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『しーちゃんと記憶の図書館』第3話

絵がつなぐ手紙



放課後、

小さな男の子が再び図書館にやってきた。


手には、画用紙を何枚も重ねた束。



「できたんだ! この子の絵!」



しーちゃんが受け取って広げると、

そこには青い海と、白い砂浜、

そして笑顔の少女が描かれていた。


波の色は、写真よりもずっとやわらかく、

空にはカモメが飛んでいる。



「とっても素敵ね。まるで、この子が今もそこにいるみたい」



男の子は少し照れくさそうに笑い、

「でもね…この絵、なんだか“誰かに渡したい”気がするんだ」

と呟いた。



その瞬間、

しーちゃんの心にひとつの記憶がよみがえった。


奥の棚に、あのアルバムと一緒に置かれていた封筒。

そこには宛先も切手もなく、

ただ「海の町にいるあなたへ」と書かれていた。



しーちゃんは、そっと男の子にその封筒を見せた。


「もしかしたら、この手紙は“絵”と一緒に渡されるのを待っているのかもしれないわ」



男の子は大きくうなずいた。


「じゃあ、僕が届けるお手伝いをする!」



こうして、

ひとりの少年の絵と、50年前の手紙が、

ゆっくりとひとつの物語に結びつこうとしていた。


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