言った。
—
二人は再び自転車をこぎ、
海の町へとゆっくり近づいていった。




