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『しーちゃんと記憶の図書館』第34話
展示の支度
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翌週の午後、
図書館の一角にある空きスペースで、
しーちゃんと少女は机を並べていた。
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机の上には、
手紙の束と、
少女が書き足した新しい物語。
そして、
二人で選んだ古い写真や押し花が添えられている。
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「これを、どんなふうに並べましょうか」
少女の目は輝いていた。
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しーちゃんは微笑みながら、
古い木製の額縁を取り出した。
「時間の流れが見えるように……
最初の手紙と、最後の手紙を並べて、
間に“未来へのページ”を置きましょう」
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少女は額縁を覗き込み、
そっと一枚の押し花を添えた。
「この花、きっと手紙の人も見たことがありますよね」
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準備が整ったとき、
そこには過去と未来が並び、
静かに会話しているような展示ができあがっていた。
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しーちゃんはふと、
部屋の奥の棚を見やった。
そこには、
まだ開かれていない箱がひとつ、
じっと彼女を待っていた。




