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極大魔力の初級魔法  作者: 明日葉 晴
第4章 再会。思いの違い。ぶつかる意思
54/263

第54話

こんにちは!

明日葉晴です!


今回はソラちゃんのターンです!

この最終試験ではソラちゃんの今の実力を全部出せればと思います!

剣も魔法もおもっきし!満載に!

出来ればいいなぁ…って思ってます。


それでは本編をどうぞ!

 前回のあらすじ

 入学試験に臨むソラ達。シンがついに最終試験へと挑むことになった。シンの戦いを見ることで副学園長の実力を測ろうとするがそれが失敗であった。見れば見るほどに副学園長の実力差は深く、遠く、かけ離れているという事実しかわからなかった。そんな中シンの試験が終了し、ついにソラが最終試験の番となったのだった。


 ============


 アタシは今までの試験にないほどに緊張していた。それでも覚悟は確かに持って訓練場に降り、副学園長と向かい合った。


「……よろしくお願い致します…」


 アタシは一礼をする。こうして対面するとプレッシャーが圧し掛かる。先生が本気の態度を取った時のように圧力がある。アタシの気のせいならいいけど、つぶされそうなプレッシャーを気のせいと言えるほどにチキンと思いたくもない。


「あぁ」


 副学園長は一瞬バインダーから視線を外して一言。


 いや…あぁって…


 そのあと、何かに気付いたようにアタシに再び視線を向けて観察するように眺めてきた。戦いの間もなかなかバインダーから目を離さなかっただけに、その態度に少しだけアタシは気圧されて一歩だけ下がった。


「な…なんでしょう…」

「君は金獅子と同じ出身かい?」

「は…はい…なぜそれを…?」

「君の噂はかねがね。ならばそうか…バウゼル殿の子か」


 その言い方はちょっと語弊があるような…てか…


「なぜそれを?」

「金獅子がバウゼル殿の教え子だということは試験の時に聞いているよ。太刀筋が似ていたからね」

「なるほど…先生のことを知っているんですか?」

「知っているよ。あの方は有名だ。王都にいればわかるよ。それよりも試験を始めよう。どこからでも来るといい」


 ここでもはぐらかされる…バウゼルさんは一体何なんだろう…


 それ以上は言わないとばかりに話を切られ、副学園長は姿勢を正した。バインダーから目を離してアタシを見据えるその姿は、ただ立っているだけなのに一分の隙も無い。


「早く剣を抜くといい。先手を譲って実力見なければ試験にならないだろう?」

「っ!!」


 副学園長は事実を冷静に言っただけだろうけど、アタシはその一言で馬鹿にされたように感じた。実力差は本当にあるんだろうけど、全く手が届かないと思われるのは先生が馬鹿にされているようで嫌だ。


断空(だんくう)』!!


 一瞬で構え、勢いよく鞘から剣を横振りに抜き放つ。以前にお父さんがアタシとの戦いで見せた技だ。お父さんは剣を抜いた状態で使ったけど、本来は抜刀術だって先生から教わった。


「なっ…!?」


 しかし副学園長はバインダーで難なく風圧を弾いてしまった。アタシ向きの技ではないと先生から言われたけど、簡単に防がれるのは悔しい。


「ほう…確かに…いや。完全にバウゼル殿の太刀筋。技を継いだのは君か」

「えぇ…技は教わりました。まだアタシのモノにはなってませんが」


 先生は技が自分のモノになった時、技が見違えるって言っていた。変化もするだろうとも。今のところそんな様子はないから、まだ借り物みたいなものだ。教わっただけ。


「ははっ。バウゼル殿の技が簡単に身に付くわけがないだろう。教わるだけでも君は特別なんだよ。金獅子とどちらが上かわからないがね」

「なんでクラウセッドの話が?」

「それは君自身が確かめるといい。さぁ、試験を続けよう。その面白い剣も見せてほしいね」


 なんだかはぐらかされてばっかりで腑に落ちないけど、試験のことは確かだからアタシも構え直した。それと会話したことで幾分か心も落ち着いた。


「すぅ…ふぅ…」


 静かに、深く呼吸をして頭を切り替える。


絶空(ぜっくう)』…!


 アタシは剣術試験でも使った技を放つ。しかし副学園長には通用せず、身体を横にずらして躱された。アタシは技の余韻で後退し構え直す。


 峰打ちにして全力で当てるつもりだったのに避けられた…


 落ち込みつつ構え直したアタシを見つめる副学園長は真顔だった。バインダーに視線を向けていないだけ、アタシが今まで見ていた試験とは違うと感じた。


 本気かどうか…シンの時も最初は避けっぱなしだったけど…


「“ウィンド”」


 アタシは踏み込むと同時に魔法で加速。速度としては『絶空』を上回る。そのまま最小限の動きで振りかぶった。


「“ウィンド”…“ウィンド”!」


 だけど正面からは斬りかからずに魔法で急転換。空中で斜め上から急加速の特攻を仕掛けた。


「っ…」


 完全な不意打ち、速度も上げてる。それでも弾かれてしまった。だけど。


 今…軽く息を飲んだ…?それに止めたんじゃなくて弾かれた…


 この速度でも追いつかれてしまう。だけど、今の一瞬だけは副学園長の予想を上回れた。と思いたい。弾かれたことで再び後退して仕切り直しになったけど、ようやく見せた副学園長の人間味に、アタシは少しだけ余裕を取り戻した。


 速く…もっと…副学園長も絶対無敵なわけじゃない…考えて…上回る…


「“ファイア”!」


 アタシは副学園長の周囲に火を放ち、視界を遮る。その間に後ろに回り踏み込んだ。


「ふっ…!」


 魔法は術者に影響がないことを利用して、躊躇いなく火の中をくぐって斬りかかる。だけど副学園長は予想してたのか、アタシの方を向いていた。


「“ウィンド”、“ウィンド”、“ウィンド”………」


 副学園長が見ていたことで斬ることを一度止めて上に跳んだ。そのあとは速度を上げ、副学園長の知覚を外すために、魔法を連発しながら縦横無尽に副学園長の周囲を跳び回る。さらにすれ違うタイミングで牽制の為に斬りつけ、下手に逃げないようにその場に留めさせた。


 流石にきっつい…そろそろ舌噛みそう…


 何十回と魔法による加速を重ねる。魔力の限界は全く感じないけど、速度を上げることによる体の限界は感じ始めていた。


 こんなに速度上げてるのに…まだ隙が見えない…!


 すでにアタシは今まで出したことのない速度に到達している。なのにアタシの斬撃はすべて副学園長のバインダーによって防がれるか避けられていた。受け止められも強く弾かれもしないけど押し切っている感覚もなくて、受け流されているのが正解という状態だ。


 くぅ…無理…


閃空(せんくう)』…!


 アタシは空中で剣を顔の横に寝かせるように構え、着地と同時に刺突を放った。使える技の中では最速の技だ。教えてもらった技にはもっと速い技もあるけど、成功率が低かったり体勢が悪かったりと、今の状況を考えればこの技が最善だろう。


「くっ…」


 限界まで速度を出して翻弄したつもりでも、副学園長は微かに声を漏らしながらも紙一重で躱した。だけど本当にわずかに副学園長の髪の毛を掠らせた。今まで避けられるときはかすりもしなかったから、大きな前進だ。


 よっし…!!


 内心で喜びつつ油断なく後退し、仕切り直す姿勢を取って副学園長と向かい合う。副学園長の表情は変わらず読めない。


「く…ふふ…ははは…あはははっ!」


 かと思いきや片手で顔を覆って笑い始めた。なんだか初めて感情らしいを感情を見た気がする。


「いや、すまないね。今のは危なかったよ」

「それは本気になったと思っても?」

「あぁ、相違ないね。本気で殺してしまいそうになって、焦ってしまった」

「っ…!?」


 殺…って…?


「今の攻撃はよかった。反射的に殺してしまいそうになるくらいには余裕がなくなっていたね」


 つまり…避けるより殺す方が早いのか…


「化け物ですか?」

「ははっ。私はれっきとした人だよ。付け加えるならただのホミニスだ」

「だとしてもですよ。アタシは限界だったのにまだ反応できるなんて」

「君より長く戦っているからね。実力も君よりあるつもりだ。おいそれと負けられる立場にもいない」

「まぁ、アタシも勝てるとも思ってはいませんでしたが…それでも悔しいんで」

「なるほど。いや、結構なことだ。向上心の表れだね。さて、試験は合格にしてもいいけれど、どうするかい?」

「最後まで続けます」


 アタシは構えを取り直して続行の姿勢を見せた。


「実にいい。なら私も殺さないように付き合ってあげよう」

「お願いします」


 アタシが一言だけ言うと、副学園長は少しだけ口角を上げた。


「副学園長にしてアズマキア王国王令執行部隊副隊長。エリステラ・ルゥ・シャルメルト。相手をしよう」

「……っ!!?…ソラです」


 副学園長の名乗りに息を飲んで、かろうじて名乗り返した。正直、肩書の重みは理解しきれていないけど、重要な立ち位置だということは何となくわかった。そのことだけは理解して、もう一度構え直すのだった。

第54話を読んで頂き、ありがとうございます!


勢いあまっていつも書いてる量じゃ収まんなかったですねー。

てことで試験はまだ続きます。

それはさておき…明日で初回投稿から一年経ちます!!

はっやー…

そんなわけで明日も投稿します!


ブクマして頂いてる皆さん!

そうでない皆さん!

いつも読んで頂きありがとうございます!


明日もお付き合い頂ければ幸いです!

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