第57話
こんにちは!
明日葉晴っす!
連日実質四日目!
まだ大丈夫です!
今回はまったりです。
ソラちゃんの同居人は誰かって話ですね。
まぁお気付きの方もいるでしょうが。
それでは本編をどうぞ!
前回のあらすじ
試験を終えたソラ達。合格が発表され、所属する科を各々決めていく。ソラは魔法科、シンは剣士科に入ることにした。その後生活する寮に案内され、簡単に寮についての説明を受ける。それが終わりシンと労いあうが、そこでシンが最優秀者になったことを、ソラは知るのだった。
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アタシは鍵に付いた番号札を頼りに寮の階段を上って部屋の前に着いた。アタシとシンが寮のロビーで別れるときは人はほとんどいなかったから、もしかするとアタシの部屋には先に同室の人がいるかもしれない。
はぁ…相部屋って初めてだから、なんか緊張する…
こういう場合、第一印象が大事だと思う。だから同じ部屋だからこそ礼儀を尽くそう。そう思いアタシはノックを一応した。
「こんにちはー…」
反応がない。中の気配を伺うと微かに物音がするから人はいるとは思う。意を決してもう一度ノックをする。
「いますよねー…?入りますよー…?」
そっとドアノブに手を掛けて扉を開ける。すると人影が部屋の真ん中から勢いよく備え付けられてたベッドに跳んでった。そのままベッドの上で丸くなってしまった。
………え?何事?
「……あの…」
「っ…!!」
アタシが恐る恐る声を掛けると、丸くなった物体はびくりと跳ねた。話しかけ辛い。
「あのー…」
「………」
想定外だ…コミュニケーションが取れないとは…第一印象もなにもないじゃないか…
「アタシはソラです。ここの部屋に割り当てられたんですけど…」
「……」
とりあえず名乗ってみたけど全く反応がない。ここまでくると流石に傷付く。
「ねぇ…挨拶くらいしましょうよー…」
「わ……ハ……す」
「え?」
微かに丸い物体から声が聞こえてきた。か細いけど綺麗な声に感じた。
「わっちは…ハクア・ヒノエ…でありんす」
「ハクアね…え?ヒノエ…?貴族?」
いや、それ以前にもツッコみたいところもあるし…すっごい独特な喋り方だよ?前の世界のドラマとかでみた花魁みたいな言葉だよ?
「わっちは…貴族じゃないでありんす…」
「あ…そうなんですか…珍しい…ですね…」
貴族じゃなくて家名?なんなんだろ…てか…
「あの…そろそろ顔見せてもらえませんか…?」
「……り……す」
「はい?」
「無理でありんす…」
えー…
「それはなぜでしょう…?」
「わっちは…忌子でありんすから…」
「イミコ…?」
…ってどういう意味…?名前?…はー…ハクアか…
「そうでありんす…だからわっちは人前には…出れないでありんす…」
ちょっとまって…わかんないから…進めないでほしいです…
「人に姿を見せると…不幸を呼んでしまうでありんす…」
あー…そういう…呪い的な…?イミコさんが不幸を呼ぶの?うー…ん…いいや。
「うん。わかりました」
「わかってもらえたでありんすか…?」
「うん。わかんないことがわかった。だから姿見せて?」
「へ…?」
面倒だから敬語も捨ててアタシが催促すると、驚いたような間の抜けた声が聞こえてきた。さすがに一文字程度じゃ語尾は出ないらしい。
「アタシ、呪いとか信じてないし。あ、呪いじゃなくても信じないよ。姿見るだけで不幸とかアホくさい」
「でも…わっちの国では…」
「まだなんか言うの…?うだうだしてるなら…その布団、剥ぐよ?」
「ひぃ…!」
少々苛ついてきたアタシは、半ば本気で脅しをかけた。その言葉を聞いて布団被った物体は悲鳴を上げたあと、唸りながらもベッドから降りてきた。が、出てきたのはローブで全身を覆ってフードを目深に被った人だった。
あ…一番の人だ…女の人だったんだ…うん。全く姿が見えない。
「こ…これでいいでありんすか…?」
「いや、いいわけないよ?嘗めてんの?」
「ひぃっ…!?」
しまった…ついうっかり本気で言っちゃった…
アタシの脅しに対して、ハクアさんは悲鳴上げてからおろおろしだした。あたふたと右に左に細かく動いている。
試験の時はミステリアスな雰囲気だったのに、ホントはこんな性格だったのか…
「はーやーくー、はーぐーよー?」
「えっ…うっ…わっ…わかっ…わかったでありんす…」
アタシが更に煽ると、ハクアさんは止まって、覚悟を決めたように呟いた。そのあと、フードに手袋をした両手を掛けて、一気に取り去った。
「はっ…」
フードの下から現れてまず目に付いたのは輝くような長い銀髪。の上についている耳。
え…?耳…?え?えっ…?
思わず二度見した。三角の耳が二つ、髪と同じ銀色の毛並みで乗ってる。てか生えてる。
「こ…これで…いいでありんす…?」
「え…あ、うん…そだ…ね…」
耳に目を奪われてたけど、呼びかけられて改めて顔を見た。そこで再び目を奪われた。
やば…すっごい美人…
透き通るような白い肌に、筋の通ったすっきりした鼻、桜のように染まった口、細くて理知的な目は綺麗な赤色の瞳で、見ていると吸い込まれそうだった。
「や…やっぱり…わっちは気持ち悪いでありんすか…?」
「え?いや全然。なんで?」
アタシが黙って見惚れていると、ハクアさんは怯えたように聞いてきた。アタシはその質問が訳が分からなかったから、逆に聞き返した。
「なぜって…わっちは…いつも国ではそう言われて…銀毛赤目は忌子だと…気持ち悪いと言われてたでありんす…」
「そうなの?普通に綺麗な髪だと思うけど」
「き…綺麗でありんす…?」
「うん。ついでに言えば美人だね」
この人が気持ち悪いというなら全人類気持ち悪い。というのは言い過ぎかもしれないけど、普通に気持ち悪いと言う要素は見当たらない。
てことは…文化の違い…?でも聞いたことないけど…
「んとさ、もしかしなくてもホミニスじゃないよね?なんて種族なの?」
「フォクシーでありんす…」
あ、知らないわ…そもそも種族そんな知らないわ…
「その…フォクシー?の文化は知らないけど、ここはホミニスの国。しかもいろんな種族のいる、人の為の国だよ。姿だけじゃ差別しない…と思う…少なくともっ!アタシはしない」
「なんでそこまでするのでありんす…?」
「なんで?だって相部屋の同居人だよ?別に悪い人でもなさそうだし、仲良くしたいじゃん」
ここに住むのなら、同居人とは仲良くしたい。最初から決めてたことだ。その目標は今後の生活にも関わるし達成したい。何より悪い人じゃないなら、誰であれ仲良くしたい。
「でも…いるだけで不幸になるでありんす…」
「まだ言うか。アタシは信じないって」
「じろじろ見られるでありんす…」
「美人だからね」
「…?」
どうしてそこで不思議そうにするか…まぁ確かに、ずっと気持ち悪いって言われてたら受け入れられないか…
「とにかくっ!改めて、アタシはソラ。あなたは?」
アタシはハクアさんの顔を見て、再び名前を言いながら手を差し出した。
「っ…!……ハクア・ヒノエでありんす…」
アタシの顔と手を交互に見た後に、おずおずと言った様子でアタシの手を取って握手した。ようやく一歩を踏み出せた気分だ。
「そっか。よろしく!」
「よ…よろしくお願いするでありんす…」
「ついでにハクアって呼んでいい?アタシはソラでいいよ」
「いいでありんす…ソラ…」
「うん!ハクア!」
こうして、同居人との和解?もできたことで、アタシの学園生活がより楽しいものになりそうな気がするのだった。
第57話を読んで頂き、ありがとうございます!
てなわけで、一番の人の正体が判明する回でした!
まぁまだ断言してませんが、種族名で大体わかりますよね。
ハクアちゃんは当初、性格全く違う子で考えてました。
てか最初から姿をばっちり見せる予定でした。
気付いたら姿隠してたんですよね。ホントびっくり。
それでは今回はここまで!
ブクマして頂いてる皆さん!
そうでない皆さん!
いつも読んで頂きありがとうございます!
また明日もお付き合い頂ければ幸いです!




