第86話
こんにちは!
明日葉晴です!
ソラちゃん達対シン君の回です!
多人数の動きをしっかりとやるのはなんだかんだ初ですね。
仕事しない人が出ないようにするのが難しそうです!
それでは本編をどうぞ!
前回のあらすじ
授業後に寮に集合するソラ達。そこには他の人と魔法の扱いに差があることで悩むソラの姿があった。そこからソラが普通かどうかに発展し、結論はひとまず置かれた。そして五人は訓練場にて訓練を行うのだった。
=
合図と共に一斉に動き出したアタシ達。班の方はアタシを中心に三方に散った。シンは正面からトレイズに向かっていた。
「トレイズ!」
「おう!」
「ハクア!」
「はいでありんす!"パワード"!」
「しゃぁらぁ!」
アタシはトレイズとハクアに声を掛けて役を促す。ハクアに支援されたトレイズが雄叫びと共に大槌を上段から振るった。
「はっ!」
「らぁっ!」
シンも短い気迫と共に片方の大剣でトレイズの大槌を迎え撃つ。ここで小細工しない辺り、ちゃんと訓練ってのを意識してると一瞬思った。
「うし…これなら競れる…!」
「流石に支援があると押しきれませんかっ…!」
「それが役目だかん…なっ!」
「うっ…」
支援があって、さらに上から押さえ付けてるトレイズに分があるみたいだ。トレイズが更に力を加えると、片手では受けきれなかったのか、シンが少し体制を崩した。
「“アース”!シャニー!」
「はいです!」
アタシはすかさず土を盛り上げて、シャニーの方だけ空くように壁を作った。シャニーは空いたところを目掛けて矢を放つ。
「くっ…せあぁっ!」
「ぐあっ!?」
だけどシンも判断が早かった。大剣を一本地面に刺して盾にした。そこから大槌を受けてた大剣を両手持ちにして、トレイズを全身を使って弾いた。
「今っ…!」
「アタシを忘れないでよっ!」
トレイズを弾いた後、踏み込もうとしたシンに、アタシはトレイズと入れ替わる様に仕掛けた。アタシはシンを正面から連続で剣戟を入れて、その場に留まらせる。
「“パワード”!“クイック”!」
ハクアからの支援も掛かって、アタシは攻撃の手が強まった。二方は土壁、一方は自分で刺した大剣で塞がれてるシンに逃げ場はない。
「ソラ!」
「んっ!」
そして後ろから声を掛けられたアタシは、高くジャンプして瞬時に離脱した。
「取ったらぁ!」
再びアタシと入れ替わりで、大槌を振りかぶったトレイズがシンに突撃を仕掛ける。
「ふうぅっ!!」
避けるのが間に合わないと思ったのか、シンは持ってた大剣も地面に刺して気合いを貯めた。
「しゃぁらぁあぁ!」
「バカっ!止まって!」
アタシの制止も虚しく、完全に防御態勢のシンにトレイズはお構い無しに大槌を振った。そして、大剣と大槌が激しくぶつかり合い、凄まじい金属音に空気が震えた。
「ぐっ…!」
「っってぇえっ!!」
結果、地面に大剣を固定してたシンは軽く呻いたものの微動だにしないで、トレイズは大きく弾かれてしまった。シンがその隙を見逃すはずなく、地面を抉りながら刺してた大剣でトレイズに追い打ちを掛ける。
「待つですっ!」
「くっ…!」
だけどナイスタイミングでシャニーがシンに矢を放った。お陰でシンは動きを無理に止めて、態勢が少し揺らいだ。
『絶空』!
アタシはそこに打ち込み、シンを無理矢理三方囲まれたところに押し戻した。
「ハクア柱!」
「“アイスウォール”!」
アタシは技の余韻で跳んでる最中に、ハクアに短く指示した。アタシの意図が伝わったかは不明だけど、アタシの思惑通りにシンの足下から氷の柱が伸びた。そして、アタシの目線までシンが上がってきた。
「はぁっ…!」
アタシが空中で構えてるのを見て、シンは氷に大剣を突き刺し、また防御の姿勢をとった。
けど残念…アタシの狙いはそうじゃないっ…!『断空』っ!
「なっ!?」
アタシはシンを狙うんじゃなく、氷を狙って斬撃を飛ばした。それを見てシンが驚くと共に、氷の柱は崩れ去る。予想してなかっただろうシンは、態勢を整えられずに空中に放り出された。
「トレイズ!名誉挽回!」
「おっしゃっ!」
そして、シンの落下する先にトレイズが大槌を構えて待っていた。
「くうぅ…!!」
「おぅらぁあぁっ!」
シンは空中でも大剣を盾にした。まぁ空中だから出来ることはそれしかないんだろう。トレイズはそんなシンに対して、再びお構い無しに大槌を振った。
「って!バカっ!“ガード”!ハクア!アタシにも!」
「がっ…!“ガード”!」
トレイズが振るのを見て嫌な予感がしたアタシは、すぐシンに支援魔法を掛ける。重複で効果があるかわからないけど、ハクアにも促した。そして嫌な予感は的中して、二度目の金属質な轟音が鳴り響いた。
あぁもうっ!
自由落下していたシンはトレイズの攻撃になす術なく飛ばされた。丁度着地をしたアタシは、シンの落下地点に滑り込んで受け止めた。
あっぶなぁ…魔法掛かってなかったら絶対無理だった…
支援魔法が切れてなかったからなんとか受け止められたけど、なかったらアタシの腕力じゃ落下する人は受け止められない。魔法様々だ。
あ、てか風とかで受け止めれば良かったのか…
焦り過ぎて頭が回らなかったらしい。まぁどのみち止められたから結果オーライだ。
「うっ…く…すみません、助かりました」
「怪我はある?」
打たれた衝撃と落下の衝撃のせいか、シンは少しうめき声をあげてからお礼を言ってきた。
「大丈夫です。ソラさんは?」
「アタシは魔法あったから大丈夫」
「それは僕も同じですが」
「いや、流石に落下は無理でしょ」
「ははは」
ははは、じゃないよ…全く…
「軽いなぁ…っと。取り敢えずどいてくれない?」
「すいません。居心地良くて忘れてました」
「この体勢でそんなこと言うなら、ホントにお姫様認定するからね?」
現状、お姫様抱っこみたいな体勢になってしまっている。いつまでも居座らないで欲しい。
「それは困りますね。立場が逆ならいつまででもいいのですが」
「いや普通に恥ずかしいからその時はすぐ降ろしてよ」
軽口を言いながらシンは立ち上がって、その後でアタシはそれを流しながら立ち上がった。
「おーい!大丈夫か!?」
「あ、元凶が来た」
「来ましたねぇ」
アタシ達が立ち上がると、丁度三人が走ってきた。
「怪我はないでありんすか?」
「大丈夫です!?」
「うん。どっちも平気。二人ともありがと」
「あれ?俺は?」
「いや、トレイズのせいでしょ」
心配そうにするハクアとシャニーにだけお礼を言うと、トレイズが不満そうにしたから釘を刺した。
「いやぁ…悪いとは思ってる」
「仲間内だからまだ良かったけど、授業の模擬戦は気を付けてよ?」
「おう、わかった。本当に悪かった」
「反省してるなら構いません。ソラさんもその辺で」
「ん。シンがいいならいいよ」
「ありがとうございます」
そこでお礼を言っちゃうのが、シンの良いとこでもあって、悪いとこでもあるんだよなぁ…
「まぁともかく、基本的な動きはこれでだいたいいいかもね。シンは何か言うことある?」
アタシは切り替えて、今回の課題をシンに聞いてみた。
「そうですね…正面から受けて立った感じではそこまで問題はなさそうでしたね」
「ん、シンが真っ向から来たから基本通りに動けた感じはあるね」
「動きを確かめる為でしたからね。強いて言えば、ソラさんが思いの外動かなかったのが意外でしたね」
む…アタシにダメ出し?か…
「でも…わっちはソラが全力だと出来ることがないでありんす。それこそ、今後攻撃も混ぜるなら援護出来る自信ないでありんす…」
「ですです。わたしはソラの全力は一回しか見てないです。それだけでも付いていくのが不安です。誤射しちゃいそうです」
うん。それはホントに気を付けて欲しい…
「んー…俺はソラに援護される側だからなぁ…どっちかと言えば、もっと前に出て攻撃挟んでくれてもいいかもなぁ」
難しいなぁ…バランスが大事なのは分かるけど…
「そうですね…一番はソラさんの立ち回りかもしれないですね」
「え。アタシお荷物?」
だとしたらそれは悲しい。
「そうではなく。良くも悪くもソラさんは一人で戦うことの方が多かったので、今は切り替えが上手くいってないのでしょうね」
「あー…それはあるかも…」
「それは僕にも言えることですが」
「シンはその辺上手くやりそうでいいよね」
「どうでしょうね」
否定しないあたり、少しは自信があるのかもしれない。まぁシンなら本当にそつなくこなしそうだ。器用だし。
アタシもお父さんみたいに指示と戦いが同時に出来ればいいんだけどなぁ…
「大丈夫でありんす。初めてなのに上手くいったでありんす」
「ですです!わたし達ももっとソラに合わせられるようにするです!」
「だな。ソラの課題って言うより、俺ら全員の課題だな」
「うん。皆ありがと。それじゃあ今度はシンを加えて試したいんだけど…」
皆が気を遣ってくれた言葉を掛けてくれて気持ち楽になったアタシは、切り替えてシンを加えた訓練をどうするか提案しようとした時、訓練場の扉が突如開かれたのだった。
第86話を読んで頂き、ありがとうございます!
戦闘は少し短かったですが何とか皆動いてる感じになったと思います!
まぁシン君が一方的にやられた感じになったのがあれですが…
とりあえずこんな感じでいろんな戦い方出来て行けばいいなって思います!
それでは今回はここまで!
ブクマして頂いてる皆さん!
そうでない皆さん!
いつも読んで頂きありがとうございます!
次回も引き続きお付き合い頂けたら幸いです!




