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極大魔力の初級魔法  作者: 明日葉 晴
第5章 過去との決別。今との対決。未来への餞別
92/263

第92話

こんにちは!

明日葉晴です!


今回から第五章の終わりに向けていきます!

五章の見どころを詰めつつ、急ぎ過ぎないように頑張りたいと思います!

てなわけで、本編をどうぞ!

 前回のあらすじ

 模擬戦後に交流を深めるソラ達。シンの班の件についての意見をもらうこととなった。そこで判明されたことは、一筋縄ではいかなさそうな相手と言うことなのであった。


 =


 時間はあっという間で、明日は試験の日と言うとこまで来た。この二週間ほど、アタシは初日に模擬戦をした子達に謝ったり、試験の勉強したり、皆で模擬戦やったりと忙しかった。


 それにしても…ひっさしぶりに一人だなぁ…


 トレイズとシャニーがゼクスと試験前の調整。ハクアがそれになんかあった時の為の回復係として呼ばれた。シンはなんか知らないけど用があると言ってどっか行った。数日間はそんな感じでシンはどっか行ってる。そういう訳でアタシは久しぶりに一人で行動していた。ここ最近はずっと誰かと一緒にいたから、なんか不思議な感覚だ。


 何しよっかなぁ…


 本当なら勉強しなきゃなんだけど、どうにも落ち着かなくて当てもなく学園内をさまよった。無駄に広いこの学園は、まだまだ回り切っていないところがたくさんある。ただ回ってるだけでも飽きが来ない。


 あれ…あの人は…


 学園を物珍しく思いながら散策していると、目の前から久しぶりに見かけた人が歩いてきた。相変わらずバインダーから目を離そうとしない。


「副学園長、こんにちは」

「ん…?あぁ、君かい。久しいね。学園にはもう慣れたかい?」

「はい。友達もたくさんできましたし。すっかり」

「それは良いことだね。友人は時に助けとなる。大切にすると良い」

「はい!」


 腕を組んで微笑む姿でさえも絵になる人だ。これで男の人だったら相当かっこよかっただろう。


「ところで明日は試験だと認識していたのだけど、そっちは良いのかい?」

「うっ…座学はどうも苦手で…」

「そうなのかい?それは意外だね」

「ははは…授業自体は面白いんですけど、試験だけはどうも苦手で…」

「なるほど。そう身構えなくてもいいさ。どうせ一年後の試験以外はそれほど重要ではないのだからね」

「そ…そうですか…でも、できれば実技とかの方が良かったです」


 仮にも副学園長がそんなことを言ってもいいのだろうか…


「ふむ…そこまで苦手か……ならそうだね…それなら少し面白い考えがあるよ」


 アタシが少し呆れているとそれを悩んでいると勘違いしたのか、副学園長はちょっとだけ考えた様子を見せた後に、悪戯っぽく笑って言ってきた。


「面白い考え…ですか?」

「あぁ。普通ならやらないし、出来る者も少ないだろうけどね」

「は…はぁ…?」


 まるでアタシが普通じゃないからやりそうだし、出来るとでも言いたげな感じだ。実際そうなのかもしれないと最近自分でも思い始めてきたけど。


「知りたいのであれば教えるのもやぶさかではないけれど、どうするんだい?」

「まぁ…そこまで言われると気になるので知りたいですけど…」

「ふふ…ならばその前に少し付き合ってはくれないかな?最近身体を動かしていなかったから、少々鈍ってしまいそうでね」

「え…はい、アタシでよければ」

「ふっ…なら行こうか」


 そうして、アタシは副学園長の後ろについて歩き出した。途中、他の生徒と何人かすれ違って何事かと興味深そうに見られたのが少し恥ずかしかったのは余談だ。


 =


「ここでいいかな」


 副学園長に連れてこられたのは訓練場らしきところ。普段使ってるところよりも少しだけ狭くて、観客席みたいなところもない。


「ここは職員用なんだ。だから普段は使わないようにね」

「そうですか。わかりました」

「うん。物分かりが良いのは美点だ。さて、じゃあ早速手合わせ願おうか。本気で来てくれ。話はその後だよ」

「え!?本気…ですか…?」

「あぁ。でなければ運動にならないだろう?」

「あ…はい」


 当たり前のようにハードな要求をしてきた。アタシとしては強い人と戦えるのは成長につながるから嬉しいけど、正直この人と本気で戦うとかなり疲れる。けど手を抜いてまともに勝負できるとは思えない。仕方なくアタシは構えた。


「ふむ。本当に物分かりが良いね。さて、掛かってくるといい」

「では…はぁっ!!」


 先手必勝。少しの声掛けと同時にアタシは踏み込み斬りかかる。もちろん剣は鞘に入ったままだけど。


「ふむ…」

「…!?」


 アタシの不意打ちに近い水平斬りを事もなさげに止められた。振り切ろうと思ってもピクリとも動かなった。


「はて…手加減でもしているのかい?」

「そんなわけないじゃないですか」

「となると…あぁ…そうか」

「…っ!?」


 副学園長が不思議そうに質問してくると、アタシはそれに素直に答えた。本気じゃないなんて馬鹿にしていると思ったけど、副学園長がなんか呟いたと思ったら、アタシは全身に緊張感が走ってその場から瞬時に飛び退いた。そしてそのまま副学園長を油断なく見つめる。


「そう言うことか」

「どう言うことですか?」

「本気じゃなかったのは私の方だったと言うことだよ。悪かったね」

「いえ。アタシごときに本気になれないのもしょうがないですよ」

「だが君はそれを感じ取って無意識に力を抑えたのだろう。が、それは良くない癖だ。直した方がいい」

「…頭に入れておきます」


 アタシは副学園長の話を聞きつつ、注意深く観察していた。確かにさっきまでとは違う空気で、アタシはかなり緊張している。身体が強張るとか悪い意味じゃなくて、集中力が高まる感じの良い意味でだ。


「今はそれでいいさ。さぁ改めて来てくれ」

「ふぅ…っ!」


 再び踏み込み斬りかかる。隙が見つからない中で見つけた、僅かに甘い部分に向けて一直線に剣を振る。


「ふふっ…」

「はっ!やっ!」

「やはりさっきより太刀筋が鋭い。読みは当たっていたみたいだね」


 アタシを攻撃を連続で入れるものの、ひらひらと躱され続けられる。さらにその間に自画自賛するし、完全に嘗められてるような態度だけど、雰囲気はさっきから張り詰められたままだ。器用なことで。


 なら…『散空(さんくう)』!


 アタシは前方に素早い連撃を繰り出した。一撃一撃は短だけど斬撃が飛ぶ。射程がかなり短い『断空(だんくう)』をたくさん繰り出すみたいな感じのこの技は、先生がやると一太刀で網目状の斬撃を飛ばしてる風だった。アタシはまだそんなじゃないから、ただの連撃みたいな感じで使う。


「“マテリアクランス”」

「くっ…」


 副学園長は瞬時に魔法でバインダーを硬化させて、アタシの連撃に応戦してきた。この人の武器は本当にバインダーなんだろうか。まともな武器を使ってるところを見たことがない。まぁ戦うの自体二回目ではあるんだけど。


「っと…なんでそんなので戦うんですか?試験でもそうでしたけど」

「ん?常に準備万端で戦えるとは限らないからね。ならばいっそと、特定の武器は持たないようにしているんだよ」

「なるほど…?」


 納得できるような出来ないような…


 一度距離を取って構え直すついでに疑問に思ったことを聞くと、案外普通に答えてきた。名案だろうという雰囲気で言ってきたけど、なんであれ使いこなすという自信がないと出来ない芸当だ。


「さて、終わりかい?」

「ご冗談を」

「ふふふ。ならきたまえ」

「では遠慮なく…行きますっ!」


 そうして、アタシはへとへとになるまで副学園長の運動に付き合うのだった。

第92話を読んで頂きありがとうございます!


今回で予想着いたと思いますが、第五章は試験までです!

また試験かよって話ですが、その辺はぬるっとスルーして頂ければと思います…

時間すっ飛ばしたのはまた長くなりそうな予感がしたのでご愛敬と言うことに。

それでは今回はここまで!


ブクマして頂いてる皆さん!

そうでなくとも読んで頂いてる皆さん!

いつも読んで頂きありがとうございます!

次回も引き続きお付き合い頂けたら幸いです!

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