第99話
こんにちは!
明日葉晴です!
ソラちゃんとシン君の試験になります!
物語進行メインで戦闘は物足りないって方がいるかもしれませんがご容赦ください…
最初の予定ではソラちゃんとシン君は準決勝の予定でした。
ですが準決勝は別の予定にしたくなったので、初戦になったんですよ。
それでは本編をどうぞ!
前回のあらすじ
剣士科の試験を受けるソラ。エドモンドと共に待合室に向かうが、そこで今回の対戦表にエドモンドが疑問を抱いた。しかし確証が無いために保留し、試験に集中することにした。そしてソラは初戦の相手、シンとぶつかるのだった。
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『絶空』!!
開始の踏み込みと同時に、アタシは一気に間合いを詰めた。お互いに実力は知っている。なら小手調べも無しでいいだろう。
「はぁっ…!」
「ちぃ…!」
だけどそれは読まれていたのか、シンはぴったりのタイミングで押さえ付けてきた。アタシは押し潰される前にシンの大剣をすり抜けて回り込む。そのまま動きを止めないように、シンに牽制を入れつつ周りをぐるぐると回る。
「せいっ!」
「残念っ!」
牽制で痺れを切らしたのか、シンがアタシに対して右の大剣を横薙ぎに反撃を加えてきた。それをアタシは最小限に飛んで回避。そしてシンに向かって剣を振りかぶる。フリをした。
「甘いですよっ…!」
「そっちもねっ!」
「っ!?」
だけどシンは左の大剣で防御の体勢に入る。けどアタシはそれを予想していた。シンが防御に入った瞬間に跳んで後ろに回る。流石にそれは予想していなかったのか、動揺したのが伝わった。
「取ったっ!」
「まだぁ…!」
「ちっ…」
気合を入れて放った一撃は、身体を強引に捻ったシンによって紙一重で躱された。さらに、かなり無理のある体勢に見えるのに、地面に突き刺して盾にされた大剣を軸に蹴りを入れてきた。アタシは仕方なく後ろに下がり、仕切り直しの体勢になった。
「今の避ける?」
「僕も驚きました。一か八かでしたが上手くいって良かったですよ」
「今ので決めたかったんだけどなぁ…」
まだこの後も試験は続く。出来るだけ体力は温存したままにしたかったけど、やっぱりシンは一筋縄じゃ行かないみたいだ。
「僕としても上には行かせたくないので…行きますっ!」
「つっ…!」
いつもは防御からのカウンターを狙うシンが、今度は攻守交替とばかりに攻めてきた。二本の大剣が軽々と振られる様は圧巻だけど、受ける側としては洒落にならない。
でも…なんか焦ってる…?
時々蹴りも織り交ぜられたシンの攻撃は、いつもより苛烈に見えた。だけどその分だけ攻め急いでいるようにも見えて、隙を見つけるのが難しいけど避けるのは出来なくもない程度だった。
このままじゃ先に体力尽きるのはアタシだなぁ…もしかしてそれが狙いかな…?でも…
体力的にはアタシの方が少しないくらい。このまま続くならギリギリアタシが負ける。だけどその後はシンもほとんど体力がなくなるはずだ。この後に戦えるとは思えない。試験の連戦を考えていないみたいだ。
いつも先のことを考えるシンにしては珍しい…だとしたら狙いは別…?
シンの打撃は避け、大剣は受け流しながら精一杯考える。だけどいつものシンの行動とは外れているからか、上手く思惑が読めない。
なら…ここは強引にでも…!『閃空』!!
「うっ…!?」
「今っ…!!」
「しまった…!」
シンの攻撃の合間。大剣の攻撃から蹴りに変わる時の本当に一瞬の間隔で、アタシは刺突を捻じ込んだ。アタシが反撃に転じることを予想していなかったのか、シンは頬に剣を掠らせながら避けた。ひるんだその隙にアタシはシンの間合いから飛び退いて体勢を立て直した。
「あっぶなかったぁ…」
「抜けられてしまいましたか」
「らしくないことするからだよ」
「そうかもしれませんが、僕はどうしてもソラさんに上に行って欲しくないので」
シンは攻勢に入る前と同じセリフでアタシに向かい合った。アタシはその言葉に違和感を持った。この場なら勝ちたいって言うのが普通なのに、上に行って欲しくないって言うのはどうにもおかしいような気がする。
まさか…?
「シン、アタシは対戦表を見たよ」
「はい…?それがなに…あぁ…そうですか」
アタシは探るようにシンに話すと、一瞬わからない様子を見せたけど、すぐにアタシの言いたいことを理解してくれたみたいだ。
「うん。アイツがいることも知ってる。それにさっきエドからも聞いたし」
「なるほど。なら、僕の心配は無意味でしたか」
「ううん、その気持ちは嬉しいよ。でもアタシは知った上で勝ち上がりたい。勝ってアイツと話したい」
「そうですか。でもやっぱり上には行かせたくありません」
「ならアタシは全力で勝つよ」
正直、なんでシンがアイツが出てることを知ってるのかとか、会わせたくないのかはわからない。けど、アタシはやっぱり話がしたい。そしてシンプルに、シンに勝ちたい。
まともに戦えばシンは防御に徹するはず…なら守り切られる前に…勝つ!
「はっ…!」
「…!!」
速攻を決めるために仕掛けた。予想通り左の大剣で防御の姿勢を取ったシンに対して、アタシは一度小さくバックステップを入れてフェイントをかける。だけどすぐにシンの頭上を目掛けて飛び掛かった。
「やっ!」
「まだっ!」
しかしタイミングを外したというのにすぐにシンは対応して、防御に使った大剣を上にしてアタシの攻撃を遮る。アタシは防御を取られたことにも焦らず、盾にされた大剣を踏み台に高く跳びあがった。
「うっ…」
「はぁっ!!」
『断空』っ!
「がっ…!」
「“ウィンド”」
さらに上空から斬撃をシンに叩きつけるように飛ばして動きを完全に止める。そのまま魔法によって急降下。怯んでいたシンの目の前に着地して剣を突き付けた。
「参りました…」
「お疲れ様」
「ソラさんの攻め方には、毎回翻弄されっぱなしですね」
「だってシン、同じことやると対策してるんだもん。考える身にもなってよ」
「ははは。それが勝負と言うものですから」
「知ってるよ。またシンに勝つ方法考えなきゃね」
「僕は対応できるようにしないとですね」
「シンに耐えきられるとアタシは辛いなぁ…」
アタシは大体不意打ちで勝つことが多い。シンに完全に防御に徹されると隙を突くのに本当に苦労する。次に模擬戦をするときはまた別の方法を考えるべきだろう。
「あはは。ともあれおめでとうございます。僕は観客席でソラさんを応援してますよ」
「ん、ありがと。アタシ…勝つね」
「はい」
シンと話し合った後、アタシは元の控室へ、シンは観客席の方に歩き出した。シンの試験は終わりで、とりあえず出たから問題ないだろうけど、アタシの応援をしてくれるらしい。おそらく心配もしているんだろう。今はその気遣いは心強い。
まぁ…とにかく今は勝ち上がらなきゃ…
アタシは意気込みつつ、エドのいる待合室に戻ったのだった。
第99話を読んで頂き、ありがとうございます。
しれっと終わったソラちゃんとシン君の試験でした!
ちょっと惜しかったなって思ったのが、せっかくシン君が攻勢に入ったのにはっきりしなかったところですかね…
そこはまた近いうちにやればと思います。
それはさておき、気付けばもう99話。
次回で100話になりますね。
特に企画は用意してませんが…
ここまで続けられたのも、読んで頂いてる皆様のおかげです!
これからも見守って頂ければとても嬉しく思います!
と言うわけで今回はここまで!
ブクマして頂いてる皆様!
そうでなくとも読んで頂いてる皆様!
いつも読んで頂き、本当にありがとうございます!
次回も引き続きお付き合い頂けましたら、何よりの幸いです!




