第59話
こんにちは!
明日葉晴です!
連続投稿継続中です!
ハクアちゃんとシン君の初対面の回ですね。
どんどん人が増えていきますよ。
今回はシン君の同室の子が登場します!
それでは本編をどうぞ!
前回のあらすじ
互いの中を深めるソラとハクア。互いの地雷を踏み合いながらも、何とか会話を重ね、ソラはハクアを励ましてシンとの食事に参加することになったのだった。
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アタシはハクアと一緒に男女の棟の間にあるロビーまで行くと、すでにシンは椅子に座って茶髪の誰かと喋っていた。顔は同い年くらいだ。
「シーン!おまたせー!ごめんねー!」
「ソラさん、大丈夫ですよ。今来たところです」
アタシが後から来たことを謝ると、シンがデートの待ち合わせの模範解答みたいな返しをしてきた。このあたりの気遣いはさすがだと思う。
「お?なんだよシン。俺らは…」
「少し黙りましょうか。トレイズさん」
だけどシンの隣にいた人はそんな気遣いは出来ないみたいだった。余計なことを言う前にシンが釘を刺して黙らせた。
「えと…うん。それで、その人は?」
「あぁ…この人は…」
「俺はトレイズ!よろしくな!」
「あ、はい…ソラです」
シンの紹介を待たず、食い気味に自己紹介をしたトレイズ君。元気が有り余ってる感じだな。見た目もシンより背が高くて鍛えられてるのが服の上からでもわかる。
「トレイズさん、ソラさんが引いてますし、そちらの人も怯えてしまってますよ」
「シンお前!こぉんなかわいい女の子二人と飯に行こうとしてたのかよ!ずりぃじゃねえかあぁ…!!」
「シン…なんなのこの人…」
「僕の同室の人です。悪い人ではないんですが…」
シンがトレイズ君を落ち着かせようとしたが失敗した。トレイズ君はシンに詰め寄った後に、床に膝を付けて両手を叩きつけた。そんなやり取りを見てか、ハクアは怯えてアタシの後ろに隠れた。
「……めんど…忙しそうだからこの人はほっと…そっとしといて、ハクア、シンに自己紹介しよ」
「は…はいでありんす…」
アタシはトレイズ君を放置して、ハクアに自己紹介を促した。ハクアはおずおずといった様子でアタシの後ろから出てきた。
「わっちはハクア・ヒノエでありんす…」
「シンです。初めまして」
不安そうに挨拶をしたハクアに対して、シンは爽やかな笑顔で挨拶を返した。
「そ…その…わっちを見てなんか思うでありんすか…?」
「なにか…?綺麗な方としか思いませんが…?」
「そ…そうでありんすか…」
アタシに思った不安をシンにも思ったのか、恐る恐るシンに質問したハクア。だけどシンはなんともないように口説いた。やっぱり誰にでも恥ずかしげもなく褒めるのだろう。そんな言葉を聞いて、ハクアはほっとした様子を見せた。
「ハクア、言ったでしょ?シンは大丈夫だって」
「そうでありんすね…よかったでありんす…」
「あの…どうかしたんですか?」
アタシとハクアのやり取りを見て、シンは不思議そうにアタシに尋ねてきた。
「気にしないで。てかシン…ハクアを口説かないで?」
「いえ、口説いたつもりはないのですが…嫉妬しました?」
「違う。相部屋の子がポンポンと人を口説く悪い人に引っかかるのはよくないと思って」
「口説いてませんって。今のは感想ですよ」
そんなチャラ男の言い訳の典型みたいなことを言って…
「そういうことを軽はずみに言ってると、本当に好きな子ができた時に信じてもらえないよ?」
「そうですか。なら今度からは…」
「そうだぞシン!そんなんじゃダメだ!」
アタシがシンに注意した後、シンがなにかを言おうとしたところを、いつの間にか復活したトレイズ君が突然叫んだ。
「お前がそんなんだとお前に惚れる子ばっかりになって、俺に彼女ができないじゃないかぁ…!!」
「トレイズさん、僕はそんなつもり無いんですが」
「こんなかわいい子を二人も侍らせてなにいってんだ!」
「ですからそんなつもりないんですって。さっきの聞いてました?一人は初対面なんですが」
「超聞いてた。だが問題はそこじゃあない。俺がいなければ、結果としてお前は二人と一緒に飯に行ってたってことだろ!?侍らせてるじゃねぇか!!」
何ていう暴論。だけど勢いがあるせいか、なぜか正しいような気がしてくる。
「トレイズ…君。落ち着いて?ハクアが怯えてるから」
「おっとすまん。シンがあまりにも自分の言動を自覚してないからな」
「それはわかる」
「ソラさん?」
アタシがトレイズ君を窘めると、意外にも落ち着いてくれた。話は通じるらしい。ついでにシンの言動にも思うところがあったらしく、それにはアタシも同意した。それについてシンはアタシに不思議そうな顔を向けてきた。全然不思議じゃないから。
「それと俺は呼び捨てでもいいぞ。ソラ」
「りょーかい。アタシも…って言っても別に遠慮してなさそうだね」
「最初から遠慮してたら仲良くなるのに時間かかるからな!嫌ならやめるけどな?」
「いや?なんでもいいよ。その心意気もいいと思う」
「おう。ハクアも遠慮しなくていいかんな」
「わ…わかったでありんす」
トレイズは思ったよりも理性的なのかもしれない。第一印象こそやばい人だと思ったけど、喋ってみれば普通に話が通じるみたいだ。
「あわよくば、俺に惚れてくれてもいいかんな!」
うん、ダメだ。見直したのに評価がまた下がった。ある意味天才かもしれない。
「晩御飯を食べに行きませんか?」
「そうね…そうしよ。ハクアも行くよね」
「わかったでありんす」
「まって!?無視しないでくれ!?」
トレイズの悲鳴を後ろで聞きつつ、アタシ達はご飯を食べに外に出るのだった。
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「さて、今日はどこ行こうか。って言っても全然知らないけど」
「そうですね。どこも美味しそうですので、いろいろ行ってみたいですね」
学園から出たアタシ達はゆっくり歩く。
「わっちも…よくわかんないでありんす」
「ハクアも最近来たの?アタシとシンは昨日来たんだけど」
「わっちは四日前でありんす」
「そっか…なら適当に入ろっか」
まぁどこだろうと美味しいだろうし、好みはおいおいでいいだろう。
「まてまて。なんで俺には聞いてくれないんだ?」
「あ、ごめん。忘れてた」
「ひでぇ…」
アタシとシンとハクアで簡単に方針を決めると、不満そうにトレイズが抗議してきた。
「ごめんごめん。それでトレイズはいつからいるの?」
「軽くね?まぁいいけど…俺は王都出身だ。だから詳しいぞ」
「そうなの…?ホントに…?」
「なんで疑わしそうなんだ…」
何て言うか、トレイズが王都出身なんだとしたら、こんな人がいっぱいなのかと思うとちょっと王都が不安になった。
「つうか、今日は俺の家に来ないか?」
「トレイズさんの家…ですか…大丈夫なんですか?」
「シン、俺の家と聞いて警戒するのも止めてくれよ…悲しいじゃないか」
「いえ…この短時間の行いのせいです」
わかる。油断するとおかしいから、警戒するのもわかる。
「大丈夫。家が定食屋なんだ。だから来ないか?」
「なら最初からそう言ってください」
シンの言葉にはアタシも全面的に同意するけど、アタシは黙っておいた。
「まぁ…特に決まってないし、いっか」
「ソラさんがいいなら僕は構いません」
「わっちも…不満はないでありんす」
「おーっし!じゃあ俺の家に行こう!」
というわけで、意外なところで今晩の目的地が決まり、アタシ達は歩き出したのだった。
第59話を読んで頂き、誠にありがとうございます!
と言うわけでシン君の同室のトレイズ君登場回でしたー!
シン君の同室の子の性格はとても悩んだんですけど、明るい子が良いかなって思ってできましたね。
そして名前もだいぶ迷った子にもなります…
性格はエド君と被らんでもないんですが、その辺は頑張って切り分けたいですね。
それでは今回はここまで!
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明日もお付き合い頂ければ幸いです!




