第95話
こんにちは!
明日葉晴です!
前回に引き続き、シン君のターンになります!
男前さを発揮したシン君と、評価を下げ続けるクラウセッド君の戦いですね。
この数話でシン君の魅力が爆発すればいいかなって感じです。
ついでにクラウセッド君はどこまで評価下がるかですね。
それでは本編をどうぞ!
前回のあらすじ
一人で行動をするシン。本来の目的とは違うものの、少し楽しみながら時間を過ごすと、ようやく待ち人であるクラウセッドが現れた。全く相手にしなかったクラウセッドとようやく話をし、シンはクラウセッドに挑むのだった。
=side/シン
まずは小手調べで、踏み込みながらの横薙ぎに剣を振るいました。小手調べと言っても、トレイズさんと打ち合う時を同じくらいなので、並みの力じゃ止められないとは思いますが。
「はんっ…」
「っ…!」
しかし僕の見込みが外れたのか、いとも簡単に剣を止められました。ご丁寧に直立で左手は腰に当てたままの、明らかに相手を見下した様な体勢で。
これは…思いの外…
「嘗めてんのか?」
「えぇ、すいません。姿勢がいいので人形かと思ってしまいました」
「はっ!こんなんじゃ人形どころか布一枚切れねぇよ」
「切る気はないですよ。貴方にそんな価値ないですから」
一瞬挑発かと思いましたが、どうやら本気で聞いてきてる様なので、内心の焦りを隠して皮肉を言いました。すると今度は本当に挑発してきたので、見下した言い方で返します。
「ならおとなしく帰れよ」
「それは出来ない相談です…よっ!!」
「っ!?」
拮抗している状態から力任せに振り抜き、彼を弾き飛ばしました。多少驚いた様子を見せたものの、空中で態勢を整え綺麗に着地されました。
「馬鹿みたいな力だな」
「それはどうも。取り柄なので」
「だがそれだけだ。力だけの奴に負けるなんてありえないな」
「僕としては、口だけの方には負けるわけにはいけませんね」
「なら、確かめてみろよ」
そう言うと、彼は剣を腰だめに構えました。ソラさんが技を放つ時の構えに似ています。
まさか…?
「『一閃・飛刃』…」
「くっ…!」
そして今度は僕が驚かされる番でした。本当にソラさんの技に似た攻撃をかろうじて防御し、軽く後退させられました。
速い…しかも重い…
ソラさんよりも早く重い一撃に驚きが隠せませんでした。
「アイツのより効くだろ?」
「まさか。ソラさんの方がずっと効きますね」
「ふんっ…強がりはバレないようにしろ」
流石にバレたのか、彼はさして面白くもなさそうに言い放ちました。羞恥か怒りか、少し顔が熱くなるのを感じましたが、ここで冷静さを失っては思うつぼなので、何とか気を保ちました。
「参考にしときますよ。では仕切り直して…っ!」
僕は再び構え直し、愚直にも彼に真っ直ぐ向かいました。認めたくはないですが、おそらく技術面では勝てないので、小細工を仕掛けるよりも正面から向かうべきでしょう。
「バカみてぇだな」
「だからこそやりにくいこともあると思いますよ」
「それは認めてやる」
お互いに挑発しあいながら剣を交わします。彼も流石に本腰になったのか、しっかりと芯の通った攻撃と防御でした。
これは…思った以上に…
速さはソラさんより僅かに遅いくらい。力はトレイズさん程でしょうか。おかげでソラさんなら全部受け流す僕の攻撃を、時折弾き返されてしまいます。
どうしたらこんな技術が身に付くのでしょう…上手く攻めきれませんね…
僕の攻撃が読まれているのかと思う程に、彼は僕の剣を捌き続けます。力の入った攻撃は流され、牽制は弾かれる。どの攻撃をどう対応するかを選んでいるのは並大抵の技術ではないと思います。
「お前…そんなんでアイツを守るとか言ってんの?」
「ええ。何度でも言います。実際は守られてばかりかもしれませんが」
「はぁ?」
「ぐっ…!」
彼の呆れた様な質問に僕は正直に答えると、失望した声と共に、重い一撃を入れられ、大きく後退させられました。
「馬鹿にしてんのか?守ってもらってるクセに守る?ふざけたこと言ってんじゃねぇよ」
「僕は至って真面目ですよ」
「なら尚更だろ。現実見ろよ」
彼は冷たく言い放った後、再び腰だめに構えました。
「『一閃・飛刃』」
「ぐぅ…!!」
同じ技、けれどさっきよりも威力の高いものを、剣を盾代わりに防ぎました。しかしそれだけで終わらず、彼は攻撃に転じたのか、間合いを詰めてきました。
「『二閃・十字』」
「うっ…!」
縦と横から、素早く切り付けられました。ですがまだ耐えられる威力で、なんとかこらえました。
「『三閃・鉄爪』」
「うぅっ…!!」
今度は縦に同時に三箇所切り付けられた様な衝撃が、剣を伝わっきました。少し後ろにずれましたが、それもなんとか耐え抜きます。
「へぇ…でももう無理そうだな」
「まだ…!」
「諦めろ。『四閃・八華』」
「ぐっ…がはっ!」
「ほらな」
縦横斜めに計四回。同時に切られた様な感覚と凄まじい衝撃が剣を伝わり、ついに僕は飛ばされてしまいました。
「至近距離で受ける様な技じゃない。力の強さは認めてやるが、守れる程の実力じゃない。もう一度言う。諦めろ」
「ま…だっ…!」
「はぁ…一応、その頑丈さも認めてやる」
「結構…です」
飛ばされたのと地面に落ちた衝撃で少し痛みますが、まだ全然動ける範囲です。
「なぁ、なんでだ?実力もないのに、なんで守るとか言えるんだ?」
「それは…僕が守りたいのはソラさんの意志だからですよ」
「…は?」
彼が心底不思議そうに聞いてくるので、僕が思っていることを言うと、彼は虚を突かれたような顔をしました。
やはり、彼の思う守ると僕の思う守るは違いますよね…
「貴方にはわかりませんよ。貴方の考えと僕の考えは全くの別物ですから」
「あ?んだと?」
「はは。意味は教えませんよ。そんな義理はないので」
不愉快だという感情を隠しもしない彼の態度を見て、少しだけ優越感を覚えました。なので意地悪をしてみます。まぁ彼には充分な対応でしょう。それほどに僕は彼を許せないので。
「ちっ…まぁどうでもいい。どの道お前を諦めさせればいいんだからな」
「無理ですよ。それこそ諦めてください。僕も…ソラさんのことも」
「うるせぇ…『四閃・八華』」
「ぐっ…!」
先ほどと同じ攻撃が飛んできました。今度は距離が開いているためか、さっきみたいに飛ばされることはないものの、それでも充分すぎる威力でした。
「しぃっ…!」
「やぁっ!!」
僕が攻撃を受けると同時に距離を詰めてきた彼を、僕は攻めの姿勢で迎え撃ちます。流石に防御に徹しているだけでは先ほどの二の舞になるのは目に見えています。
「はっ…!」
「はぁっ!!」
お互いが剣をお互いの距離の中心で交錯します。僕もそれなりに力を出しているはずなのに、技術で補っているのか押し切れませんでした。
「ちっ…いっ…」
「させませんよっ!!」
「ぐっ…」
何か技を出そうとした気配を感じ取り、剣を押し込んで体勢を崩しました。おかげで中断させられた上に、少しだけ立場が優位になりました。
「ふっ…!」
「っと…!?」
ですがそれも長くは続かず、彼は僕の剣を滑らせるように流し、僕の体勢が崩れたところで後ろに跳び下がりました。
「くそっ…」
畳み掛けて攻めてくると思いましたが、彼は下がった後に苛立たし気な仕草を見せただけでした。
「ホント…なんなんだよ…」
「……?」
「なんでそこまでこだわんだ?なんの意味があるんだよ?」
「意味ですか…逆にそんなことも分かんないんですか」
「あ?」
不思議そうにする彼に対して、僕は少しだけ可哀想に思えてしまいました。僕のこだわる理由がわからないと言うことは、なんで彼がこんなにも僕に諦めさせたいか、自分でもわからないと言うことでしょう。
なら…この際はっきりさせた方が良いかもしれませんね…
僕は彼の気持ちを確かめるため、そして自分の気持ちを整理するために、一度深呼吸をして彼を見据えました。
「そんなの、僕がソラさんを好きだからに決まってるじゃないですか」
「……は?」
「貴方はどうなんですか?」
「………」
それでもなお不思議そうにする彼を見て、僕は可哀想を通り越して腹が立ってきました。
「さぁ…答えろよ。クラウセッド」
第95話を読んで頂き、ありがとうございます!
クラウセッド君は評価に下限がないくらい下げにいきますね。
止めときなよ、どれだけ嫌われたいんだって感じですね!
それはさておき。
ついにシン君が言ってしまいました!
はっきり言うのはかっこいいけど、本人に言わないあたりがあー…って感じですかねー
そしてクラウセッド君の答えはいかに!
それでは今回はここまで!
ブクマして頂いてる皆さん!
そうでなくとも読んで頂いてる皆さん!
いつもありがとうございます!
次回も引き続きお付き合い頂けたら幸いです!




