第94話
こんにちは!
明日葉晴です!
今回はシン君メインです!
今回から私が第五章でやりたかったことパート2に入ります!
試験前なのに、なんでシン君が一人で行動してたか。
そういう回ですね!
では、本編をどうぞ!
前回のあらすじ
エリステラの運動に付き合うソラ。訓練と言うには一方的に疲れることとなった。しかし、エリステラは満足した様子でソラに提案により、他の学科の試験を受けることになったのだった。
=side/シン
試験の前日。僕はここ最近の日課になっていた、学園の門の前で出入りする人の観察を行っていました。本当の目的とは違いますが、やってみると面白いもので、観察自体も楽しんでいました。
やって初めて気付きましたが…想像以上に学園は人の出入りが多いですね…
生徒はもちろん、何か物資を運ぶ方や、武器を持った傭兵らしき方、ごく稀に少し身なりのいい方など、様々な人が出入りしているのがわかりました。
ですが…それにしては警備の方がいない…?
講師の方は傭兵だったり元騎士だったりと実力がある方なので、確かに問題が起きても多少は対抗出来るでしょう。ですがそれ以前に、常に警戒する役目は必要のはずです。
なのに…門の前にすら警備がなく、開けっ放しとは…?
特に監視されている感覚もなく、人の出入りは自由。国の施設とは言え、邪な考えをする方はいるでしょう。万が一そういう方がいても気付けないのではないでしょうか。
人手が足りないのでしょうか…雇う資金がないということは無さそうですが…分かりませんか…
そこまで考えて情報が足りないと言うことに気付き、考えることを止めました。それからしばらくはまた行き気する人を眺めます。
にしても…目的の彼は帰って来ないですね…
本来の目的を果たせないまま時間は過ぎていきました。先に寮に戻ってないことを確認しているので、管理人の方にもし帰ってきたら門の前に来るようには伝えてありますが、言う通りにするとも思えないので、結局は部屋を訪ねることになるかもしれません。
まぁ…まだ本当に帰って来てないかもしれませんが…
それでも彼なら無視してもおかしくはないとも思います。彼の態度を見ていた限り、僕とは話をしたくもなさそうですし、何より関わりたくもなさそうでした。
僕も本当は関わりたくないですが…ソラさんのことに関しては、一言以上言わないと気が済みませんね…
そうして、門の前で待ち続けることしばらく。夜の鐘もなり、辺りが暗くなった頃、聞き覚えのある声が聞こえてきました。
「クラウー…何もこんな時間じゃなくてもよかったんじゃね?明日は試験だぞ?」
「なら先に帰ってればよかっただろ」
「それはつまんねーじゃん。もう同期はクラウしかいねぇし」
どうやらようやく帰ってきたようです。エドさんも言っている通り試験の前日に帰ってくるとは、よっぽどソラさんに会いたくなかったのでしょうか。
なんて…そう思うのは偏見ですかね…さて。
「お待ちしてましたよ」
僕は思考を切り替えて、目的の人物とエドさんに声を掛けました。
「およ?シンじゃん!久しぶり!」
「ちっ…」
「お久しぶりです、エドさん。それに…クラウセッドさんも」
エドさんは変わらず好意的で、笑顔で手を振りながら挨拶してきました。対照的に彼は舌打ちのみですが。
「こんなとこで何してんの?それに待ってたって」
「はい。少々クラウセッドさんとお話がしたくて」
「それだけ?ここでこんな時間まで待ってたってことは結構重要?」
「ええ。僕としては」
彼の態度を見る限り僕とは話したくないでしょうが、僕にとっては何より重要です。このためにここ数日門の前で待っていたのですから。
「俺には話すことはない」
「いやいや、クラウに無くてもシンにはあるんだろ?聞いてやれよー」
「興味ない」
「そんなこと言うなって!話聞かないなら、もうオレも話さないかんな?」
「………」
前に会った時と同じように手ごたえのない態度の彼に対して、エドさんが説得を図ってくれました。流石に彼にも友情や良心みたいなものがあるのか、エドさんが話さないと言うと口を固く結びました。
「そうそう。オレは席を外して聞かないようにするから。ちゃんと話せよ?」
「待てっ…!」
「じゃっ!後でシンに話せたか確認するからな!嘘つくなよ!」
気を利かせてくれたのか、彼の制止を聞かないふりをしてエドさんは立ち去っていきました。本当にエドさんは良い人に思います。
「それでは、少し時間いいですか?」
「………」
「いいですか?」
「…俺に利益はないと思うが?」
僕が二度確認すると、彼は少し間をおいてから突き放してきました。ですが、エドさんの言葉が効いているのか、先ほどまでの覇気はないように思えます。そのことが少しだけ胸の内が晴れました。
「ですが聞かなければ損はありますよね?」
「脅しているつもりか?エドのことを言っているなら、俺は今後一人で行動するだけだ。エドに義理立てる必要もないしな」
「ははっ。そうですか」
なるほど…エドさんすら切り捨てられると…
先ほどの動揺は勘違いだったのか、それとも見切りを付けたのか。どちらにせよ彼は最初の調子で返してきました。その様子を見て、思わず乾いた笑いが出てしまいました。
そこまで徹底して関わろうとしない姿勢については、感心しますが…
「では僕としてはいいです。ですがその代わり、ソラさんにも二度と関わらせません」
「……」
「ソラさんは僕が守ります。そして、ソラさんの目標の邪魔になるものは僕が排除します」
「…!」
少し見栄を張りましたが…おかげで気配が変わりましたね…
「ソラさんが強くなりたいと言うなら、僕はそれを助けます。ソラさんが心から嫌だという限り、僕は何度でも立ち上がらせます」
「………ねぇよ…」
「はい…?」
「させねぇっつったんだよ」
なるほど…そういうことですか…
続けて言ったこと僕の一言にようやく強い反応を示したことで、彼がソラさんに冷たく当たった理由が大体理解出来ました。
それと…授業初日に何されたかの予想もつきますね…
一応、僕の目的は果たすことが出来ました。ですが、おかげで彼を許すことが出来なくなりそうです。ここでおとなしく帰るという選択肢は絶対にありえません。
「なら…どうします?」
敢えて彼を挑発するような言葉で問いかけます。その言葉に彼は冷めた目で、ですが確かな意志を宿した目で僕を見据えてきました。
「お前に現実を教えてやるよ。お前なんかがアイツを守ることなんかできないって現実を」
「では…場所を変えましょうか」
「ふんっ…」
そうして僕は彼の言葉を否定しないままに、彼を連れていつも使う訓練場へと足を向けるのでした。
=
いつもの訓練場で、僕は彼と改めて向き合いました。場所以外はいつもと言うには全く違う状況で、いっそ喜劇的に思えますが、現状は笑える空気では全くないですね。
「さて…まず確認しておきたいことがあるのですが」
それでもあえて笑顔を作りながら、彼に話し掛けました。
「意味ない。さっさとやるぞ」
ですがすげなくあしらわれてしまいました。まぁ予想通りではありますが。
「僕にはあるので勝手に言いますが、貴方はソラさんをどうしたいんですか?」
「………」
相手が勝手なら僕もと言うことで、彼の言葉を無視して僕は質問を投げ掛けました。
「お前に関係ないな」
「そうですか」
面白味のない彼の答えに、僕はそれだけ言って静かに構えました。それを見た彼は、呆れた様子で左手を腰に当て、右手の甲を向けてきました。
「来いよ」
「………」
安い挑発でしたが、開始の合図には丁度良かったので僕は言葉に甘え、踏み出しました。
…あぁ…やっぱり僕は彼が気に入らない…
第94話を読んで頂き、ありがとうございます!
シン君マジイケメンですね!
そしてただでさえ嫌われてたクラウセッド君がさらに嫌われそうです!
ただ私は言いたいです。
今回一番カッコ良かったのはエド君だと…!
元々はクラウセッド君一人は可哀想かろうと思って出てきた子ですが、今は愛着がめっちゃあります。
いつかエド君の話もしたいですね。
それでは今回はここまで!
ブクマして頂いてる皆さん!
そうでなくとも読んで頂いてる皆さん!
毎回ありがとうございます!
次回も引き続きお付き合い頂けましたら幸いです!




