第74話
こんにちは!
明日葉晴です!
今回はスクランブル!
ソラちゃん、シン君、ハクアちゃんの三人の視点でお送りします!
久しぶりのソラちゃんです。
どんなことになっているでしょうね。
それでは本編をどうぞ!
前回のあらすじ
絡んできた学生を軽くあしらったシン。急いで昼食に向かうが道中でクラウセッドどエドモンドに出会う。ソラの様子について知っている雰囲気を出すクラウセッドに食い下がったものの、時間切れによりやむなく引き下がった。そして班編成では望まぬ班へ入ることとなったのだった。
=side/ソラ
模擬戦を行う。その言葉を聞いたアタシは、少しだけ心が躍った。今、アタシは強くならなきゃいけない。もっと、もっと。
そして…次は絶対…アイツに…
もっといろんな人と戦って、もっと強くなって、それから。
それから…?
不意にそんな言葉が思い浮かんで、その先が思いつかない。そのことが微かな胸の痛みを覚えたけど、アタシはそれを振り払うように剣の束を握って、模擬戦の開始を待った。
=side/ハクア
模擬戦を行うと聞いたわっちは、不安になりんした。いきなり、と言うのもそうでありんすが、それ以上に様子のおかしいソラのことが気掛かりだったからでありんす。心配になってソラの方を見ると、笑っていたでありんす。いつもの楽しそうな笑顔ではなくて、苦しそうに、でありんしたが。
なんでそんなに辛そうなんでありんすか…?
そう思ってもなんて声を掛ければいいかわからず、わっちは口をつぐんでしまったでありんす。
「では最初は…」
そうして、講師の方が最初の対戦を指示したでありんす。わっち達を含め、他の生徒は観客席に移って観戦の体勢に入ったでありんす。トレイズはシャニーに気を遣ってなのか、ずっと喋っていてたでありんすが、わっちはどうにもソラの様子が気になって、対戦にも会話にも集中できなかったでありんす。
「では次…君らと君らだ」
ほどなくして最初の対戦が終わり、次にわっち達が指名されたでありんす。対戦相手は幸いにもシンの班ではなかったでありんすが、不安はありんした。
「行くよ」
「おう!」
「はいですっ!」
今日初めて率先して動いたソラは、一言告げるとさっさと訓練所に降りて行ったでありんす。トレイズとシャニーもすぐにそれに続いて、わっちも一拍遅れて降りたでありんす。
「整列。礼っ!」
「「「お願いします!」」」
剣士科の講師の方の号令と共に挨拶を済ましたわっち達は、一度距離を取って少しの作戦会議の時間が設けられたでありんす。
「アタシがやる。トレイズは打ち漏らしたらお願い」
「おいおい…相手がどんな奴かもわからずにそりゃないだろ?」
「それは相手も同じ。だったら先手必勝で行く」
「ですけど…もっと細かく打ち合わせたほうがいいです…?」
「意味ない。打合せ通りに行くことなんてないんだから」
ソラが作戦ともいえない策を言うと、流石にトレイズも止めたでありんす。シャニーも続いて説得にかかったでありんすが、ソラは全く聞く耳持たない様子でありんした。
「ソラ…流石にそれは…」
「そろそろいいか?」
「構いません」
「わかった」
「ソラっ…!」
「ハクアも、心配いらないから」
あまりにも投げやりなことに、わっちは勝敗以上に班の雰囲気が気になりと止めようとしたでありんすが、講師の方が確認してきたのをソラが承認して始まる勝負が開始されることになってしまったでありんす。
=side/ソラ
「始めっ!」
開始の合図と共に、アタシは事前に言ってあったように敵地に突っ込んだ。
「なんだこの子っ!ぐっ…!」
手始めに先頭にいた人を鞘に入った剣で飛ばす。
後は…前衛一人と後衛二人か…後ろからかな…
判断をすぐに終わらせて、後ろにいた二人に向かって剣を容赦なく降った。その後に、慌ててた最後の一人も一撃入れて、模擬戦終了。
あっけないな…
こんなんじゃ強くなれないと思うと同時に、アイツと戦った時より、幾分か動きが良かったような気もする。
あぁ…そっか…あの時は色々ごちゃごちゃしてたしな…
朝はアイツに会っただけで色々考えて、思って、わけわかんなくなってた。
次会ったら…落ち着いて…冷静に…それまでは強くなることだけ考えなきゃ…
ちょっと冷静になって色々吹っ切れたアタシは、静かに剣を腰に戻した。
=side/ハクア
勝負は一瞬でありんした。ソラが四度剣を降っただけで、相手は混乱したままに倒されたでありんす。即座に模擬戦を終わらせたソラは佇んでいたでありんすが、刃物の様な雰囲気を纏っていたでありんす。
ソラ…?
「すっげ…」
「わたし達、出番なかったです…」
わっちと同じ様に呆然としていたトレイズとシャニーの所に、ソラは戻ってきたでありんす。
「戻ろ」
「お、おう…」
「はいです」
一言声を掛けたソラは、乾いた様な笑顔でありんした。何も気にしていないような様子は、今日一番でソラらしくないと言ってもいいでありんす。
「ソラ…」
「ん?」
「大丈夫でありんす…?」
「大丈夫。見てたでしょ?怪我もないよ」
「そうじゃないでありんすが…」
「なら何?」
「それは…わからないでありんす…」
「ならいい。大丈夫だよ」
そう言って、また乾いた笑顔を見せて歩いて行くソラでありんした。わっちはその笑顔に言い様のない不安を覚えて、それでも言葉に出来ずにソラについて行くだけでありんした。
=side/シン
あれは一体どういうことでしょう…?
僕はソラさんの模擬戦を見ていて、そんな感想を思い浮かべました。良くも悪くも、ソラさんは相手の出方を見てから戦う人なのに、さっきのソラさんはあまりにも強引な戦い方でした。
確かに動き自体は最適でしたが…
無情、無慈悲、無感情。そんな言葉が頭を過ります。相手を尊重して、楽しそうに戦う、というのは変ですが、そんないつものソラさんではないと断言出来る戦い方でした。
これは…いよいよ彼に話を聞かないとですね…
心当たりを問い詰めることを再度心に決めました。彼は絶対何か知っているはずです。
「次は君らだ」
ですが今は授業の最中。ヤックマン講師に呼ばれ、僕は仕方なく訓練場に降りました。
「おい。お前一人で戦えよ」
訓練場に降りてすぐ、代表格の方が僕に対して唐突にそう言ってきました。この方々はほかの模擬戦など見ていないと思っていましたが、先ほどの様子を見ていたのでしょうか。
「それでは班の意味がないと思いますが?」
「いやいやぁ?これは作戦だよ、作戦。手の内を隠しておくのが良いだろ?」
あぁ…要は楽をしたいわけですか…
どうやら見ていたわけではないようです。それについては安心しました。何がと聞かれると困りますが。
「はぁ…わかりました。僕だけでやればいいんですね」
「そうそう。それでいいんだよ」
いやらしい笑みを浮かべた班の方々に、何を言っても無駄だろうと悟った僕は、諦めて下らない作戦を承諾しました。ここまでくるといっそ清々しいような気もしてきますね。
「始めっ!」
開始の合図と共に飛び出した僕は、まずは斧を持った戦士科の方らしき人に対して大剣を振るいました。
「すみませんっ!」
「なんっ…!がはっ…!」
「ちょっ!!」
謝罪と共に大剣の面の部分で戦士科の方を飛ばし、ついでに後ろにいた方にぶつけました。これで後は三人です。
「はあぁっ!!」
「たぁ!!」
「っと」
背後から襲ってきた二人の方の攻撃を、大剣を背中に回して防御しました。
「“ファイアアロー”!」
「っ…!」
防御をした僕に対して二人の方は即座に退避し、間髪入れずに魔法が飛んできました。それを僕はギリギリで回避して構え直しました。
「素晴らしい連携ですね」
「軽々と避けられて褒められてる気はしないわね」
「二人も脱落させられてるわけだしな」
武闘科なのでしょう、拳を構えた二人の方は肩をすくめながら言ってきました。
「メリッツとか言ったな!?さっきみたく援護頼んだ!」
「あっ…!はいっ!」
全く…羨ましい限りですね…僕の班の方とは大違いです…
それなりに班の方を信頼している様子です。初対面らしいのに、ちゃんと連携を取ろうとしているところが見て取れます。正しい班の在り方と言った感じですね。
「せあぁっ!!」
「はっ…!!」
「やぁっ!」
「“ファイアアロー”!」
二人同時の拳を正面から受け止めると、またしても離脱してから魔法が襲ってきました。短い打ち合わせでは同じ行動しか出せなかったのでしょう。先ほどと全く同じ動きでした。
「甘いです…よっ!!」
「うへっ!?」
「えぇっ!?」
なので僕は魔法を真正面からはじき、二人を追撃。少々熱いですが、まぁ我慢できないこともないですね。驚いているところを一撃加え、後方の方に大剣突き付けました。
「こ…降参です…」
「お疲れさまでした」
そして魔法科らしき方の降参と共に模擬戦は終了したのでした。
第74話を読んで頂きありがとうございます!
ソラちゃんの病み気ですね。
書いていて心苦しいものがあります。
いや…自分がそうしたんですけど、こう…はい…
それはさておき、シン君の班員の子の小物感が良い感じですね!
彼らにはまだ頑張ってもらうので、よろしくしてあげてください!
それでは今回はここまで!
ブクマして頂いてる皆さん!
そうでない皆さん!
いつも大変お世話になっております。
引き続きお付き合い頂ければ幸いです!




