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『しーちゃんと記憶の図書館』第39話

返事の手紙


⸻


少女は、

机の上に置かれた便箋とペンを手に取った。


—


「返事を書いてもいいですか?」

そう言うと、

しーちゃんは静かにうなずいた。


—


白い紙の上に、

少女の筆跡がゆっくりと浮かび上がっていく。


『私はここにいます。

 ずっと待っています。

 だから、いつでも帰ってきて』


—


書き終えると、

少女はそっと封筒に紙を入れ、

新しい封をした。


—


封筒の色は、

あの日の水色と同じ。


けれど今度は、

角はすり減っていない。

今、生まれたばかりの手紙だから。


—


「これで、少しだけ楽になりました」

少女は、そう言って微笑んだ。


—


しーちゃんは封筒を受け取り、

棚の一番手前に置いた。


「誰かが読むかどうかは、わからない。

 でも、きっと風が運んでくれるわ」


—


その日、

図書館の奥の部屋に、

新しい物語がそっと置かれた。


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