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極大魔力の初級魔法  作者: 明日葉 晴
第5章 過去との決別。今との対決。未来への餞別
93/263

第93話

こんにちは!

明日葉晴です!


前回に引き続きお話パートです。

副学園長との戦闘はまたいつか…?

別にまとめにかかって急に進めてるわけじゃないです。

それでは本編をどうぞ!

 前回のあらすじ

 久しぶりに一人で行動するソラ。試験の勉強をする気にもなれず、学園を散策していると副学園長のエリステラと鉢合わせる。試験について聞いてきたエリステラに対しソラは言葉を濁すと、エリステラはソラに提案をするのだった。


 =


 副学園長との訓練は、アタシが動けなくなるまで続いた。


「も…もう無理です…」

「ふふ。そのようだね」


 アタシは床に倒れながら根を上げた。かなりの時間戦ってたけど、アタシは副学園長に一回もまともに攻撃を入れられなかった。一度だけかすらせることが出来たのはとても嬉しかったけどそこからが地獄で、凄く笑顔になった副学園長の動きが尋常じゃなかった。


「いやいや、いい運動になったよ。流石バウゼル殿の教え子だね」

「それはよかったです…」

「あぁ。途中から本気になってしまったくらいにはいい運動だった」


 副学園長の言葉を信じるならあれが本気か。構え直すことすら許されないくらいにはどうしようもなかった。サンドバック状態ってああいうのを言うのかもしれない。


「……だが気になるのだが、やはり君は本気だったのかい?」


 しかし副学園長は何を思ったのか、少し考えてからアタシに質問してきた。


「何が言いたいんですか…?」

「いやね。バウゼル殿が使っていた技は大体見させてもらったが…二つ出さなかったね?」


 あぁ…知ってるんだ…


 おそらく副学園長の言ってる技は、先生が奥義と言ってた複合技のことだろう。一つ一つの技の精度が低いアタシは、まだ二つとも使えるものになっていない。


「多分…言ってる二つはアタシにはまだ使えないんです。一つは未完成で、一つはまだ使うことすらできません…」

「ほう…そうかい…なら、未完成の方を見させてもらうことは構わないだろうか?」


 んー…ホントにまだ全然なんだけど…


「ホントに未完成なんですけど…それでもよければ…」

「構わないよ。バウゼル殿の残したものが見たいんだ」


 副学園長は少し穏やかな顔になってそう言った。印象が凛々しい感じだったから、穏やかな雰囲気を出すと母性すら感じる気がする。


「わかりました…」


 アタシはのっそりと起き上がって、剣を持ったまま両手を自然に下した。副学園長にはただの棒立ちにしか見えないだろう。けどどう見られてるかは気にせずに、アタシはただただ集中した。


 =


「驚いたね…」

「期待に沿えたなら何よりです」


 技を出した後、副学園長はアタシを振り返らずに言ってきた。アタシには後ろ姿しか見えないから表情が見えない。


「どこが未完成なのかわからないくらいだが…?」

「そもそも技を出すのに時間がかかりすぎなんです。あと棒立ちからじゃないと出来ないんで。どちらにせよ普通に実践じゃ使えないです。間合いとか細かいとこ上げればいくらでもありますけど」

「そうかい。しかし嘗めていたわけではないが…君のでも躱せないとはね…」

「あれだけお膳立てされて、簡単に躱されたら先生に顔向けできませんよ…」


 アタシは反動で軽く痺れていた手を握ったり開いたりして、感触を確かめながら副学園長の質問に答えた。動けないほどじゃないけど、こういうとこも解消しなきゃいけない。


「ふふ。まぁ試験から少し成長していたみたいで嬉しいね。一応、この学園の講師として嬉しいものがあるね」

「一応って…」


 確かに試験の時に王国なんちゃらって言ってたから多分そっちが本業なんだろうけど、生徒の前で堂々と言うのはどうなんだろう…


「さて、じゃあ最初に言った提案の話に移ろうか」

「あ…そう言えばそんな話でしたね」


 副学園長との運動ですっかり忘れていたけど、本題はそっちだった。なにやら副学園長になんか考えがあるみたいだったけど、なんだろう。


「君は明日、魔法科の試験に出なくてもいいよ」

「……は?」


 一瞬、言われた意味が分からなかった。そして、少し考えたけどやっぱり意味が分からない。


「あの…退学しろと?」

「違うよ。言っただろ?魔法科の試験は。と」

「いやいやいや。試験に出なきゃ退学では?」

「あぁ。だから別の学科の試験に出ればいいんだよ」

「………え。えぇっ!?」


 そうして副学園長から言われた提案は、確かに普通はやろうとはしないようなものだった。だけどアタシはその提案に乗ることにして、副学園長にお願いしたのだった。


 =


 アタシは寮の部屋に戻ってシャワーを浴びてくつろいでいた。ベットに大の字になりながら副学園長の提案について考えていた。


 うー…ん…副学園長は良いって言ってたから大丈夫だろうけど…ホントに学科の意味あるんだろうか…


 学園のルール的には問題ない。てかそれの穴を突いたと言うか、言い訳にしたような提案だった。


「あ、ソラ。戻ってたんでありんすね」

「おかえり、ハクア」


 そんなことを考えていると、疲れた顔したハクアが戻ってきた。確かトレイズ達の訓練に付き合ってたはずだけど、ハクアは回復係としていたはずだから参加してたわけじゃないだろうになんで疲れてるんだろう。


「なんでそんなに疲れてるの?」

「うぅ…魔力があんまり残ってないんでありんす…」

「いや…どんだけ魔法使ったのよ…」


 ハクアは結構魔力があるはずなのに、それが無くなるとはどんだけ激しい訓練したんだろう。


「シャニーはほぼ怪我しなかったでありんす…けど…トレイズとゼクスが…はぁ…」


 ハクアが呆れるほどに無茶な訓練をしたらしい。後でトレイズに会ったら文句言っておこう。


「それにしても、ソラは勉強しなくていいんでありんすか?」

「そのことなんだけど…アタシ明日の魔法科の試験受けないことになった」

「……え?」


 まぁそう言う反応になるよね…


「詳しく説明すると長くなるんだけど…」


 そうしてアタシはハクアに副学園長とのことを説明した。アタシが説明している時、ハクアは終始微妙そうな顔をしていた。


「それは…学園としていいんでありんすか…?」

「アタシもそう思ったけど、副学園長は任せておいてくれって。ついでに契約書的なのも書いたし」

「本格的でありんすね…」


 アタシはハクアの疑問に答えながら、書いた紙を見せた。その紙には、転科願書、と書かれていた。


「まぁ…だからアタシが明日教室にいなくても心配しないでね。あと、他の人になんか聞かれたら適当に言っといて。説明めんどくさいだろうし」

「わかったでありんす。どこでやるんでありんす?」

「アタシ達がいつも使ってるとこだって」

「じゃあ、試験すぐに終わらせて応援行くでありんす」

「うん、ありがと。でも無理して低い点数出さないようにね?」

「き…気を付けるでありんす」


 心配だなぁ…


 そんなハクアの様子に少し苦笑しつつ、アタシ達は明日の試験に向けてゆっくりと休むのだった。

第93話を読んで頂き、ありがとうございます!


終わりに向けての第一段階は終わりですね。

で、次回はシン君にパスして、いつぞや話したチェックポイントに移りたいと思います!

てな訳で次回からシン君になりますね。

前回しれっと話したシン君の用事のお話です。

それでは今回はここまで!


ブクマして頂いてる皆さん!

そうでなくとも読んで頂いてる皆さん!

いつもありがとうございます!

引き続きお付き合い頂けたら幸いです!

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