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極大魔力の初級魔法  作者: 明日葉 晴
第5章 過去との決別。今との対決。未来への餞別
98/263

第98話

こんにちは!

明日葉晴です!


前回から試験パートになりました。

早くもクライマックスみたいにシン君が初戦ですね。

いやまだ終わらんのですが…

今回の試験はソラちゃんがメインなので他の人の試合状況とかは特に出しません。

それほど剣士科の生徒も出てませんしね。

それでは本編をどうぞ!

 前回のあらすじ

 剣士科の試験に向かうソラ。シンがいないことを気にしつつも、試験会場で受け付けをする。試験会場にてシンを探す途中、エドに再会し、クラウセッドについての思いを語る。その後、試験の対戦相手を見ると初戦の相手はシンなのであった。


 =


 対戦表を見たアタシとエドは、一緒に待機室に向かった。


「今回の対戦表はなんかヤな感じだったなー」

「そうなの?」

「あぁ、最近入ったっぽい奴らがオレとクラウに最初の方に当たるようになってた。なのにシンとソラの対戦は最初で、オレかクラウに当たるのが最後…なーんか変な気がする…」

「んん…?」


 エドの話を聞いて、何故かアタシは副学園長の含み笑いが思い浮かんだ。なんとなくあの人ならやってもおかしくない気がする。


「まさか…ねぇ…」

「どした?」

「あ、うん。ちょっと心当たりが…確信があるわけじゃないけどさ」

「おん…?」

「アタシが転科した理由でもあるんだけど…」


 アタシの呟きをエドが気にしたから、さっき話さなかったアタシの転科の理由を簡単に説明した。最初は不思議な顔してたエドは、どんどんと何か考えるような仕草になっていった。


「なるほど…副学園長か…」

「なんか心当たりあるの…?」

「あぁ、オレとクラウ…てか多分クラウに対して意地の悪い課題出してたな。その出来事でクラウが有名になったわけだけど」

「もしかして、大型の魔物を一人で倒したってやつ?」

「そそ。まぁ噂が独り歩きしてるとこもあるけど、倒したのは事実だな」

「そうなんだ…」


 噂の独り歩きには納得する。アタシはその被害者でもあるわけだから。でも倒したことが事実なら、噂の何が違うのだろうか。


「まっ!そんなことより…副学園長に前例があるわけだし、副学園長がやった可能性は高そうだな」

「あっ…うん。どのみち決まったものはしょうがないもんね」

「そういうこったな。今はお互いに頑張るしかないな」


 そんなどうしようもない雑談をしながら、アタシとエドは待機室の扉を開けた。そこには何人かの生徒が雑談していたようだったけど、アタシとエド、と言うよりエドを見て息を飲んだようだった。


「おい…あの人…」

「そうか…今月か…」

「まだいるつもりなのか…?」

「隣にいるのは誰だ…?」


 ヒソヒソと話始められた内容は、おそらくどれもエドを示しているようだった。そして噂されている当人であるエドは、苦笑いを浮かべていた。


「はははー…クラウと一緒にいるから俺も悪目立ちしてるみたいで…ごめんな」

「注目されるのには慣れてるからいいよ」


 多分注目されてるのはそれだけではないと思う。だけど謙遜したのか、エドは自分をそう評価しているようだった。


 でも…アイツが一緒に行動するのを許してるんだ…実力は…そう劣るものじゃないはず…


 そんな確信がある。回りの反応を見る限り、それは間違いでもないと思う。


「エドモンド・クワイア。いますか?」

「マジかぁ…早いな。はいはい、います!」

「近くで叫ばないで下さい。試験が開始されますので、お願いします」


 アタシ達のすぐ後に現れた試験官らしき人が、エドの名前を呼んだ。どうやら真っ先に始まるらしい。


「んじゃ行ってくるわ」

「頑張ってねー」

「おう!」


 試験は一組ずつで、試験を受ける生徒の観戦は出来ないらしい。観戦できるのは負けてからみたい。そういう説明を受付で受けた。だからアタシはここから応援するしかない。アタシの応援に応えてから、エドは呼びに来た人と一緒に待合室から出て行った。


 =


「ソラ。いますか?」

「あ、はい!」


 しばらく待っていると、アタシの名前が呼ばれた。


「ソラか。頑張って来いよ!」

「ありがと。エド」


 エドの試合はすぐに終わったのか、呼ばれてから数分で帰ってきた。相手が下級生とは言え、すぐに帰ってきたってことはやっぱり実力は相当だと思う。


 シンは結局来なかったってことは、別の待合室にいたのかな…


 アタシはエドの応援を受けてけてから、呼びに来た人の後について試験会場である訓練場に向かった。


「ここが試験場です」

「はい」


 アタシにとっては見慣れた入り口に案内されて、扉を開く。訓練場の中央には、対戦相手である見慣れた人がすでに待機していた。


「え…?」

「やっほー!シン!」


 アタシを見た途端あっけに取られたシンに、なんてことない感じで挨拶した。ちょっとだけ面白い。


「ソラさん…?」

「そうだよ。対戦表見なかったの?」

「ギリギリに来たもので。ではなく、なんでソラさんが?」

「今日だけ転科したんだ。説明しようかと思ったけど、昨日の夜いなかったシンが悪い」

「それは…すいません」


 アタシは驚くシンに対して、昨日いなかったことを軽く責めた。思った通りだけど、シンは謝るだけで訳を言う雰囲気はない。


「一応聞くけど、言い訳は?」

「言えません」

「そ。ならいいよ。トレイズが珍しく気を遣ってたから、それだけ言いたくないことなんだろうし」


 トレイズは何か知っている風だったのがちょっとだけ悔しいけど、アタシは一応聞くだけに留めた。シンの制服が少しだけ汚れているところを見ると、やっぱり無茶をしたんだとは予想できる。


 はぁ…しょうがないと言うか…らしいと言うか…


「……すみません」

「いいよ。…いや良くないんだけど…でもいい」

「はは…本当にすみません」


 ひたすらに謝るシンに、アタシは苦笑した。やっぱりどうしても教えたくはないらしい。


「まぁわかったよ。それよりも始めよ?試験の先生たちも見てるし」

「はい。そうですね」


 アタシは辺りを見回しながら、シンに提案した。周りを見た時、副学園長が視界に入ったからもう一度改めて見ると、少しだけ含んだように笑っているように見えた。


 もしかして…アタシとエドの予想当たったのかな…?


 アタシはエドとの会話を少しだけ思い出してから、一瞬だけ考えたけどすぐにやめた。今は考えてもしょうがない。


「どうかしましたか?」

「んん。なんでもない」

「そうですか」


 アタシが観客席を気にしたのに気付いたのか、シンが不思議そうに聞いてきた。ここで説明するのは難しいし、面倒だから誤魔化すことにした。シンも昨日いなかった理由を言わなかったことだし、これでお相子と言うことにしてもらおう。


「さて、改めて始めよっか」

「はい」


 アタシとシンは改めて構え直して、お互いに睨み合った。そして、合図もなしにアタシとシンはお互いに踏み込んで、試験は始まったのだった。

第98話を読んで頂き、ありがとうございます!


副学園長の陰謀説ですね。

あと今まで触れてなかったエド君の実力はまたいつか。

ただソラちゃんが予想してますが、皆様が嫌いなクラウセッド君についてるだけはあります。

それでは今回はここまで!


ブクマして頂いてる皆さん!

そうでなくとも読んで頂いてる皆さん!

いつもありがとうございます!

次回も引き続きお付き合い頂けますと幸いです!

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